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ビートルズがくれた勇気…神山君の14歳
2006/01/18 11:24
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は青森県の中学三年生、神山君。補欠の野球部員。
彼がどんな気持ちで、14歳の日々を生きていたのか…、
この本を読みながら、彼の走る姿や歌う姿、そしてどうしようもなく悩む姿が浮かんでは消えた。
彼はいつも一緒に行動する野球部員の友達がいて、
反発はするけれど信頼できる先生がいて、
そしてほのかに憧れる同級生がいる。
もちろん、高圧的な発言をする大人や
反発しあってとても好きにはなれない同級生もいるけれど、
そんな時はだまって手をにぎってくれる人の存在がある。
中学生の、自分でもよくわからない感情に振り回されながらも、
自分の足で一歩づつ歩いている神山君が
とてもいいなぁと思う。
最初、神山君はひっこみ思案の中学生だった。
その彼が米軍放送でビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」
を聴き、それから変わった。歌が彼の背中を押してくれた。
いつもなにか勇気がいるときには彼の頭にこの曲が流れた。
こんなきっかけもある。
きっかけは人それぞれ違っても、それは突然
嵐のように突然ふってくるのだ。
「手をにぎってくれてありがとうっていったの。辛いとき、
誰かが手を握ってくれるって、とてもうれしいものなんだね。
一人じゃないって、やっぱりいいな」
神山君が初恋の相手にみせた優しさは
ひと夏の思い出だとしても、相手の女の子の心をずっと照らすのだろうなぁと思った。
本を読みながら、こんなに笑ったのも久しぶりだ。
「俺たちはどこにいったってすげえ友達を持っているじゃねえか。誰も持ってねえ雷っていうすげえ友達だよ。一人ぼっちじゃねえよ。雷もいるし俺もいる」
自分が雷と同列だと言える神山君を心底いいなと思った。
爆笑しながら、これはしみじみいいなと思った。
この本は「本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1」に選ばれている。納得!
ビートルズの名曲とともに、彼らの翼は広がっていく
2006/11/19 11:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る
60年代、中学3年の神山少年は深夜、ビートルズの曲「プリーズ・プリーズ・ミー」を聞く。何をやっても思い切れなかった神山の心にこの曲がすっと入り込み、勇気を与えてくれるのだった。夏休みの十和田湖の体験が神山少年を成長させることに。
第1章「お願い.お願い・わたし」での胸をときめかすビートルズとの出会い。そして、野球部を舞台にした教師と大人の矛盾への反発。この章だけでもぐっと胸に迫ってくるものがありますが、何といっても第2章「十和田湖」が素晴らしい。第1章は序章に過ぎなかったのです。
文庫本も出ていますが、単行本のデザインが十和田湖の美しさと内容をとてもよく表しています。まさにマッチしているのです。表紙だけ見て作品を思い出す本はそうそうありません。それだけ美しい。
ビートルズの歌が彼を変え、「プリーズ・プリーズ・ミー」を「お願い・お願い・わたし」と訳すところなど、自分の中学生時代を思い出し、何でもかんでも直訳していた頃があったよなと笑うとともに妙に懐かしい気がします。いまやおやじとなっているわたしにとって、この60年代の何と懐かしいこと。
女性に対する憧れが十和田湖の冒険旅行になり、そこで同級生に恋をする。そして表紙のこの場所での楽しかった夏の別れの会話が実にいい。
ぼくたちはもうすぐ別れなければならなかった。
「楽しかったね……」
穏やかなほほえみを浮かべて彼女がいい、
「うん……」
とぼくがいったきり、二人ともしゃべるのをやめてしまった。
幼い二人のどきどき感が伝わってくるのです。言葉ではなく伝わるものそれが恋。神山少年のとっておきの恋なのです。しかし、彼女は秘密があった。
そして2章のラストはただただ涙。短い夏の恋とやがて来る別れ。そして少年から大人になっていくのです。彼らの翼はいつまでも広げられています。ビートルズの歌と共に。
青春、成長、恋愛、懐かしさなどこの小説をどう形容していいのだろう。どれをとっても素晴らしい。こんなにいい小説にはめったに出会えません。出会えたことに感謝します。おすすめします。
あの、青春時代が蘇るようで…
2006/05/03 10:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:森ばん♪ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いま、ラジオFM放送でオンエアしています。
平日の午後10時45分からの15分間です。
少ない時間ながらも、神山君の心の気持ちやその場の場面が目に見えてくるようです。部活、友情、そして愛。
中学3年生のあふれるストーリーです。
私とおなじ年なので「ああ、こんな時もあるなぁ」とか、「そうか。こうすればうまくいくのか」などのアドバイスにももらうこともあります。
一緒にハラハラドキドキしながらラジオに耳を傾けています。
感情がうまく出ていて、時々笑いもあって、次回が楽しみになりますよ。
ビートルズは私も大好きで、神山君と同じで歌から勇気をもらったり、前に一歩進むことができました。やっぱりビートルズはすごいですね。
子供からお年寄りまで、十分に理解のできる物語なので、みなさんにもぜひ聴いていただきたいと思います。
翼はいつまでも羽ばたき続けます。
青春!
2015/09/29 14:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「青春って、やっぱり素晴らしい」を疑似体験できる爽やかな物語。30年後の部分は、どうなったのかなという好奇心を、ある意味で満足させ、ある意味でがっかりさせるので、知りたくなかったかも…。
楽しく読めます
2015/08/30 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:reika - この投稿者のレビュー一覧を見る
楽しい青春時代が描かれた小説でした。
野球部員の主人公の、楽しく、少しおもしろいお話しで、笑える場面もたくさんありました。少し厳しすぎる先生がいたり、ビートルズなど、背景は少し古い気がしましたが、青春が楽しいものなら良いと思うのは、いつの時代も一緒なのだなと思いながら、さらっと読めました。
個人的には、心に残る小説というよりは、軽く笑いながら楽しく読める小説だと思いました。