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何となく入学した陸軍幼年学校生の軍人としての確立と、終焉。生徒間の人間関係や時代のうねりが圧迫感として迫ってきます。凛とした雰囲気。あれで良かったのだと思う。
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戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた長編。谷崎潤一郎賞受賞。600ペ−ジにわたるまさに長編だったけど、続きが気になって一日で読めてしまった…。
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――勝つことを信じることが、少年達の生きる意味。
現代人にはあるはずのない思想。だが少年達には強く強く信じていたものがあった。未来永劫、国家の勝利・・・それから愛した人。それを信じることが、生きることだった。
信じたものが、否定されたとき、あなたは怒るでしょう?それと同じなのだ。
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いい。
昔のこう・・・なんていうか、少年たちのさ!!
いいよね。少年。すごくいい。
陸軍幼年学校のはなし。
終戦間際くらいのはなし。
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「帰らざる夏」は、三島由紀夫氏の割腹事件によって形をとり始めたということです。
戦争を正面から描いたという点で、「帰らざる夏」は三島由紀夫氏の文学よりも共感を覚えます。
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文庫で1500円もした衝撃は忘れられません。内容は戦時に置ける行動と思想の崇高さがやはり異常で恐ろしい。案外怖く無さそうな死がそこにあってもっと怖い。BLだと思って読むと大変だ。
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あどけなかった少年が、一人前の将校生徒として、兵籍に身を置くものとして成長。玉音放送をきっかけに、ひたすらに信じてきたものが崩壊。どこかでわかってはいても、受け入れられない現実。苦悩の末に見出した答え。
読んでいて、胸が苦しくなりました。
若さゆえの苦悩、純粋すぎるゆえの悲劇かと。
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これも軍物。
陸軍幼年学校の生徒の話です。
ほのかにボーイズラブな香りもして、でも全体に流れるのは終戦間近の張りつめた空気。
折角助かった命を、それでも投げ出そうとするのは国のためですか。
それとも……?
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2008/2/19〜3/1
軍事もの。最初は読みにくくて頁が進まなかったけど『玉音放送』辺りから止まらなくなった。
戦時という魔物に翻弄された少年の話。
戦争を疑問に持つことすら許されないし、考える余地を与えさせないあの時代の息ぐるしさを感じました。
純粋で実直な性格ゆえの最後の決断なのでしょうか。
『十六歳の小さなこの身から戦争と軍人を抜き去りしならば何が残るでせう』534P
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父親の手紙の文章の中で、
桜の描写があるんですがそれが神!!忘れられません。すごい〜
ちょっと同性っぽいのですが、それでも面白い。戦争もの。
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戦争を美化したり、正当化したり、そうじゃなくて、
本当に信じていた時代の、少年達の話です。
内容的に好き嫌い分かれるのだけれど、好きとか嫌いとかではなく、
個人の史実だと思って読んだ方がいい。
現代の価値観ではなく、過去の価値観を知ることは必要だと思う。
それが正しいとかどうかは別として、
価値観や常識や善悪など普遍ではないのだから。
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確認先:稲城市立中央図書館
加賀乙彦の名作。
ミリタリーものというくくりをするべきか、三島由紀夫が忘却したかったものの一面とみなすべきか、評者は苦しむ。
加賀自身、陸軍士官学校卒の精神科医という異色のキャリアをもっているが、決して自叙伝にはなっていない点は評価すべきだろう。
とはいえ、そんじょそこらのボーイズラブや架空戦記の愛読者だの作家だのといった人々が脱兎のごとく逃げ出してしまうのは事実であるし(加賀の作品には濡れ場もかっこいい?武器も登場しない。ただただ敗戦間際の狂気と擬似的な同性愛にも似た侠気だけがつつまれる)、私自身途中から面倒になってくるほど長い作品と感じてしまったのは事実だ。
ここには理想もへったくれも無い無様な姿だけが見えてくる。加賀乙彦が今のミリタリーもの小説やBLマンガを見たら何というのであろうか。
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三島由紀夫の忘れ物。同性愛作品だと聞いて興味本意で読んだら返り討ちにされた重厚な作品。
私は戦争が大嫌いだが、この作品が面白いと感じたのは国としての戦争を描いたからではなく、一個人の戦争体験記のように読めたから。
玉音放送後の省治たちの様子は井の中の蛙、なんだか滑稽で本当に可哀相だった。自害は国を思ってもあるし、自分の中の天皇像を守る事でもあるが、源との深い絆(むしろ愛)の結果だと思いたい。
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初めて読んだとき自分は高校生で、ミナモト先輩がすごく大人に見えたけど、大人になってから読み返したら彼はすごく子どもだった。
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戦争の只中、陸軍幼年学校という軍国主義に染まった場所で生きている少年達の、苦悩を思い知らされる一冊です。戦争の重く暗い話の中、少年達の笑顔のなんと輝かしいことか!