紙の本
TVドラマ的キャラ立ち揃いシリーズ開幕!
2016/03/13 13:28
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな本を同時並行的に読むのが私のクセですが、手を広げ過ぎると「あぁ、そろそろ北欧に戻りたいー」という気持ちになってしまうのが不思議なもの。 最近はヨーロッパ全土にあたし自身の興味が広まっておりますが、北欧、特にスウェーデンはちょっと別格。
16歳の少年の、めった刺しにされた上に心臓をえぐりだされた死体が発見される。
地方警察では手に余る事件に、国家刑事警察の殺人特別捜査班がストックホルムから派遣される。 送り込まれたのは4人の敏腕チーム。 しかしその町にはたまたま、かつて心理分析官として捜査に参加したことのあるセバスチャンがいた。 大変利己的な理由で、リーダーのトルケルとの個人的なコネを使い、セバスチャンも捜査に参加することに。
著者二人がテレビ脚本家出身ということもあり、場面転換がすごく映像的。
ハンス・ローセンフェルトが手掛けている『ブリッジ シーズン2』にもちらっと同じようなエピソード(?)が出てきて、読んでてちょっと笑ってしまった。
クセのある捜査官、基本捜査はチームプレイ、関係者それぞれがなんらかの事情を抱えている、など、基本的な流れは『ブリッジ』シリーズと同じ、といえるかも。
とてつもなく嫌なヤツ、とまわりの人間に思われがちなセバスチャンも、彼の抱える心の傷が地の文で描かれるので、読んでいる側はそこまで嫌悪感を持つに至らず(自分のそばにいたらイヤだろうな、とは思うけど)。 事件関係者だけでなく、捜査陣それぞれにも心の奥に秘密がある、というあたりと、ただの猟奇殺人ではなく合理的な理由があったというまとめ方には好感を持った。
シリーズ化、絶対しそうな勢いだな・・・むしろこれがドラマ化されそう。(2014年10月読了)
紙の本
日本版の続きはもう出ない?
2023/03/04 21:48
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投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう5年経ちましたが、、
続きは出ないのかなぁ
少し検索するだけでも待っている人沢山いるからぜひお願いします。
内容は最高でした。
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もっとワンマンショーか思ってたけどチームもなかなか個性あっていい感じ。テンポもいいし。
カバーも自分的にツボ。
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セックス依存症で誰彼構わず口説き落とすトラブルメーカーの主人公セバスチャン。表紙や帯の印象から優秀な変人捜査官という感じでもっとユーモア色が強いのかと思っていましたが、考えていたよりも真面目な雰囲気でした。
彼が背負うものが重く、非常識な言動にもコミカルな要素は希薄でしんみりしたりイラッとしたり。
とはいえセバスチャンが捜査に参加するあたりからは軽快になっていきます。ごくごく個人的な理由で参加した事件にも、口ではどうでもいいと言いつつのめりこんでいき、生き生きと嫌味の言い合いをしているのは楽しい。
他の捜査官たちも負けず劣らずの個性派揃いです。
事件は心臓をえぐり取られた少年の死体の発見という猟奇的なものですが、人間ドラマの方が充実しており事件関係者のみならず捜査陣の方にも様々な問題が浮き上がっていき混迷を極めます。
着実に事件が真相に向けて進展していくにも関わらず、被害者少年の人物像が最後の最後までいまいちハッキリしないというのが謎めいていておもしろかったです。
周囲の人物にスポットを当てていき真相を覆い隠していくのも丁寧。
最終的に少年に深く注目した時に真相に繋がるというのは心理捜査官の面目躍如でした。
そして最後のオチにはビックリ。やりたい放題だったセバスチャンの唖然とした顔が目に浮かぶようでニヤリとしました。
私情で捜査に影響を与えてしまう警察の面々はちょっと鬱陶しかったですが、新たな展開を迎えてセバスチャンの傍若無人ぶりや捜査チームがどうなるのか、シリーズのようなので今後も注目です。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
個人的事情に左右され中途半端に解決を急ぐ捜査官たちと、事件に興味がなかったにも関わらず真相を掴むセバスチャンという対比が良い。
校長や母親など怪しい人物が前面に出ており、セバスチャンの悪癖もあって事件の要である女教師が上手く隠れていました。
「殺人者ではない男」という書き方を最初からしているのですが、これのせいで殺人犯のサプライズが弱まったように感じます。
