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うーん…
先が気になり勢いで読んでしまえる作品です。ページ数も少ないので1日あれば十分。
評価がわりと高かっただけに、期待しすぎた感が否めないです。後半主人公が葛藤するあたりも短絡的すぎて置いていかれるような感覚が拭いきれないモヤモヤが残ってしまいました。深いようで浅い。
あと、時々古臭いなーと、感じる事がありました。お客様にお尻触られたぐらいで水ぶっかける店員なんていないような…
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このもう、題名がいい、まほかるワールドがすでにタイトルからはじまっている。
まほかる、みすてりー、つあー、ってかんじ。
あいかわらず、くら〜い、というか いや〜な かんじの導入、猫鳴りもそうだったけど、文体というか雰囲気がもう、たまらなくネガティブでいいかんじ
しょっちゅうではないけれど、あるインターバルでどうしても欲しくなりますです。
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まずタイトルにやられます。
ユリゴコロってなんなの?
そう思ったら読まずにいられなくなります。
実家の押入れにあった謎の手記は殺人の告白…これは誰が書いたのか?真実なのか、小説なのか。主人公と一緒になってこの怪しい手記をこっそり読んでいるような感覚がたまらない。
結局ユリゴコロ の正体は、早めの段階で明かされますが、最初に感じた奇妙な雰囲気を損なうことなく読者はまほかるの世界に吸い込まれます。
この作家の文章力の強さ、高さには相変わらず驚かされ、見事に今回も参りました。
失踪した千絵が戻ってきてからの展開に多少無理矢理感はあるものの、ラストには思いがけない感動が待っていて、小説の始まりには想像もしなかった爽快感が得られました。
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最後まで一気読み。
今と過去(ノートに書かれたものですが)を行き来しつつ、現実の問題と絡みながら進行していくストーリー。
ノートを書いたのは誰なのか、出生の秘密。そして最後に訪れる事実。本当に終りのぼうで「あーあの人が」と気づく自分は遅いのだと思うけど、あまりにノートから浮き上がる人物像がいまと違うから。
殺人者という狂気を常に抱えてきた女性。そこに同情はないけど、皮肉な出会いとそれによって変わっていく自分。けれど犯した罪によって狂う人生。
正当化できるものはなにもないけど、自分の中で殺人や人が死ぬということに対して肯定的な意見を持っているため特に不快感はなく。もちろん罪のない人が死ぬため、あり得ないのだけど精神を病むとはこういうことなのかもしれない。自分でも抑制できな衝動。
結末は賛否両論かもしれないけど、こういう死にかたしかできないのだろうな。お父さんも。
残されたものがかわいそうではある。違う罪(?)を背負って生きていかなくてはならないから。
そういう意味でも複雑だけど、面白かった。
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まほかる既読2冊目。
登場人物が多いといろいろ(人物の感傷が)拡散されがちになるのかもしれない。「鳥たち」の凝縮された情緒譚よりも、ミステリー色が強かったように思う。
あいかわらず主人公(中心となる人物、手記の語り手)の透明度の高さは変わらない。人間として生きようとしすぎるために人間社会の中で生きられない、ある意味超純粋培養の純血種の人間といえるかもしれない、そういう人物を永遠の少女性をもって書くのには、今回も好感をもった。少女が男に助けられて、人間という大人になっていく構成もやはり好きだ。
帯でアオリすぎるから、途中でこの人がこの人かとミステリー部分の帰結に気づいてしまって、その点はそこまで楽しめなかった。濃いまほかるが好きなだけに、今作は全体に、薄められた感じはある。もっと父親世代のほうに頁を割いて、子世代のほうはそこまで詳しく書かなくてもよかったんじゃないかと思う。子世代の描写のほうでオチが早くからばれてしまうわけだし、もっと減らすか、ミスリードを入れるかしてほしかった。それか、全体的に、もっと描写(頁数)を増やして、リアリティを持たせて欲しかった。
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いやぁ、久しぶりに驚かされた!「まほかるブーム」分かる気がします。出だしの不気味さと、後半のxxxxxさ、謎解きの持って行き方、そして、新幹線の中で、ちよと涙してしまったよ!2/19/2014読了
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ミステリーみたいなホラーのような…。
でも違うような…、初体験な読了感。
この作家にすこし嵌りそうな予感。
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沼田まほかる作品は初めて読んだ。
凄い内容なのに…なんでこんなに心が満たされたのだろう。
ラストに心震えた自分は、とても好き。
普通の文体で、特別な空気感も特徴もない。
ただストーリーが凄い。降参。
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「ユリゴコロ」と題されたノート。
まずその内容に引き込まれました。
続きが読みたくて読みたくてまさに一気読み!!
