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[ 内容 ]
ふつうの人でも、あらゆる株必勝法のインチキを見破り、カモられずにお金を増やせる方法がある!
株をやらないつもりの人でも思わずやりたくなる、クールで知的な株入門。
[ 目次 ]
第1章 株で100万円が100億円になるのはなぜか?
第2章 ホリエモンに学ぶ株式市場
第3章 デイトレードはライフスタイル
第4章 株式投資はどういうゲームか?
第5章 株で富を創造する方法
第6章 経済学的にもっとも正しい投資法
第7章 金融リテラシーが不自由なひとたち
第8章 ど素人のための投資法
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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シンプルでわかりやすい。のだけど、簡単、とか、リスクは考えない、とか、全部鵜呑みにしたら駄目だな、という本。
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澤上さんの投資哲学が述べられています。長期投資とは何か、どうやって実践すればよいか、どんな意義があるかなど、わかりやすく説明しています。
特に、不況期に株式を購入することによって景気の下支えができる、投資家の社会的役割に関し述べている部分はぜひ熟読していただきたいです。個人的には非常に感銘を受けました。
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著者はさわかみ投信株式会社の社長。前半は長期投資の考え方、後半は長期投資の実践について、非常に分かりやすく書かれている。
株式投資については、10年後も社会に貢献していそう、自分が応援したい、という基準で企業を選ぶことが基本的な考え方。そして、暴落時にその企業の株を購入して待つだけ。
また、企業の方針が変わって嫌いになったというような「縁切り」はあっても「損切り」はないという考え方が非常に興味深く、株式投資への敷居が低くなるような印象を受けた。
「投資」と聞くとどうしても「投機」も一緒に思い浮かべてしまうが、投資≠投機(差益を狙った短期投資)は明確だ。自己投資と聞けばほとんどの人は長期をイメージしますよね。
「投資は長期だ」ということを当たり前に考えられたら、もう少し幸せに生活だできそうな気がします。
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株式投資の入門書(主に投資哲学)。澤上さんの他書と基本的に同じ内容。
目新しいところは付加価値分析の項目。
付加価値を毎年増加させている企業が投資対象として望ましいとのこと。
(付加価値=経常利益+経費)
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長期投資の基本的方法・思考法が短期投資との比較という観点から書かれています。
特に目新しいことはないですが、基本に立ち返るという意味では良い一冊かもしれません。
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昨日の研修で、資本主義・投資家・ファンドなどのワードに感化されたので、読んでみた積読本。短期でなく、長期の資産運用がいかに大切か。一市民が投資家として、付き合う企業をどう選ぶか。有名な「さわかみ投信」の澤上社長の著書。ファンドマネージャーを超えた視点でわかりやすく書かれています。
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株式投資に関する本ですが、目先の利益をどう稼ぐかというような
投資についてではなく、最低でも10年先、本当は20年も30年も先
のリターンをじっくりと待つ長期投資について解説した本です。
何十年も待つというと、森づくりに近い時間感覚で実感がわきにくい
かもしれませんが、著者の澤上氏が運用する長期投資型の「さわかみ
投信」は、既に10年の歴史を積み重ね、12万人以上の会員を集めて
います。長期投資の支持者は、じわじわと、着実に増え続けているのです。
井上は氏のお金や投資に対する考え方に大変共感しています。加え
て、金融のスペシャリストならではの経済分析の鋭さや世の中の読
み方にはいつも敬服させられています。何より、思考がポジティブ
であることが素晴らしい。それはお人柄にも表れていて、実際にお
会いしたこともありますが、ちょっと真似できない、素敵な笑顔を
する方です。
本書の主張は明快です。預貯金ではもう将来の備えにならないこと。
長期では株式投資が最も安定して高収益を得られること。従って、