無味乾燥な生活をしていたセバスチャンが、事件を通して人生の刺激を感じていき、最終的に犯人の少年に対して真摯に向き合った姿にはぐっときました。
ハラルドソンはあれだけ引っ張ったのだから最後の最後に大活躍があるのかと期待しましたが、撃たれただけだったのにはちょっと残念。
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母が死に、薄情な息子は実家の処分をするためだけに故郷に帰って来て、高校生男子が心臓を抉り取られた遺体で発見される事件に遭遇する。かつて仕事仲間だった捜査班の責任者であるハンケルに捜査に加わって欲しいと言われ、実家で見つけた手紙の主である、かつて自分が火遊びをした女子大生が自分の子供を生んでいるかもしれないので、捜査に参加し警察のコンピューターをこっそり使って現住所を何とか調べられないか、と言う、全くの私欲で捜査に参加するセバスチャン。スマトラ沖地震の津波で妻子を一度に失うと言う喪失を抱えているとは言え、同情の余地なしなくらいに身勝手でセックス依存症気味な彼を、人は「嫌な奴」と分類する。セバスチャン自身も、深い喪失を抱えナイーブな面を持ち合わせているとは思えないくらい、普段の振る舞いは傍若無人である。読んでいて、この位に嫌な奴は普通に存在しているよ、こういう人間と仕事以外では付き合いたくないと遮断しているのでしょっちゅう遭遇してない気でいるが、と思いつつ読んでいて、殺人事件の核心に迫っていく臨場感と共に、セバスチャンはどこで「心理捜査官」としての顔を煌めかせるのだろう、と言う期待感で読んでいた。
セバスチャンは嫌な奴、卑怯とも言える程に自己中心な人間だ、最後までそうであったと言えばそうなのだが、犯人の心理を読み、一人説得に向かう様は「職業病」と言うよりは犯人の心の中が行き着くところが解ってしまうから、解ってしまう「人間」として対処したと思えた。犯人に深い同情を示すわけでもなく、職業人として自尊心を持って対峙すると言う大義名分も振りかざさず…ただ「話をしないといけない」と言う単純な方法を選択した、と言うだけで。
作中、私はあまり女性登場人物には感情移入しないんだが、この捜査チームの中で一番真面目に仕事してるな、と思ったヴァニヤが「誰で」あるか解るラスト、これがシリーズもの第1作目である事を踏まえると、次作が楽しみで仕方ない。
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心臓をえぐり取られた少年の死体。国家刑事警察の殺人捜査特別班に潜り込んだ心理学者セバスチャンは自信過剰で協調性ゼロのSEX中毒者だった。
サクサク読める。面白い。
きちんとツボをついた書かれ方をしている。
キャラクタもそれぞれがちゃんと個性を持っている。
泣かせどころもある。
バランスのよいエンタメ系ミステリだと思う。
だからこそ突出したものがなかったのが残念。
セバスチャンが最後まで不遜でいたらまた印象も違っただろうに。
でも、だからこそ次も読んでみたい。大化けを期待して。
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捜査関係者に次から次へと秘密があがってくる展開に引き込まれた。作者は読者にフェアなようで、終わりまで読んでから読み返しても整合性あるように、色々示唆的なことをちりばめている気がする。それだけに読み進める中で、こんな風かなと予想することが出来てしまい、サプライズが減ってしまい残念。
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最後の一撃にやられた。これは予想していなかった。
心臓をえぐり取られた被害者という設定はサイコスリラーの様相だが、実際には警察小説。スウェーデンの殺人捜査特別班の面々が地方で起きた殺人事件を捜査する。主人公のセバスチャン・ベリマンは自信過剰でセックス依存症の迷惑男。捜査に関わったのも個人的な目的がある。ユーモラスな半面、スマトラ島沖地震による津波で妻子をなくした過去にとらわれている。他のメンバーも個性豊かに描き分けられ、入り組んだ人間関係も読みどころだ。
事件が終わった後に描かれる最後の一撃が効果的なのは終盤に立ち上がってくる家族のテーマと密接に絡んでいるから。これはうまい。訳者あとがきによれば、シリーズは現在、第4作まで続いているとのこと。続きが読みたくなる。
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そろそろかカテゴリーに「北欧ミステリー」を入れた方が良い気がしてきた…。このセバスチャン、いいキャラしてる。特捜部Qも個性的なキャラクター揃いだけど、この作品の登場キャラ全員いい感じにクセがある。捜査の過程もしっかり描かれているし、彼らの今後の活躍が待ち遠しい。
引き続きシリーズの翻訳、お願いします!