最初殺人の告白手記から始まりますので、ダークなんですが最後まで読むと「あれ?なんだこの清々しさは。。。」ってなりました。
今まで読んだ沼田作品にはなかった読後感(笑)
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とにかく先が気になる本。
ご都合主義な展開がぽつりぽつり目につくが、先が読みたくて止まらない。
私は、母さんの正体は「えーーー!」となった。
ちょっと引っかかる人物ではあると感じたけど・・・。
まほかるさん、イヤミス、毎回ほんとに嫌になってもう買うもんか!と思うのに、また読んでしまう・・・。恐ろしい方です。
純粋に死を感じてみたいという気持ちは、子供の頃多くの人に存在していたと思うのですが。実行するかはともかく、どうなんだろう。
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どんな感情になればいいのか分からなかった。オビに書かれた桐野夏生さんの「恐怖や悲しみが、いつの間にか幸福に捻れていく」を見て納得。気持ち悪さが残る。
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前半と後半、綺麗に分けられるわけではないけど、手記を読んでいる時は、なんとも気持ちの悪い気分でしたが、亮介の本当の母親が殺人鬼で実は一緒に働いて支えてきてくれた女性だったとか、父親が真実を明かしているあたりから一転、さっぱりとした愛の物語になっていました。
心を揺さぶられる作品で、良い意味で疲れました。最後は父親と元母親が二人で帰らない旅に出て行く姿を、亮介と弟の洋平が見送るところでぶつ切りされ、放り出された気分になるのがまた心地良い。
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文章がじょうずい 人は死に憧れを持つ部分が少なからずあると思うのです。死が甘そうに描かれているのがよかった。
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「まほかるブーム」のきっかけと言われる本。
沼田氏の作品を読む度に、自分の中のボーダーラインが揺り動かされるような気がする。
ただ、読み終えた後は、驚嘆だったり恐怖だったり安堵だったり、要は何らかの感情の動きによって、揺り動かされたボーダーラインは反動で元に戻る。
だから、常識や良識がどこかに持っていかれるということはないのだけれど、ぎりぎりのところ、つま先立ちになって腕を伸ばして指先で何度か宙を掻いて、そうしてやっと開けた扉の先に一瞬だけ見えた先に、もう1つの扉が見えるような、なんだかそんな気分にさせられる。
母を亡くし、これから父も亡くそうとしている主人公が、父の部屋で奇妙なものを見つけるところから物語が始まる。2ヶ月前に亡くなった母のものとは思えない「母の名前の遺品」と、殺人にとりつかれた人間の告白ノート。「母の名前の遺品」は主人公に、「母が別人と入れ替わったかもしれない」という記憶を思い出させ、生々しいノートの内容は「母の入れ替わり」を幾つもの方向から後押しする。
話の内容を考えると、「楽しめた」というには語弊があるが、ページを繰る手は止まらなかった。
「ブームのきっかけ」と呼ばれることにも納得がいく。本作の前に、既刊を幾つか読んでいたが、そのどれよりもわかりやすく、そして柔らかい。いや、いつもと同じように、ぞろりと肌を舐められるような感覚というのは時折あるんだけれど、その頻度が少ない。だから、「まほかるを初めて読む」という人に勧めやすい。
個人的には『彼女がその名を知らない鳥たち』のほうが好きかな。ねっとりしてて。
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読み始め。前半の手記の部分は気味悪く、
そして描写も生々しい。
特にみつ子の部分。
その類が苦手なので特に読むのが辛かった。
後半は一転して家族に少しずつ光が差し始め、
結末は意外な形でした。
あれだけドロドロだった読み口とは一変、
さっぱりとした読後感。