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行動経済学の名著、経済学の文脈において「十分に賢く、合理的である」はずの我々が、いかにに不合理(しかも法則性が存在する)であるか、筆者の実施した実験を元に語られている。筆者は(いい意味で)とっても趣味が悪く、本書もユーモア溢れる文体で書かれているのでので読み物としても十分に楽しめる。
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アメリカでベストセラーになった行動経済学を扱った一冊、らしい。たしかに2016年11月下旬現在のアマゾン・ジャパンでも、本書は「経済思想・経済学説」部門ランキングで第一位となっており、おまけにベストセラーの札も付いている。普段経済書など読まないわたしは、とりあえず前ならえで本書をお買い物カートに入れた。すばらしい!わたしはこの場面で、本書の第一・二章のとおりの行動をとったようだ。すなわち、経済学に明るくないためにどんな本を読むべきかの判断基準を持たないわたしは、相対的に評価の良い本書にハーディングした(群れた)。わたしはなんと「予想どおりに不合理」なのだろう。
本書で扱われいる事柄は、誰しもが薄々感づいていることなのかもしれない。不必要な消費とわかっていて、それが企業の思惑と知っていても、損でないならその手にのる。自分の癖は百も承知で、同じ失敗を繰り返す。人間とはじつにじつにおもしろい生き物である。しかしながら、著者やその研究仲間によるさまざまな実験によってその不合理性が明らかにされてはじめて、わかっていてもみないことにしていた事柄をより客観的に評価できる。ヘタな自己啓発本よりよほど示唆的である。相対的な選択も今回は当たりである。
個人的に教訓を得たのは、第九章である。本章の副題には、「なぜ選択の自由のせいで本来の目的からそれてしまうのか」とある。著者は実験によって、的を絞ったほうがより良く利益を得られることが明らかな場合でも、人は選択肢を残して力を配ることを証明する。結果的に不利とわかっていて、自らその道を選ぶとはどういうことなのか。著者は選択肢を残すことはなにかを手放していると指摘する。残しておけば失うものはなにもない一安心ということはなく、その代償になにかを必ず失っている。それがどうでもいいことならいいのだが、往々にして気づかぬうちに重要なことを捨ててしまう。人は普通、経験則としてこのことを知っている。しかし、実証は語る。行動経済学は人に冷静な判断などないことをよく理解させる。
「経済」と聞くと、わたしなんかは悪寒がする。小さいころからの理数への劣等感がわたしに経済学を嫌悪させるのだが、社会や人を理解したいと思えば思うほど、経済を抜きにしてはそれは不可能であることを渋々認めざるをえない。しかし本書は、わたしの背中を寒くはさせず、むしろ何度も笑わせた。それは彼の語り口がアメリカンなユーモアに満ちていたから(著者はイスラエル人ではあるが)というのもあるが、なによりこの学問がおもしろいと思えたからである。数字の羅列ではなく、だれもが身に覚えのある違和感が問題となっている。わたしにもあなたにもなにがしかの収穫があるだろうし、わたしは自分の関心のある分野に行動経済学の知見を活かせるのではないかと、読中読後わくわくしている。もう少しこの分野に足を突っ込んでみようと思う。
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最近経済学を学びはじめたところで、経済学に対して違和感を感じていたところだが、この本を読んで、その違和感を行動経済学で示すことができる気がした。
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行動経済学の入門書。分かりやすい事例が多用され、とても身近な出来事をもとに学ぶことができる。この視点があるだけで生活も仕事も大きく変わる。
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著者は実在の人間がもつ合理性を、多くのエピソード・実験を元に示している。読み進めるにつれ、従来の伝統的経済学が想定する「合理的な個人」がいかに不合理な産物かわかってくる。そりゃそうだ。多くの人はお金を使うときにラグランジュ未定常数法を解いたりしない。 それでは、かくも不合理な従来の経済学に肯定的な意味はあるのだろうか。大竹氏の解説がヒントになるだろう。伝統的経済学を基準点とし、私たちの意志決定がそこからどれだけズレているかを知ることで、より満足度の高い生活を享受できる。とのこと。参照点としての他者だ。
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行動経済学を知りたくて購入。
