理系ぶってない理系本。読みやすくて、楽しめる。
2010/06/21 21:44
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
”はじめに”で著者が書いている。
********************
本書の目的は単純だ。
理系と文系の「垣根」をとっぱらった、バランスのとれた知性とは何かを考えること。
それこそが日本の次世代を明るく豊かにすると信じているから。
でも、これだけ社会に強く根づいている理系・文系という「区別」は、いったいどうやったらなくせるのだろう? 要するに「理文両道」をゆくにはどうすればいいのか、そのコツをまとめたのが本書なのである。
********************
そもそもなぜ理系・文系と分けたのか。
そこから始まる。
そして、「文系バカ」に分類される人間の10のチェック項目があり、「理系バカ」に対しても10のチェック項目がある。難しいことは何も考えずに、楽しみながら読める部分だ。「あぁ、こういう人っているよね~」といった雰囲気で。
私なぞ、「理系バカ」にも「文系バカ」にも当てはまる「理文バカ」ではないかと思った(笑)。
(もともと高校・大学は、理系だったのだが。)
科学者も文系のようなコミュニケーション能力が必要だといい、文系出身の多い官僚たちにも理系のような分析力が必要だという。
それぞれが、理系・文系、どちらかのセンスのみを有していることによる弊害について書かれている。
要は、バランス感覚が優れている人物を育てることが大事なのだということだ。
そのあとは、理系出身の著者だからなのか、とにかく「理系」話が続く。科学に対する日本の国家レベルの資本投入の少なさに危機感を抱き、将来の日本は「科学技術立国」どころか、「科学技術オンチ国」になるよと警鐘を鳴らしている。
文系の人たちに対して、科学って大事なのよ、物事の基本は科学なのよ、と述べている訳だ。
理系離れの進んでいる現状は、非常にマズイ事態なのよ、と訴えているのである。
理科といえば、普通、物理、化学、生物、地学の4科目がある。この中で、特に学生に人気があるのが化学・生物なのだそうだ。比較的、文系タイプの人間でも敷居の低いイメージがあるからか。
物理学は、オールオアナッシングの世界。できる人はできるが、できない人は全く理解できない。だから避けられる。地学に至っては、まず人気がない。高校で履修する人がいないから、受験科目に選択されることもない。
私は、高校時に地学を履修したいと申し出たが、他に希望者がいないため授業ができないと言われ、泣く泣く第二希望の化学を履修したのだ。それが、化学に対して興味を持つきっかけになったのだから、良かったといえば良かったのだが、今になってやはり宇宙・天文学に関する本などを買ったりする。
閑話休題。
著者は、物理学と地学を履修する学生が少なくなっていることに、問題を提起している。
全ての科学の根本は「物理学」である、と力説。
そして、地震大国である日本で地質学を学ぶ人間が少なくなって大丈夫だろうかと、嘆く。
言われてみると、そうだなぁ。
全体的に、読んでいて楽しい。
「宇宙エレベータ」の話などは、とても興味深かった。
妙に理系ぶっていない理系本として、楽しんでみるといいかもしれない。
自分のふるまいの反省材料になり,ちかくの 「バカ」 に寛容にもなれる (?!)
2009/08/26 02:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
この種の本にはよくあるが,「バカ」 を 「理系バカ」 と 「文系バカ」 とに無理矢理わけようとしている. たとえば 「論理的な考え方ができない人」 は 「文系バカ」 だとしているが,それは 「文系バカ」 ではなくて,ただの 「バカ」 だろう.
しかし,「文系」,「理系」 のくべつはともかく,自分がこの本でとりあげられいる 「バカ」 のようなふるまいをしていないかどうか,反省材料になるのはたしかだ. この本の効用はちかくにいる 「バカ」 に寛容になれるということにもあるのではないだろうか. つまり,この本を読めばどういう 「バカ」 におちいりやすいかがわかるからだ.
投稿元:
レビューを見る
何かの改訂版かな?半分どこかで読んだ気がする。
文理融合の必要性の部分はいいかも。
自己反省度:★★★★☆
投稿元:
レビューを見る
・人間は誰しも自分を基準に世界を計ろうとする。
・問題を作るということは自分用の教科書を作るのと同じだ。
・思わぬ質問が飛んでできて、答えられない時、人は「まだ分かっていなかったんだ」と気づくのだ。
投稿元:
レビューを見る
まぁ面白い。
どう言い繕っても、理系は強い。
適性は理系なのに文系な自分の性質をどう解したものか…と思っていた所にオモシロ本が(笑)
なかなか参考になります。
まぁ要はバランスが大事。どちらの資質も必要。
文系寄りの人には若干悲しい内容になっています(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
自分では生粋の理系人間と思っているのだが
それほどでもないらしい・・・
これからの社会では文理両方の融合した
力が必要なので、良いことらしいが、私にとっては
あまり褒め言葉ではない。突き抜けた理系人間が
周りにごろごろいてて、彼ら彼女らと遊んでいると
結構楽しい。もちろん仕事上もそれほど問題は
ない。
「属人思考」と「属事試行」、ある程度意識
していけたらと思う。
投稿元:
レビューを見る
理系と文系、どちらかに偏るのではなく、バランスよく両方の知識や概念を持っている人間が素晴らしいという内容。本の前半では、理系バカ、文系バカの悪いところをそれぞれあげていたが、重要性に関しては理系の話ばかりを展開し、文系のことは蔑ろ。文系の方が読むにはいいのではないでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
偏りすぎってよくないね。
研究者ってかなり偏っていると思うけど。
あ、でも、世界トップレベルの人たちはバランスが良いのかも。
理系はスペシャリストで周りが見えない。
文系はゼネラリストで表面的。
心理学とか経済学とか両方にまたがる学問はあるけど、極一部という印象がぬぐえない。おそらく日本だけだろうが。国によっては理系と文系の分類なんかないとこだってあるだろう。
著者は元々理系の学部出身で現在は執筆活動をしている。
本人が言うには、自分は両方にまたがって活動をしているらしい。
でも、本書の中では理系推奨の印象が強いんだよね・・・。
文系の研究についてもっと掘り下げて書いてほしかったな〜。
考え方は違うかもしれないけど、スタイルとしては理系も文系もないんじゃないかな?
