紙の本
ただ読み手を求めて
2011/10/01 22:11
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ツイッターで発表された物語風ツイートを取りまとめて文庫本にしたもの。第一章まで読んだ時点では、世界観と少女の生活の齟齬にイライラして評価が低かったのだけれど、きちんとその齟齬を解消する設定が組み込まれていたことが明らかになってからは、ちょっとすっきりした。
おそらくは誰も人間がいなくなった地球上で、だたひとり残されたFLASCO(フラスコ)という少女が、移動図書館を駆って大陸を回り、様々な物事に出会いながら、読み手を探していくというストーリー的背景を持った連作短編集となっている。
先に述べたとおり、ツイートがベースとなっているため、文字数に制限がある。この制約の中で物語世界を固定化するために、少女と移動図書館という単語を全てのツイートに共通化させ、また、最初の一文を同じにすることで舞台設定の明確化を行っている。
普通の物語を映画のようなものとすると、こちらはスナップショットをまとめたアルバムを見ているような印象を受ける。場面場面を切り取り、その瞬間に繰り広げられる出来事を、140字の中で描き切らなければならないからだ。
ゆえに、物語の連続性という点でいえば、普通の小説よりは相当に弱い。どの様なつながりで出来事がつながっているのかは忘れがちになってしまう。
しかし一方で、文字数に制約があるということは、定型詩のような様式美の雰囲気も感じさせる。未だ様式は模索中である印象はぬぐえないが、それでも物語に関連性をつけさせる工夫の跡を見るのは、なにか面白い。
あえて本という形にまとめる意義は特に見出せなかったが、それを否定する根拠もないと思った。
紙の本
かわいい
2016/12/07 20:37
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投稿者:ひのえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ツイッターノベルを初めて読みました。小説というより詩を読んでいるみたいで新鮮でした。移動図書館で働くの、楽しそうです。
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移動図書館が舞台というだけでもう満足です。
続きはあるのかな。
フレスコには移動図書館に乗って王子さまとか鉄郎とかキノのように色んな星や国に行ってみて欲しい。
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もともとTwitter上で発表された物語。
Twitter上で読んでいた時でも、異彩を放つ一連の作品に心を惹かれていた。
こうやって改めて本のかたちで読んでみると、時の移ろいとかがわかりやすい。
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表紙の絵と話の設定に惹かれて、テスト期間にも関わらず購入←
最初の印象は、短すぎな短編集。
でも、後半に進むにつれて、「割と嫌いじゃないなぁ」と思った。
横書きが縦書きになったから、最初はなんか、変な感じがするのかも知れない…
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Twitterで、1年にわたって書き続けられた小説。
小説というより、詩集に近い。
1篇1篇の詩が少しずつ時をすすめていくことで、1つの物語に。
みずみずしい言葉たち。
ラノベというワクに収めるのはもったいないと思う。
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2011 5/31読了。WonderGooで購入。
人類がいなくなった後の世界で、読み人を探して本をいっぱい積み込んだ移動図書館を駆り彷徨う少女の話。
もともとはTwitterで連載されていたという小説(ついのべ)を1冊にまとめたもの。なので、1話140文字以内の掌編を次々連ねていく形式の本。
・・・と、いうことは手にとってみるまで知らず、「移動図書館」という題材に惹かれて買って後から知った。
まとまった本で読むのも、題材的には良いのだけれど、1日1話、Twitterで流れてくるのを読むのも素敵だったやも知らない。
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『800番台は文学』
一瞬面食らったけど、日本が舞台じゃないなら分類法は当然NDCじゃなくてDDCですね。
いかん、頭がすっかりNDC。
NDC日本十進分類法と、DDCデューイ十進分類法では、類目からして全く異なるのです。図書館ごとに独自の分類使うことは普通にありますが、世界的にはもちろんDDCが主流。
ちなみにNDCでは文学は900番台。800番台は言語。
郷土資料扱いになるので、所蔵されるとしたら最大3冊(開架・禁帯・閉架用)。県立図書館開いたら聞いてみよう(まだ休館中)。
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ツイッターで綴られたノベルという事で読んでみました
ノベルというよりは、詩集という作品です
人類が消えた世界で、ただ一人残って旅をする
少女と彼女の相棒である車「移動図書館」
寂しいはずの世界が、少女の目を通して
とても優しく綺麗に表現されていきます
丁寧に紡がれた言葉の一つ一つが、とても瑞々しく
新鮮な感動を与えてくれました
詩というとハードルを高く感じてしまいますが
これなら誰もが気軽に読めます
そういう意味でもとても素敵な作品だと思います
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“「嘘」
少女は移動図書館を降りた。
誰も誰もいない地上を一人彷徨い、誰も誰も読むことのない本を運ぶ。
私は何をしているの?
もう疲れたよね?終わりにしてもいいよね?
......なんてね。ふふ、嘘嘘。
誰もいなくても、何もなくても、本はここにある。私はここにいる。
だから私は旅を続ける。”
短いけれど情景が目に浮かぶ。
少しポストガールを思い出した。
“「始まり」
少女が旅を始めた理由。
それは今でも思い出せない。
いいえ違う。初めから解らなかったのよ。
残されたのは大きな図書館、たくさんの本。頑丈な移動図書館に、それ以上に頑丈な少女。
本の海に抱かれて、ただただ揺蕩う毎日。
いつしかそれは波となり、器の縁から零れ落ちた。
それが旅の始まり。”
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もともとはTwitterで書き連ねていたものを編集して出版された作品です。
内容は断片的な短文の集まりです。しかし、主軸となるストーリーはしっかり構成されており、読み進めていくことで少女を取り巻く環境が脳内に広がっていきます。
〈Twitter小説〉という先進的な作品の展開に期待したくなりました(^_^)
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想像と全く違い、散文のようなものが延々続く。眠くなって仕方ない。
が、世界で1人きりで、言葉が意味を持たなくなったが故の軽さ、なのだとしたら、それはそれで感慨深い。
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全体的に救いのない話だけど、少女の前向きさもありどこか優しい気持ちにさせてくれます。
雨の日に静かな喫茶店で読みたいような作品。
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とても綺麗な詩(になるのかな?)が載っていて良かったです。
半ページにつき一つの詩が載っているので、電車なんかで読むのにもぴったり。