アメリカ文化との違いから実験内容に共感しにくいところもあったが非常にわかりやすい。独特な口調にも時期に慣れるからまずは一章だけでも読んでみてほしい。
個人的にはコカコーラとペプシの実験の話が面白かった。
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ハヤカワノンフィクションをつぎつぎと読み漁っていますが、
なんだかんだで読むのを後回しにしていた一冊。
続編の『ずる』を先に読んでしまっているくらい後回しでした。
『扉を開けておく』の章はとてもおもしろい。
この章では可能性のことを「扉」と称しています。
自分の利益になる扉を選択していく実験をおこなうと、
なぜか多くのひとが不合理な行動をとる(利益を減らす行動をとる)という結果をもとに、
どうしたら不合理な行動を防げるのかをたのしく学べました。
実験の結果から「扉をあけておきたい」という欲求を、
不合理な衝動ときっぱり言い切るところがきもちいい。
また『不信の輪』の章もおもしろい。
「なぜわたしたちはマーケティング担当の話を信じないのか」という切り口で、
ひとが不信におちいる理由を広告という身近な話題でわかりやすく説明してありました。
読みおえて思ったのは、もっとはやく読んでおけばよかったと。。。
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ファストアンドスローも面白かったけど、個人的にはこっちはもっと面白かったかな。以下、個人的なメモと感想。
4章 社会規範のコスト
プレゼント。現金ではなく物品を贈る。この一見経済的見地からすれば合理的とは言えない行為をする意味を論理的かつ端的に説明している。なるほど、私たちは市場規範・社会規範という、二つの相容れない世界に属していて、市場規範的には合理的と言えない行為も、社会規範の世界観を保つ為の合理的な行為だったりするのか。
9章 扉をあけておく
確かに、他の選択もできる余地を残すことで、不合理な結果になることもあるかもしれない。アレヤコレヤ、手をつけて結局身に付かない、確かに。でも、それが本当に正しい選択がどうかを、見極めるのが至難の技。もしかしたらもっと良い条件の職業に就けるかもしれないと、ウロウロしてはいけないと著者は言うけれど、アレコレと試してみて初めてわかるものだってある。要は、決断を先延ばしにしないで、これと思ったら行動に移すことが大切ということか?それが結果的にウロウロになってしまったとしても。
10章 予測の効果
実験結果は「予想どおり不合理」。でも、あー人間って人間だわっ(笑って、かなり楽しめた章。私にも思い当たる節がある。先日東博にて茶の湯展を鑑賞して来たのだが、改めて茶の湯人口の多さに圧倒されると同時に、この人たちは、この、「千利休作」「細川三斎所有」「武野紹選」みたいなラベル無しに、この品々ぬどれだけの価値を見出せるのだろう。というか、そもそも茶の湯の文化自体が、無価値な物を付加価値のある物と人々に信じ込ませることで生まれた幻想の文化、信長と利休プロデュースによる、今で言うブランディングのハシリだよなぁなんて、捻くれ者の自分は冷めた思いで(鑑賞する人々を)鑑賞してしまった。人間って、本質的にはこれからも永遠に変わらない。
12章 不信の輪
本章が別著「ずる」に繋がっていくのか。
共有地の悲劇にて、公共財を各人が公共の物との自覚を持っていれば長期的に見れば自分含め全ての人々が利益を得られるものを、短期的に利益を上げようと一部の企業や人間がズルをし、ズルをするつもりのない者も不信から正当な振る舞いをしなくなり、負の連鎖…って、あーまさに今の世の中だよね。このまま行けば、リンダグラットン著「ワークシフト」の悪い予想の未来(企業に対する不信感・公共資源の枯渇)が待ってるわけか…
不合理で、時に不正直で、自分のことを本当は何にも分かってない愚かな私たちだけれど、その不合理性にも規則性が有り、その規則性を知ることで、個人としても社会としても、より良い未来を探ることが出来ると、提唱してくれる良書。
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ノーベル賞でも話題になった行動経済学の本で、多くの実験に基づき、人間お行動や意思決定がいかに不合理かを簡易に説明してくれていて初心者でもわかりやすい。「持てば持つほどもっと欲しくなる」「現金が絡まないと不正をしやすい」「金銭的インセンティブと社会的インセンティブ」「興奮状態に陥ると判断を誤る」「現在バイアス」「所有効果」など。この分野を深く理解することで「合理的な」意思決定ができるようになるだろうし、他人の意思決定に影響を与えることもできるだろう。「人を動かす」の裏バージョン。
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ファスト&スローの系譜
1.相対性の真相