これからは長期投資が財産形成の柱となること。特に、これから到
来するインフレ時代において、長期投資はその真価を発揮すること。
今、日本に生きる私達が直面している課題は、成熟社会をどう生き
抜くかということに尽きます。人口減少と経済の停滞は、平安時代
と江戸時代に続く3度目の経験です。過去2度の経験に共通するの
は長い安定と文化の発展ですが、3度目も同じように成熟した時代
となるのか、それとも、未曾有の大混乱の時代になるのか。それは
私達がどんな社会を思い描き、どう行動するかで決まるのでしょう。
澤上氏は、長期投資によってファイナンシャル・インディペンデン
ス(経済的自立)が見えてくれば、お金を社会に還元しようとする
人が増えるだろう、と言います。それは利己よりも利他が優先する
社会です。そう考えると、長期投資は成熟社会を豊かなものにする
ために、欠かせないものなのかもしれません。
成熟社会を生き抜くための方策をお金の面から真面目に語った本で
す。是非、読んでみてください。
=====================================================
▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)
=====================================================
これまで「預貯金は財産づくりの柱」と信じてこられたのは、預貯
金の構造によって財産が目減りしていく以上に、私たちの給料の増
加するスピードが早かったから。ただそれだけの理由です。
生きにくい時代になったとは、私は思いません。会社や国がなにも
かも面倒をみてくれた、これまでの時代が幸せすぎただけです。
自分もがんばって働くが、自分のお金にも働いてもらう--自分と
お金の働きとが強固な二人三脚を組んで暮らしの基盤を固め、老後
への備えをするのが、成熟経済のなかを生き抜く方法です。そして
それは、よくいわれる「預貯金から投資運用��」ということの本質
でもあるのです。
長期のゆったりした投資運用で「お金にも働いてもらう」というこ
とは、「お金に働きがいを感じてもらう」ということです。お金を
ガツガツ働かせようと、お尻をひっぱたいてもだめです。(略)お
金が疲れきって、かわいそうです。
複利の効果が財産づくりのカギです。
長期投資の世界では、目先の相場や景気の動向を無視してしまう半
面、景気の「大きなうねり」を先取りしようとします。「うねり」
をわかりやすくいうと、経済が好況→不況→好況→不況・・・と繰
り返していくサイクルの波のこと。この「うねり」が長期投資にと
って、花や野菜を育てるときの「自然の営み」と同じほどに絶対的
なものです。これを先取りしていくことが長期投資家の基本中の基
本なのです。
ある程度の財産づくりがみえてくると、そこから先の人生にたいす
る安心感のようなものが感じられるようになります。自分はもう生
涯にわたって、お金にかんする不安から解放されたのだという意識
を持てるようになる。このような状態を「ファイナンシャル・イン
ディペンデンス」(経済的自立)といいます。
そしてファイナンシャル・インディペンデンスを達成した人たちは
ほどなく、社会還元の行動をはじめるものです。
日本には、お金をどう殖すかを微に入り細にわたり研究する投資家
はたくさんいますが、お金をどう使うかについて真剣に考えている
人はほとんどいません。お金は、使わなければ単なる紙切れ、なん
の価値もないのです。それなのに、お金を貯めることと短期の利ザ
ヤ稼ぎばかりに目が向く、そんな傾向があるように思います。(略)
お金を積極的に手放してやって、お金にも働いてもらうことが大事
なのです。
人が人として生き、そこに経済活動も投資もある。しかし、それら
はすべて「どう生きていくのか」「どのような社会を築いていくの
か」といった、人間としての意思や思いや価値観を反映させたもの
である。けっして、数字を追いかけたりの無機質なものではないと
いうことです。
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●[2]編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昔の子どもは、いつもほっぺたが赤くて鼻を垂らしているイメージ
がありますね。かく言う我が家の娘もほっぺたが真っ赤で鼻を垂ら
しているので、よく「昔の子どもみたい」と笑われます。
しかし、どうもここ最近の鼻の出方は尋常じゃありません。蓄膿に
なったら大変なので、漢方医に連れていきました。
診断結果は、ストレスが原因だろう、とのこと。舌の変色と肝臓の
熱はストレスの徴候らしく、それが原因で身体を思いっきり動かせ
ておらず、体内の余分な水分が鼻水として出てくるのだ、というよ