ともあれ、ゼネラリストでは無いでしょう(笑)
投稿元:
レビューを見る
この本は理系の人と文系の人の長所と短所などを書いてある本で
理系は
・できれば他人と深く関わらないで生きていきたい
・相手が関心のないことを話す
・感動するポイントが人とずれている
文系は
・幅広いバランス感覚を持っている
・人との付き合いや、お金の管理まで大体何でもこなせる
・幅広くて色々なものに興味があり、会話の引き出しも多い
らしいです。
これから考えると
理系は、専門分野に特化していて、一つのことを突き詰めるのが得意な人間が多くて
文系は、色々な話に対応でき、自分から話題を振ることもできる
と書かれていました。
そして統計をとってところ官僚の事務次官級以上の職は97%が文系らしいです。
しかし、どちらのタイプも長所と短所があるのと思うので、
それをちゃんといかせていればどっちのタイプでも同じだと思いました。
投稿元:
レビューを見る
今や文系・理系という区分は、あまり意味を持たない、もしくは出来なくなっている。では今求められる姿はというと、「文理融合」である。
結局は、バランス感覚というものが重要になってくるのだと。そのためには、
?コミュニケーション能力の養成(話を聞く)
?何事にも興味を持つ
(1)科学に興味を持ってみる
(2)フィクション(特に小説など)に興味を持ってみる
?あらゆる情報を、とりあえず疑ってみる
?気になったものは人に話してみる
のが良いとか。
ちなみに前半に、理系バカ・文系バカかどうかのチェックがあるが、自分、理系バカでした。。。
投稿元:
レビューを見る
微妙です。
ステレオタイプの理系人間と文系人間それぞれの特徴を分析して、
理系人間さんも文系人間さんもそれぞれ欠点があるから社会で生きて行くためには気をつけよう、さらには両方の思考法を身につけて「文理両道」な人間になろう
な主徴ですが、そもそもの理系・文系の特徴の分類が間違っているような印象です。
なんか「機械好き=理系」とか「1人で勝手にしゃべる=理系」みたいなタイプ分けしてますけど(確かにその面は否めないけど)、それは文系・理系限らずコミュニケーション能力の無い社会人さん全般に言えるような。
相手のことを慮ったり、UFOの話が大好きな理系も山ほどいますよ(私がそうか、というと自身無いけど)
個人的にはこの本でもあるような出身学部・分野で理系人間/文系人間をわける風潮にはちょっと疑問です。
確かに教育課程でどのような思考法を学んだかは理系/文系を決定づけるのでしょうけど。
ただし文系人間・理系人間双方が歩み寄ろう、な主張には賛成です。
個人的には、日本社会では少数派な理系人間のほうが文系人間の思考法に歩み寄る必要があるのだと思いますが。
書中にあるような「科学者コミュニケーター」が日本でも頑張って欲しいです。
投稿元:
レビューを見る
根っからの文系なので理系にちょっぴり憧れつつ
数学系に拒否反応な私ですが、
これを読んだら少し理系の本に興味が湧いてきました。
辛口な表現が多めで心に刺さる(笑)所もありますが、
例え話も交えながらの説明はわかりやすくて面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
「バカ」という表現が相応しいかどうかは置いておいて、内容はとてもおもしろかった。著者自身が文理両道を歩んだ経験に基づいてまとめているので、どちらにも十分な警告を発している読み応えのある1冊だった。因みに、私は文系バカチェックは9個(!)で、理系バカチェックは5個だった。まあまあ文理融合できているのではと思うのだが?ただ、数字の裏側まで読まずに決断してしまったり、説明書を困ったときにしか読まなかったり、「文系バカ」の特徴として痛いところを突かれまくったので、気を付けていきたい。さすが文理融合の著者だけあって、わかりやすい例と豊富な経験談で、繰り返しの主張も読んでいて飽きない。ただ、著者自身も断っているが、危機感を煽るための敢えての過激な表現は、ところどころ読んでいて「え?」「そこまで言わなくても・・・」と思ったりした。あと、「こうだ!」と決めつけた表現にも、若干だが反発感を抱いてしまったので、星3つ。(←このいちゃもんづけが「文系バカ」?)
投稿元:
レビューを見る
いわゆる文系人間と理系人間の特質を明記した上で、文理融合の感性が必要であるとする筆者の考え。
筆者が理系出身ということもあり、若干理系贔屓なのは否めない。
具体例は分かりやすくて、すらすら読めました。
投稿元:
レビューを見る
ありとあらゆるものに疑問を持つ。
気になることは、人に話す。
小さい子供が「なぜ?」という質問をするのは"知ろう"とするからで、
大人になってもそれを忘れてはいけない。