絶対的にものごとを考えるのは難しく、相対的な方が考えやすい。
最初に提示された金額は、後々の判断に大きな影響を与える
2.需要と供給の誤謬
3.0コストのコスト
ゼロになるだけで、人は冷静な判断ができなくなっていしまう。
4.社会規範のコスト
社会規範と市場規範が存在し、前者は優しさや信頼、後者は金銭でつながっている。
お金を払うと市場規範に陥る。
5.無料のクッキーの力
1セントから無料になると、市場の規範から社会的規範に移行する。
1セントのキャラメルを買う人は自分の空腹を満たすために複数買うが、無料になると家族との思い出などを想起する
6.性的興奮の影響
冷静な状態と、性的興奮している状態とでは、人の行動は違う。
人の行動は感情に左右される。
7.先延ばし問題と自制心
1学期間に3つのレポートを出す場合、最後に期限を設けるより、3つに分けておく方がきちんとこなせる。
8.高価な所有意識
人は自分の所有物の価値を過大評価してしまう
9.扉を開けておく
人は選択の自由を失いたくなく、選ぶことには苦痛が伴う。
価値のない選択肢であっても惑わされてしまう
10.予測の高価
知識が先か、体験が先かで意見が変わる。
安いワインと知ってから飲むより、美味しさを体験してから安いことを知った方が満足度が高い。
11.価格の力
価格が高いことはプラセボを呼び起こす
12.不振の輪
何かに対して不信を感じると、同じ種類の別の物を選択する時にもその不信感が現れてしまう。
13.わたしたちの品性について その1
十戒を思い起こすことは人に正直な行動をとらせる
14.わたしたちの品性について その2
お金を直接やりとりする取引と、ワンクッションしてお金をやりとりする取引とでは不正の頻度が違う
15.ビールと無料のランチ
自分の選択に対して、他の人の意見の影響がないときのほうが満足度が高い。
メニューを他の人に知られずに選択するか、メニューを一番最初に注文するか(2番目以降は前の注文を気にしてしまう)ほうが満足度が高い。
無料のランチは存在しない、なぜならそんなものがあったら誰かが食べ尽くしているから
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猛烈に面白い。ただ、なぜ行動「経済学」という新たな分野を打ち立てる必要があったのか、要は、心理学や社会心理学と名乗ってはなぜいけなかったのかは、まだピンとこない。
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2017/10/02
人は経済学的に動くようにはできていない。
論理的に考えたらおかしい行動も取ることがある。
それをわかりやすい実験で示している本
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非常に興味深いほんである。この本で書かれた行動経済学の存在をしったことは、久しくなかった知的な収穫であるように感じる。日常生活において道徳的に行動するために必要なことは何か、ヒトは正しく行動できるのか、できないのはどんな時なのか、色々と示唆に富む内容である。 非常に興味深いテーマには報酬とプレゼントの関係だ。人間の生活には、社会的な生活と経済的生活があり、ボランティアで行うのは社会的な生活から生まれる行動であり、プレゼントは社会生活を円満にする潤滑油になりうる可能性があるが、わずかでも賃金や金銭的謝礼が発生すると経済的な関係が発生してしまうということ。すると、謝礼を受け取った側は自分の行動の貨幣価値を日頃の業務と比較してしまう。このため、謝礼が多く感じたり不満を持ったりする。このことを踏まえて、他人との関係を気付くことが重要である また、テストの前にモーゼの十回やありもしない倫理規定の存在におわせるあるいは、記憶を呼び起こすだけで、ヒトはずる、虚偽の結果報告、(おそらくカンニング)なども発生しにくくなるという実験があった。このことは子どもの教育においても重要な示唆を与えると思う。どんな時も不正はよくないことだと数多く教えられた人間ほど、やはり法を犯したり、ヒトをだましたりする行為をしにくいのではないかと思った。
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実験が豊富でとてもわかりやすい。
薄々気づいている自分の不合理な行動をずばり指摘されて、本を読まなきゃ知らなかった新しい発見も沢山ありました。自覚するだけでは難しいんだろうけど、そんな不合理な思考・行動に反抗したいなと思ったり…。
行動経済学って実用的で面白いと気づかせてくれる本。
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行動経済学の非常にとっつきやすい入門書です。著者は’’価格の力’’に関する研究と実験でイグノーベル賞も受賞してます