うな理屈らしいです。東洋医学の理屈はよくわかりませんが、スト
レスとの指摘には、納得させられました。
実は、娘は4月から入っていた保育園を5月末で辞め、6月からは
預かり保育をしてくれる幼稚園に通い出したところなのです。辞め
た理由は、押し付けがましい教育方針と保育士達の抑圧的な態度が
どうしても気に入らなかったから。この保育園に通わせると行儀が
良くなるとの評判があることを後で知りましたが、それは裏返せば
それだけ子どもを抑圧しているということだと思うのです。うちの
娘をそんな環境に置きたくない。それが転園の最大の理由でした。
娘はそういう環境で行儀良くふるまおうと気を使っていたのでしょ
う。そのストレスに加え、やっと慣れたところで、今度は全然対照
的な環境に移されたのですから、混乱しますよね。混乱し、緊張し、
身構えて生きていたのでしょう。
新しい幼稚園にもすぐ慣れたようなので、さほど混乱はなかったの
かと安心していたのですが、やはり子どもは親が思う以上にデリケ
ートな生き物なのですね。昨日、公園で遊んでいた時も、以前はで
きたことを「怖い」と言って尻込みしがちでした。やはり全身で思
いっきり遊ぶには基本的な安心感や精神的な余裕が必要で、今はま
だ緊張や混乱のほうが勝っているのでしょう。子どもの笑顔の裏側
にあるストレスに気づけなかったことを申し訳なく思いました。
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株式市場が大暴落した時、業績の調子が良い会社の株をごっそり買ってあとはほったらかしておきましょうって感じです。
サブプライムローンに始まり、中東革命、ユーロ危機や中国バブルなど最近の経済はめまぐるしく変わっているので、株に手をだすならこのやり方かなあと思っています。
まあでも投資信託の選び方についてはなるほど!な面もあったので3,5あげたいけどそんな☆のつけかたがない('・ω・`)
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最近マメに読んでいる投資信託の本でもよく紹介されている「さわかみファンド」の代表者による著作。
株式は長期投資が絶対で、やたらと売り買いするものではない、というのが本書で繰り返しされている主張。詳しくは知らないがウォーレンバフェットの考え方に共通するところなのだろう。
小心者の私はどこまで耐えられるか?
ただ売ってもいいケースとして会社の理念が株式購入当時と乖離した場合というのがあった。これは今は頻繁に起きてるんだろうと思う。選択して購入してそのまんまというわけにはいかないだろう。売らなくても対象企業の動向を観察しておく姿勢は重要だと思う。
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さわさみ投信代表取締役社長の澤上篤人さんの本です。
澤上さんといえば長期投資というくらい長期投資の世界では有名な方です。
相場を追いかける後追い型の投資ではなく、
暴落時に喜んで買いを入れられる投資スタイルを提唱しており、
暴落時に買う銘柄を平時に選んでおくべきだといいます。
とはいえ、暴落時に買うのは本当に度胸が必要です。
下がっている途中に買いを入れるため
買っても買っても下がり続けるなかで、
なぜこの銘柄を買ったのだろうと自問自答することになります。
明確な理由があれば待っていればいいのですが
理由があいまいだと暴落相場では耐えられません。
澤上さんが言っていることは結局人生にも同じように当てはまるような気がします。
誰からも評価されていないときから応援してきた人が
何かのきっかけで花開いたときの喜びといったらないでしょう。
またスキャンダルや不祥事など必要以上に価値を下げるようなことがあれば、そういうときこそ応援してあげるのがファンというものです。
マネー哲学=人生哲学
と言われますが、
自分にあった投資スタイルを見つけるためにも一度澤上さんの本は読んでおいて損はないと思います。
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あとがきで筆者が書いてるように、内容的には入門編な感じ。そういうのを求めて手に取ったから、自分的には十分満足。他の本とかも読んでて、長期投資に興味が出てきてたこともあって、書かれてある内容にも結構納得させられる部分が多かった。自分のところのファンドをそこまで喧伝してない姿勢も好感が持てたし。資産運用に当たっても、参考にしたい書籍だと思います。
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分かりやすく書いてあり、素人も自信が持てると思います。あるいは自身が持てました。
投資は短期よりも長期なのですね。