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捜査関係者それぞれの秘密という小枝に迷い込みながら、最後の最後に一気にひっくり返された。どこか既視感を感じるなあと思ったら、著者の経歴を見て納得。引き込まれます。
ただ逆にここまでそれぞれの描写をいれたことで、ある程度結末が読めてしまうのが残念。もう少し省いてもいいような…。あと最後の最後に主人公の性格がぶれてしまったことが個人的に気になりました。
次作が楽しみです。
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面白く読み終われました☆
地方の町で少年の遺体が発見され、たまたま故郷に帰っていたセバスチャン・ベリマンが10年ぶりに捜査に加わる。
心理学者のセバスチャンは、かって国家刑事警察のプロファイラーだったのだ。
女と見れば口説きにかかるセックス依存症で、事件関係者にも手を出してしまうという困った奴。
見た目は意外に普通らしいけど、それが案外抵抗感をなくすのか‥? 上巻の表紙イラスト、内面をイラストにすればこっちだと思うよ。
心理学の知識と経験を生かして、口説きながら反応を見てやり方を変えていくという。とんでもない男だけど、どうやるのか知りたい人もいるかも?(笑)
少年ローゲルの発見に遅れをとった警察内部の事情もあり、特別班のチームの中にも人間臭い秘密がある。
上巻ではセバスチャンが捜査に加わるのが遅いのと、表紙イラストや題名、軽妙な裏表紙の説明と、内容に少しズレを感じていました。
後半にきて人間模様の展開がなかなか面白い濃さで、セバスチャンだけに頼らない展開、でも最後はさすがセバスチャンね、という満足感もあり。
犯人になりかねない性格だから犯罪が理解できるというとんでもない男が抱えている心の傷も、仕事が出来る程度には癒えてきたのか‥?
総合的な納得感と、傲岸なセバスチャンが最後に腰を抜かす一幕が笑えて、続きも知りたくなりますね☆
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【不純な動機で捜査班に参加したセバスチャン。しかし彼の存在は、チームに不穏な空気をもたらすことに。一方、事件の捜査が進むに連れ、関係者たちの背景が次々に暴かれていく。二転三転する状況で、彼らは犯人にたどり着けるのか?】
刑事もので、こんなにどんでん返しに興奮させられるなんて!
何度も捜査に行き詰まりながらも、ついに犯人にたどり着く捜査班。しかしそこからまた二転三転! ペースはゆっくりとしてるのに、読者をブンブン振り回す、力強いパワーを持った作品です。
とにかくミステリー好きには読んでほしい!
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国家刑事警察の殺人捜査特別班にもともと在籍していた心理捜査官が主人公。地元での殺人捜査に無理矢理介入して、昔の仕事仲間たちと事件を解決していく話。事件の話自体は普通の話。こんなに周りから嫌われている主人公も珍しいと思った。頭は切れるようだが、言動がひどい。嫌われ具合が慣れてくるとおもしろく感じるのかもしれない。
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面白かった。
キャラとテンポがいいね。
セバスチャンのダメっぷりが面白い。
犯人とセバスチャンの娘は割と早い段階で想像がついてしまう。
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映画、テレビの脚本家が書いたということ(かどうか解らないが)で、読手の興味を持続させる運びが巧み。CMの入れどころが分っているというか…。
最後の仕掛けで、この1作目を書くにあたって、次作も用意されていることが窺える。