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≪目次≫
第1部 明治無限録
第2部 明治反乱録
≪内容≫
週刊新潮に連載されていた歴史読み物シリーズの最終巻。著者が序文で述べている通り、当時は取るに足りぬ話だが、今から眺めれば、その後の歴史のうねりの一端をしっかりと占めていた、と気づかされる物語が続く。
読むべし!と言いたい。
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箱館戦争が終結してしまうと、私の幕末維新史への関心ががくっと落ちる……んー、というほどでもなく、会津が斗南藩で再興を志して苦労するとか、榎本武揚や大鳥圭介が五年投獄された後に官僚として取り立てられて活躍するとか、斎藤一改め山口次郎改め藤田五郎となった方が西南戦争では抜刀隊に入隊して佐川官兵衛らとともに奮戦するとか(熊本の攻防では谷干城を補佐して山川浩が活躍する)、ピンポイントでは知っているのですが、やはり関心の源が幕末なのでちょっとずつずれていくのです。
とりあえず私は、西郷隆盛を神格化しない派です。
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維新後、理想通りには行かずそれぞれの思惑が複雑に絡み合っているんだなぁ。今も昔も、きれい事ではないのですね。
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週刊新潮に連載していた軽めの歴史エッセイと思われるでしょうが、かなり名作だと思う。日本史の大きな転換点だがわれわれが理解していない明治初年を、人々がどう生きたのかを中心に伝えてくれる。
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あらためて、明治維新は紛れもなく革命だった。その中には3つの革命を孕んでいる。
①政治権力を徳川幕府から奪った政治革命。
②廃藩置県という、もうひとつのクーデターで封建支配層の力を骨抜きにした社会革命。
③その総仕上げとし、職業としての武士を潰した秩禄処分を断行した経済革命。
多くの血が流れた上に樹立された明治国家。その当事者たちにとっては、「違うぞ!こんなはずではなかった!!」という悲憤慷慨が渦巻く。朝廷政治の復権を目指した岩倉具視。徳川に代わって将軍になれると信じた島津久光。癒着・汚職に手を染める新政府高官を許せない西郷隆盛。血を流したにも報われないと知った雄藩士族…。ビジョンの交錯。思惑の激突・同床異夢。
西南戦争終結までの10年間。ただひたすらに国家造営の精励した旧サムライのすさまじい悪戦苦闘ぶりが理解できる好著。