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自分のお金にも働いてもらおう 長期の株式投資は 定期預金よりも高利回り 投資のリスクも相場動向も気にしない 暴落したらご機嫌で買う 損切りはしないが「縁切り」はある 運用している純資産額が安定的に投信を中心にチェックして、その中から「これは」と思うものを1万円ずつ、10本ほど個別に購入してみます。
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長期投資とは、5年、10年先の世の中をイメージして、お金にゆったりと働いてもう行動。
ずっと保有するだけ、別に難しいことなんてしない
長期投資は必勝法や専門的な分析とは無縁。それがダメではなく、運用に関する基本的な考え方が違う
欧米の運用先進国では、投資というと長期投資のことを浮かべる人が少なくない。対照的に日本では、すぐに現在の経済情勢とか相場環境の話になって、将来のイメージよりも目先の予測が並べたてられる
長期投資家は経済指標やら相場動向、企業の業績見通しなどは、すべて無視
いまや経済が成熟段階に入った日本では、国や会社をあてにして生きていくことは無理
長期投資は誰でもできる、世のためにも自分のためにもなる
日本国民は、生活に必要なものは殆ど所有するようになり、もう買い替え需要ぐらいしか考えられない
これまで「預貯金は財産づくりの柱」と信じてこられたのは、預貯金の構造によって財産が目減りしていく以上に、給料の増加スピードが速かっただけ
日本より先に成熟段階に突入した欧米の先進国では、多くの人々が成長率の低い経済の中でもしたたかに、いまの日本人に比べても優雅に生活している。
→ 「自分も働くが、お金にも働いてもらう」という成熟経済での生き方に慣れているから
日本は今からそうなる
長期の株式投資は定期預金よりも高利回り
長期の株式投資が効率的だということは、財団法人日本証券経済研究所の調べでもきちんと検証されている。
同研究所の調査による「株式投資収益率」(株式投資したときに得られる収益を投資額で割った比率)の推移をみると、1952年から2006年までの54年間で、日本株の収益率は年平均で13.7%にも達している(バブル経済崩壊後の十年間に低迷した相場も計算に入っている)。
もしその十年間を計算に入れず、日本経済が高度成長下にあった1989年末までで計算すると、株式投資収益率はなんと年平均20.2%に達する
これに比べて、かつて金利が高かったころの定期預金や債権投資でも、それぞれの収益率は年平均5.1%、6.8%(1952年から1998年までの46年間)
同期間の株式投資収益率は、なんと14.5%
しかも15年以上の長期投資をすると、株式の最低収益率は債券の最低収益率よりも高くなる、つまり安全。
保有期間が21年以上なら、株式の最低収益率は債券の最高収益率より高いという結果も出ている
長期の株式投資は、定期預金や債権投資に比べて3倍も4倍も高利回り
複利の効果が財産作りのカギ
例えば100万円を30年間運用したとすると…
・高度成長時代の年7%の定期預金 761万円
・1952年~2006年までの株式の平均投資収益率の13% 3912万円
・高度成長時代の年20%の株式投資 2億円以上!
同じ100万円で一緒にスタートしても、長期の株式投資で財産づくりを考えた人と、定期預金に寝かせておいた人では、何百万円、何千万円もの大きな差がつく
もし日本の年金運用を長期の株式投資主体でやっていたらどうなっていたか
例えば10兆円の年金資産が年20%の複利でまわれば、30年後には2400兆円以上になる
投資運用の先進国であるイギリスでは、長期の株式投資の方が預金や債権投資よりも高いリターンを得られるという経験則を信じて疑わない
→ これから投資運用の時代を迎えようかという日本には、欧米のような本格運用の経験もなく、長期の株式投資がどれだけの実績を残したかを検証したデータすらあまりない
日本は、たまたま(50年ぶりと言われる)デフレ状況のもとにあったおかげで、預貯金は目減りしなかった
債権とは、国や自治体や会社が、個人や機関投資家からお金を借りるということ
現在は1000万円で利息1.5%程度しかない
これからの財産づくりにおいては、長い目で見て常に年平均3%ぐらいの物価上昇をイメージしておきたい。
となれば、運用リターンも物価上昇に2~3%上乗せした年5~6%の目標ラインは確保したいところ
貯蓄率は1990年代半ばから急速に下がりはじめ、日本経済の成熟化とともに給料が伸び悩んだことや、少子高齢化で
社会保障の負担が増えたことが大きく影響した。
平均的なサラリーマンでは、かつてのような高水準の給料はもう望むべくもなく、その反面これから税金や社会保障費の支払い負担は増えていく。
