0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
未曽有の震災の後に起きた刑事事件とその裁判を傍聴しての記事。無防備を晒す人や家財を見て、第三者の同情心や土木工事の需要を見越して、たやすく罪へと乗り込んでしまった人たち。怒りを禁じ得ない事件もあれば、罪を問うのは気の毒と感じる事件もある。
投稿元:
レビューを見る
震災に纏わる欲と正義。倫理的には許されるが違法であったり、倫理的には許されないが合法であったり。前者で捕まる人もいれば、後者で儲ける人もいる。印象的なのは「メサイヤ・コンプレックス」。正義は暴走し、それが違法行為を正当化する。
著者の上から目線というか正義感溢れる文章がちょっと気になる。もっと犯罪者の心理に切り込んで中立的・分析的に書いて欲しかった。思った以上に詐欺の実刑が多く、重い犯罪だと認識。世の中にウソつく人は大勢いるだろうが、金儲けのウソは重罪なんだな。この辺は学校教育でちゃんとやった方がいいと思う。
全体的には止むに止まれぬという犯罪は少なく、あまりにも簡単に犯罪が行われているので、なんか読んでいると頭がクラクラした。欲に眩んでいつ自分が一線を越えてしまってもオカシクないような、またいつ被害にあってもオカシクないような、なんとも言えないある種の錯覚に襲われた。過去に数え切れない犯罪被害(といっても窃盗とか器物破損程度だが)にもあった事も思い出し陰鬱な気分にもなった。そして、そういう自分と同じような弱い人間達が街中にウヨウヨしている危うさも感じた。
投稿元:
レビューを見る
こういう本の存在自体はすごく意味のあることだと思うけど、内容はいまいち。というより、求めている物と違った。もっと客観的な視点からの見解と情報が欲しかったです。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災に関する裁判の傍聴レポ。偽医者の件はTVでも大々的に報道をされていたため、あの事件かと思い出した。ネットで見かけた事件の裁判もあり、こんな判決になったのかとこの本を通じて知ったのもいくつかある。西日本在住のため、東日本大震災は未曾有の天災だったので被災地だけでなく、日本全体がパニックに陥った。そんな時に窃盗や他の犯罪をするなど私には考えられない。偽医者の件は著者が言うように市側にも責任があると私も思う。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災の復旧・復興の最中にもろもろの罪を犯し、さばかれた人々の物語。著者の描く犯罪時の再現部分がイマイチで少し残念。
地震が起きた当時は海外におり、東北人の我慢強さが日本人全体の株を上げているニュースをよく見かけていた。地震後、約1年半ほどして縁あって東北にて公共事業に関わった。現地ではやはり必ずしもいい話ばかりではなかった。そんな自分の体験も含め、興味深く読ませてもらった。
投稿元:
レビューを見る
東日本大震災に便乗した犯罪がいくつもあった。ただ、メディアが
大きく取り上げたのは本書にも収録されている石巻のニセ医者
事件くらいだろうか。
大地震・大津波、そして原発事故。大きな出来事の報道が優先
され、メディアがあまり取り上げなかった事件の裁判傍聴記。
掲載されているのは18例。小説仕立ての事件概要、裁判の
様子、そして著者の感想がワンセットで1章になっている。
出来れば事件概要はフィクションじゃなくて、事実を淡々と述べて
もらったほうがよかったのだが…。
あの大震災が発生した後、海外メディアはこぞって日本人の
モラルを絶賛した。略奪は起きないし、あれだけの大きな災害
なのにパニックも起きない。日本人は凄い…と。
しかし、略奪はあったし、義援金詐欺なども起きていた。それは
怒りよりも情けなさを呼び起こすよね。
被災者を食い物にした詐欺なんて最悪だけれど、被災地に
取り残されたペットを救う為に通行証を偽造した事件なんて
被害者もいないのに起訴するってどうなのよ?
あの大震災ではなくても火事場度聾的な犯罪は発生している。
まぁ、一番の大きな犯罪は原発事故なんだけどさ。
さて、本書でかな~り引っ掛かった部分がある。とある事件の
概要の部分。
「震災時に「火事場泥棒」的な犯行をするのは、外国人の窃盗団
に決まっているし、国外に逃亡されたら検挙は難しいだろうと
思っていたいからだ」
なぁ、これって著者がこう思っているってこと?なんで外国人と
断定しちゃうの?いや、フィクションなのは分かっているけど、
これはダメでしょ。