紙の本
貧困を終わらせることは簡単ではない。
2017/04/29 13:40
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投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、過去に貧困問題を解決してきた国々の事例を基に、どのような手段が有効であったのかを丁寧に述べています。
しかし、貧しい国々を救うのは簡単ではありません。有用な解決策も国や地域によって違っています。
ただ、一つ言える確かなことは、裕福な国の人々が援助などを通して、貧しい国々の人たちを助けようとする気持ちや行動を起こすことが大事だということだと思います(それが出来たらとっくに、貧しい国はなくなっているとは思いますが・・・)。
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開発経済に関心のある人には必読だと思います。米国人でこれだけものを分かっている人がいるというのは、一種、救いではあるのではないかと。
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理想論として理解はできる。ただ実行するまでの道筋を考えた時に、この理想論を筋書きとして使用していいかどうか、その自信が持てない。
経済学としてはここまで、この本の先にあるのは社会学であり政治学だと思うが、この論を引き取れる学者・著作を待ちたい。
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「世界の貧困問題」に関心ある人にはぜひ読んでほしい一冊。なぜ貧困問題が起こり、今もって解決されないのかについて、偏らず、冷静に分析され、具体例も豊富に掲載されている。この問題は深刻かつ複雑で、解決なんて何十年もかかると思いがちであるが、著者は必ず解決できると信じている。その信じる力がこちらにも伝わってくるような一冊。貧困に限らず複雑な問題に対しては取り組む前から無力感に苛まれることがあるが、一つ一つ分解していけばどんなものでも理解し解決できる気がする。
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報道が少しずつ増えてきている「SDGs」(国連の「持続可能な開発計画」)についての前段であったミレニアム開発目標についてその目的と果たすべき役割が詳細に語られていました。
世界から貧困をなくすことは可能である、と自信をもって説く著者の姿勢にまずショックを受けると同時に、現在進行形の貧困根絶のためのアクション(SDGs)の基礎を学ぶことができました。
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貧困をなくすためにアメリカがどのように動くべきかを説いている。
極度の貧困、中程度の貧困、相対的貧困。
極度の貧困をなくすこと。また、中程度の貧困を開発のはしごに上がること。
豊かな社会の所得を長期的に増加させたのは科学技術。
農作物の収穫量の増加と都市人口の増加が経済成長とともに進む。
農業生産が貧困国かを分ける。貯蓄ができるかが重要。
中国は東欧と違い食料を保証しなかったので、労働意欲が高まった。
現実的という言葉を自分にとって好都合という意味で使っている。
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何年かぶり再読。わかりやすい目標を掲げることは大切!でも、具体的な処方箋を示さなければ絵に描いた餅。こうやってわかりやすい目標で大衆を引き付ける人も必要だし、地道に現場で取り組む人も大切。
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貧困を終わらせるなんて言葉、よほど頭がお花畑な夢想家しか使わないだろうと思っていた。
国際政治の最前線で貧困国の課題に尽力する人たちの成果も見ないまま、一体何を知った気になっていたのだろう。
2000年に国連総会で宣言されたミレニアム開発目標から15年。世界は大きく前進した。
・1.25ドル未満で暮らす人々の割合は世界全体で36%→12%。開発途上地域では47%→14%
・世界の識字率は83%→91%
・幼児死亡率は1270万人→600万人
・妊婦死亡率は45%減少
・HIVの新たな感染は40%減少
・オゾン層破壊物質は98%が除去
・安全な飲料水にアクセスできない人の割合は9%に減少
・開発途上地域の栄養不良人口の割合は23.3%→12.9%
・マラリアの死亡者数は3分の1
もちろん、悪化した事実もある。
・スラム居住者は7.9億人から8.8億人に拡大
・サブサハラ・アフリカ人口の41%は極度の貧困層
・今なお約8億人が栄養不良状態。
さらに、統計にはあらわれない不幸も尽きるはずもなく、日本でさえ餓死するような窮乏した生活に見舞われている人も存在する。
本書では、困窮とした人々の生活をただ憂い嘆くだけでなく、問題提起以上の具体的な解決方策が示される。
ハイパーインフレーションの終息、安定した新通貨の導入、返済不可能な債務の帳消し、瀕死の共産主義経済からダイナミックな市場経済への移行、エイズ・肺結核・マラリア撲滅のためのグローバル基金の設立、貧困層のHIV感染者に対する現代的な薬物治療。
これらに直接関与できない人であっても、資金を提供することは誰にでも出来る。
遠くの見知らぬ多くの生活困窮者よりも、近くの少ない困っている人に手を差し伸べようとする人間の感覚は当然だ。
ただ、技術革新により全世界の距離が縮みつつある中で、誰を助けるのかを選ぶということは、誰を助けないのかを選ぶことだという事実の適用範囲は広がっている。
人類文化の繁栄は、人の、団体の、地域の分業により加速してきた。これからの未来、貧困を脱した国々が新たな分業の輪に加われば、想像を超えた新たな世界が見られるかもしれない。
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貧困に向き合い続けた著者の、貧困根絶のための道筋を実例とともに論じる本。
https://note.com/t06901ky/n/n4237f65e7f32
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◯ 私たちの世代がなすべきことは、最低ラインにいる人びとが極度の貧困から抜け出して経済開発の梯子を自力で昇れるように手を貸すことである。(76p)
◯それ以来、私は何が必要かという点だけを明瞭にし、「政治的に可能」かどうかは気にしないようにした。(200p)
◯中国の中央集権機構(中略)は、つねに分散し変化してゆく市場経済のダイナミズムとは相容れない(294p)
★著者は学者として成功を収めただけでなく、政府顧問として南米、東欧、ロシア、中国、インドの経済開発でも成果をあげた。しかも冷戦が終結し、共産圏が市場経済へ移行する難しい時代に。そんな著者がアフリカの、そして世界の貧困をなくすための具体策を示した本書は、全人類にとって重要な提言である。
★ただ本としての評価としては、後半は同じ主張が長々と繰り返されるので読むのが大変でした。