また、年金の受け取り額は減らされる方向にあるし、預貯金の利息収入も成熟経済下ではたいして期待できない。
もはや、「リスクが高い」とか「安全確実じゃないと嫌だ」などと、投資を敬遠してはいられない
だとしたら、一日も早く投資運用に踏み切った方が賢い。早く始めた人ほど長期投資の複利効果をたっぷり享受した財産づくりをなしとげていく可能性が高い
個人も機関投資家も、日本の投資家の殆どが、相場追いかけ型
このタイプの株式投資はけっこう疲れるし、株価の動きを追いかけていてある瞬間に、タイミングよく買ったり売ったりするのは、やってみればわかるが、そう簡単ではない
相場とは、投資家が株式市場に参加した「結果」にすぎない。
ということは、相場追いかけ型の投資家たちがみんな同じことをねらって、同じようなタイミングでワーッと動き出すわけだから、株価はどんどん跳ね上がっていく。みんなの買いでどんどん高値をつくってしまうことになる。ようやく買えたとしても、そのころには株価は結構上がってしまっていることが多い
売るときも同じ。誰もが高値で売り逃げしようと躍起になっているときに、自分だけ高値で売り抜けるのは容易ではない。みんなが同じタイミングで売りに入るから、結局みんなで値を一気に下げてしまう
投資の世界はお金さえあれば特別な資格もなく、誰でも足を踏み入れることができる。
でもそこはお金儲けのプロが集まっているから、そう甘い世界ではない
一方、長期投資家は、「企業の利益成長とともに投資収益は自然とついてくる」と考える。
「いま」の相場や株価ではなく「将来」の企業の成長を重視する
もともと株式会社は、大航海時代(15~17世紀)のオランダやイギリスな��で生まれた。インドや東南アジア、新大陸に向かう船隊が出資者を募ったことがきっかけ。
船隊は長い航海のあいだに、嵐で沈んだり、海賊に襲われたり、リスクがある。
そこで、「航海の費用に出資してください。無事に戻ってきたら、出資額に応じて利益を分けます」
これが株式会社の原型で、航海を乗り切って戻るまでに2~3年、出資者は待っていた
長期投資家は相場の動向も、先行きの景気見通しも無視。
投資なんて安く買って高く売るだけ。目をつけた会社の株価が安いと思えば、さっさと買っておく。ちょっと高くなりすぎたなと感じるなら、さっさと売ればいい。
「景気回復を確認してから」では、出遅れるだけ。株価は面白いもので、景気や企業業績にいつも半年から一年ほど先行する。景気回復をみきわめてから株価を買いに入ったところで、株価全般はとうの昔に上昇のトレンドに乗ってしまっている
先行するのは、いつの相場でも投資家の「心理」が行き過ぎてしまうから
投資家は景気上昇の波にうまく乗って投資することが大事。その波に乗ってさえいれば、何もしなくても自然と投資収益がついてくる。だから長期投資の世界では、目先の相場や景気の動向を無視してしまう半面、景気の「大きなうねり」を先取りしようとする。
「うねり」をわかりやすくいうと、経済が好況→不況→好況→不況を繰り返していくサイクルの波のこと
これを先取りしていくことが、長期投資家の基本中の基本
具体的には、不況の最中に安値に放置されている株式を目いっぱい買い込む。これだけ
不況が永久に続くことはない。人々の「このままではマズイ。なんとか収入を増やさなくては」という努力が集まって刑期上昇のエネルギーが蓄積されていく。それが自然の営みのように、いつか大きな上昇波になって好況に向かう。それまでは不況時に買い込んだ株をずっと保有し、ひたすら実りの秋を待つ
そしてうねりが大きく上昇して景気が過熱気味の段階になってきたら、保有してきた株を売り、利益確定を優先する
不況で安いときに買っておいた株だから、好況の波に乗ってから先は、いつ売っても投資収益が得られる
長期投資では時々刻々と変動する小さな株価の波は全部無視して、大きな波だけを相手にする
「逆張り」とは、今の市場で無視されている人気のない銘柄群を買い込んでおいて人気が集まってくるのを待ちかまえる方法だが、この方法も結局、相場追いかけ型の投資の一つにすぎないから、企業の利益成長を重視する長期投資とは根本的に違う
長期投資とは、社会や刑事あの成長発展にプラスになる経営をつづけ、人々の「より豊かに生活したい」というニーズに積極的に応えていれば、その企業は必ず利益がつみあがっていく。
そういう経営姿勢でがんばっている企業の株を、不況の最中に応援しようという心意気で買うのが、長期投資家。
投資家というよりも、「資本家」のような思いを込めて株を買う。「みんなで豊かになれる」方向においてのみ、意識を集中する。経済全体のパイが大きくなれば、投資収益も自ずと増える、と考える
よく株式投資を「ゼロサム、マイナスサム・ゲーム」という人がいるが、長期投資家はその逆で、完全に「プラスサム」の世界にある
