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投稿者:Akita - この投稿者のレビュー一覧を見る
10年前に紙で読み今回電子版で再読したが、全く色褪せずもっと読まれて良い本だと改めて感じた。ドラッカーの思想の成り立ちを東洋哲学と結びつけるのは、自分には非常にしっくりくる。
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なぜドラッカーを読むのに論語なのか。
理由が最終章に書いてある。
ドラッカーは西洋的な知の到達点である、「自分の人格の完全性と統合と一貫性を守り、思想・心情・原則を重視して(p.240)」行動せよ、というのは、東アジアでは「文化的基盤が違いすぎ」て機能しない。
そこで、論語を手がかりにドラッカーを読み解けば、日本人にとって身近な内容になるのではないか。ひいては東アジアの国々でも受け入れやすくなるのではないか。
ドラッカーを、論語から読み解く、というのは、文化的基盤の全く異なる東アジアでドラッカーを理解するための戦略、ということなのだそうだ。
本書では「マネジメント」の要点を、凝縮して3つにまとめている。
「
①自分の行為のすべてを注意深く観察せよ、
②人の伝えようとしていることを聞け、
③自分のあり方を改めよ。
」(p.24)
①はマネジメント「自身の目的を知れ」
②はマーケティング「真剣に自分と相手を知ろうとコミュニケーションする努力により、知っていることと知らないことがわかる。それを繰り返せ」
③はイノベーション「フィードバックする学び」
読みやすく、最後までスラスラと読めてしまったが、安冨先生のファン以外の人の感想も聞きたい。
スラスラ読めることに不信感を持ってしまったので評価はつけませんでした。
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論語とマネジメントの解釈に賛否両論ありそうだけど、今や解釈に正解のない古典を自分のものにした人だからこそ語れる内容だと思う。精読、積読したい一冊。
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素晴らしい本です。ドラッカーを儒学を代表する論語で読みとくというのは、日本人のこころにあっているし、マネジメントの本質を理解しやすい。
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マネジメント、エッセンシャル版は本質を伝えてないんだと言うことがこれを読んでよく分かった。論語の解説も面白く、古典を旅する学問の面白さの一端にも触れられたような気がする。
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ドラッカーと論語の共通理解を示しながら、仁の重きについて述べており、とても興味深く考えさせられる内容であった。論語とドラッカーを個々に読んでみたいと感じた。ドラッカーのエッセンシャル版の捉え方が大きく変わり、もしドラを以前読んだことがあったが、流行としてのドラッカー火付け役としては意味があるが、内容は疑わしいと理解した。何度か読み返してみたい一冊。
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投稿日 2014-11-09 10:11:00
論語を通じてドラッカーを解釈する本。
といっても、それほど驚くことではないかもしれない。
なぜなら、日本の資本主義の創設者(?)の渋沢栄一は、すでに経営を論語を通じて、論じていたわけだし、日本のビジネスマンの必読書として、「論語」をわきにおいて仕事をしている人も結構いるんじゃないかな?(私もそう)
が、安富さんが主張する「論語」の読みは、「フィードバックを伴う学習のプロセス」ということ。これはかなりの驚きで、これまで読んできた「論語」はなんだったんだ!と目から鱗が落ちまくりなんです。
これって、もうセンゲの「学習する組織」そのものだよね。
(センゲも、南懐瑾を通じて、多分「論語」は読んでいて、影響を受けていると思われる)
ということで、その安富さんが、ドラッカーをどう読みか?というのは、かなり注目。
安富さんが「論語」をこう読むという部分は、すでに他の本で知っていたのだけど、それにもとづくとドラッカーがこうなってしまうんだ、というのは、かなり納得性が高いです。
内容は、ぜひ読んでください。
で、なるほどと思ったのは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を「もし、ドラッカーが、「もし高校・・・を読んだら』を読んだら」というところ。ここの部分は、たんに「つかみ」じゃなくて、かなりこの本のエッセンスに近いところにあるんですね。
つまり、マネージャーがもつべき根本的な資質としての「真摯さ」という翻訳の問題。
(「もしドラ」では、ここを読んで、主人公の女子高生は嗚咽する)
安富さんによると、原語は、”Integrity of character"で、直訳すれば、「人格の統合」つまり一個人として一貫性があるという意味のはず、「真摯さ」というのは、誤訳に近いのではないか?ちなみに「マネジメント」の最初の翻訳本では、「人間としての誠実さ」となっている。こうした原語により近い解釈があるにもかかわらず、わざわざ「真摯さ」という翻訳にしてしまったのは、確信犯ではないか。
つまり、日本の社会では、「人格の統合」、「学習する組織」用語では「自己マスタリー」、「言行一致」、西水美恵子さん用語では、単純に「本気」、というものが、機能しにくい。多分、それをやるとその人はいじめられてつぶされるので、日本にドラッカーを根付かせるために、上田惇生さんが「真摯さ」としたのではないか、という問題提起なんですね。
本当に、そのとおりだと思いました。
今の日本で、みんなが、「人生の目的」と「仕事の目的」の統合に進んだら、きっと会社的、社会的に大混乱なんでしょうね。(でも、私は、そうしたことが当たり前になる組織、社会になればいいと願っているんだけど)
でも、著者は、「真摯なドラッカー」は、賞味期限切れだと指摘します。
と同時に、現在でも、日本では、「人格の統合」は機能しないのではないか、とします。
というところで出てくるのが、「論語」を通じて、ドラッカーを読むという戦略だったんですね。西洋的な「人格の統合」とい��概念は、東洋の「論語」が本当は言いたかったことなのだ、というルートから「人格の統合」の必要性を訴えて行こうという戦略なんですね。
あー、素晴らしいな!
この発想って、渋沢栄一が、日本に資本主義を導入するときに、そのベースとして必要となる倫理性を論語に求めたのと同じ発想、同じ戦略なんですね。(西洋では、「プロテスタンティズム」の倫理性が資本主義の精神なのかな?)
いやいや、ドラッカーって、スゴいなと思いつつ、なんだかストイックな感じが今ひとつ好きになれなかったんですけど、「人格の統合」であったり、安富流の「論語」であるならば、大賛成ですよ。
上田惇生さんの訳でないドラッカーを読まなきゃ、という気分になりました。
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・ドラッカーのマネジメント論の要点は3つ
1)自分の行為のすべてを注意深く観察せよ
2)人の伝えようとしていることを聞け
3)自分のあり方を改めよ
・学習回路を開いている状態が「仁」であり、
仁たりうる者を君子と呼ぶ。
・フィードバックこそが、ドラッカー経営学の
最重要概念
・君子とは「仁」たりうる者。つまりは学習回路が
開いている状態を維持し、過ちを過ちと素直に
認めて、それを修正できる者だ。
・自らの行いを注意深く観察し、自らのあり方を
変える。これこそが、マネジメントの本質である。
・仁たりうる者は、「知」と「不知」とを明確に
区別することができる。
・外界とコミュニケーションをとる
「マーケティング」で「己を知る」
フィードバックを通じた学習「イノベーション」で
「改める」
これら二つが、マネジメント「仁」
・関所に替わって、重要な利益源泉となっているのが
「ブランド」である。
・自分自身の周囲のコミュニケーションを
マネジメントすることが「政」である。
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タイトルから頭がひっくり返る、安冨先生が力強く、強引なまでに「同じことを言ってる!」と強弁する、そして為す術もなく説得される。ドラッカーの「マネジメント」は則ち「仁」なんですよ、びっくりですね。「仁」については『生きるための論語』に当られた方がよいでしょう、これは組織論。面白いです!(いつも)。千頁の『マネジメント』を読みたい衝動に駆られる。図書館で見てみようと思います…(2019-10-19)
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ドラッカーと論語 安冨歩 東洋経済新報社
孔子の論語は暮らしの中で少々染み込んではいたけれど
ピーターFドラッカーによる「マネージメント」の提唱も
岩崎夏海の「もしドラ」も知らずにこの本を読みだしたので
最初の二ページを読むまでちんぷんかんぷんだった
マネージメント《徳治》武力によらず徳を持って目指す政治
目的を定めた行為
マーケティング《知己》己と相手を知ることでニーズを生みだすコミュニケーン
イノベーション《学習》手段としての経済を支える生産組織や制度と市場や製品の開発
シェアはイノベーションを起こさない
ポスト資本主義は組織を解体するための組織
機械化の危険性・ブラック企業の小人化・情報を握る者・関所の消滅とコミュニケーション
P2P・企業とNPO・
常識人の常識を守りつつその標識を揺るがす・賞味期限の切れた真筆なドラッカー・
intrgrity of characterは真筆さや誠実さでなく
人格の統合=人として一貫性が有る=仁(歪められてブレることのない人格)
立場主義の日本では人格を省いた真筆さと言う誤訳があったからこそ
ドラッカー思想が受け入れられたのだと安冨さんは言う(p238)
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旭山動物園のミッションは人類に野生動物のものすごい迫力を思い知らせること
組織を構成するのは、人間である。人間の集まりを運営する事は人間にしかできない。どんな技術が進歩しても、機械やシステムは仁たりえない
1.真剣に自分を知る努力をする
2.他人のことを理解することができるようになる
3.その結果、自分を他人に理解してもらうことができる
ドラッカーは、コンピューター内にある情報は所詮、組織内部のデータに過ぎないと述べ、組織が必要としている情報は組織の外にあると断言している
今や、顧客が情報を持っている。誰であれ、情報を持つものが力を持つ
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# ポイント
1. マネージャーは「学習回路が開いた状態を維持し、過ちを素直に認めてそれを修正できる仁たりうる者」である。
2. 孔子→仁(学び続ける) ドラッカー→フィードバックと学習 言葉は違うが、同じことを言っている。
3. 「自分たちは何をすべきか?」を起点にし、企業(事業)の『目的』を考える。利益や客数増加はあくまで結果である。
4. ドラッカーは「経営者に大切なのは『人となり』」と言い、孔子は『徳治』を説いた
5. マーケティングは販売を不要にする。本当に必要な商品やサービスなら、勝手に売れる
6. 「お客様目線」といった考え方は他人の感覚に自分を迎合させることになり、それは自分の感覚を他人に譲り渡し「己」を見失うこと
7. 予期せぬ失敗は、イノベーションの兆候。危機や予期せぬ事態が起きた時、素直に認め、現実を直視し、変革を受け入れる。
8. イノベーションとは、ものの見方や認識、考え方などを改めること
9. 「成長と肥満の混同」目的を見誤ると、ただ大きくなることだけに目がいくようになる
10. フロイトの甥であるエドワード・バーネイズは「広告の父」と呼ばれる。プロパガンダ(世論誘導)やPR(パブリック・リレーションズ)という概念を世界に広めた人物。
11. 王道と覇道
12. 自ら「外の世界」へ行き、人の話を聞き、自分の目で現実を見てくることが「マネジメント」にとって有益