要するに、暴落時に思い切り買い込んで、上昇してきたら、一部を売って利益確定
値下がりするのは、ただ一律に売られて、株価全般がドドッと下がっているだけのことで、買いたいと思っていた企業にこれといって問題が発生したわけではない
「もっと安くなってからでも遅くない」といわれても、「どこが底値なのか」なんて、そんなことは後になってからしかわからない。投資運用に後講釈はないわけだから、安いと思えばさっさと買っておくだけ
結局のところ、「こわい」も「様子をみてからでも遅くない」も、「うまく儲けたい」「絶対に損したくない」の裏返しにすぎない。長期投資にはそのような計算ずくの行動が入り込む余地などない
実際には、不況の時や相場が暴落したときに株を着込む投資家は殆どいない。しかし、長期投資家がそこで断固として買いに入るということは、社会的に重要な役割を果たす、意義のある行動
もし、長期投資家がもっと多く日本に存在していたら、バブル崩壊後の地価や株価の下落に、ブレーキをかけることもできたはず
9.11のテロでニューヨークの株式市場が大暴落したときも、アメリカを中心に長期投資家たちは躊躇することなく、即座に買いの行動をして、アメリカ経済は立ち直った
売りが殺到して市場が大混乱しているときに、だれかが積極的に買いに入らなければ、その国の経済活動はマヒしてしまう
おもしろいもので、投資は難しく考えるといくらでも難しくなる
株式で長期投資を始める4つのステップ
5年先、10年先に社会はどんなものを必要としているだろうか、それを供給しようとしていて、ずっと応援したい企業はどこか、を徹底的に考えて選び出しておく
①で選び出した企業の株式を、暴落相場のときなどに思い切り買いに入る
買った後は、のんびり5年、10年と待つ
景気が上昇段階に入って、株価が上がってきたら、保有株の一部を売る
④で得た現金を元に、①のステップから再び長期投資を実践する。
まずは「どの企業に投資したら儲かるか」ということを手放して、「自分が応援したい好きな会社を探そう」と心に決める
自分は将来どういう社会をつくっていきたいのか、子供や孫をどんな社会に住まわせたいのか、という基準で考える
普通に生活している人々が5年先も10年先も、ずっと必要なものはなにか、考える
社会や経済のダイナミズムを意識する。例えば、高齢化人口が急増する中、介護ヘルパー不足をどう解決していくか、一般的には海外から移民を受け入れる、賃金が安い、介護ロボットができる、雇用が減る等
要するに、連想力
ダイナミズムの根源は、人々の思いや欲にある。社会や経済がどうあれ、「人並みの暮らしをしたい」「自分だけはなんとかしよう」と思う。そこから自発的なダイナミズムの動きが出てきて、新しいニーズも生まれてくる
買いたい企業リスト、を控えておく。ただし、すぐに投資せずに、相場が暴落したとき
先進国のどの株式市場も長期間でみると年9~11%の平均上昇率になっている
買い時
株式相場が暴落したとき。年に2、3回は必ず暴落相場がある
不況の最中
夏休みシーズンの「夏枯れ相場」のとき
売り時
景気が回復段階に入って過熱気味になってきたころ
相場で買い人気が沸騰しはじめたころ
目先の景気や相場の動向ではなく、世の中や人の様子に対する自分の直感を頼りに、早め早めに売りを出す
売りを出した後も、さらに景気がよくなって、株価が上がっていくときも多々ある。でもそうなっても気にしない。上昇を追いかけると、相場追いかけ型の投資に変わるから
持ち株の全てを手放さずに、少しずつ、3分の2とか、5分の4ぐらいを利食う
早め早めのリズムで売り・買いを繰り返していく
長期投資家に「損切り」はないが、応援していた企業が見込み間違いだった、というケースもある。そういうときは、「縁切り」を考える
ファンド資産は、全額が信託銀行によってがっちり受託管理されている。仮に信託銀行が経営破綻をきたしても、ファンド資産は信託財産として法律で守られているので安心。
だから投信というのは、預貯金と比べものにならないくらい安全
投信を解約して得た利益には2009年3月までは源泉税として10%、それ以降は20%
複利だと、信託報酬の料率ぶんがファンド資産から定期的に差し引かれるが、これが1%違うだけで大きな差がつく
→その信託報酬分だけ、利率が下がるということ
手数料を差し引かれても、それが気にならないほどの高いリターンが得られさえすれば、投資家はみなOK
でもそういう投信は日本には殆どない
販売手数料ではなく、信託報酬や有利子課税が複利効果を妨げる
長期投資を数年実践すれば、1億円の資産をつくれるように感じるという声が多い
実は長期投資の最前線においては、成功モデルどころか、もうすでに「運用の先を考える」人が出てきている。徐々にではあるが、資産が積みあがっていくイメージができてきたので、ここから先お金をどう殖やすかよりも、どう使うかに目が向いている人たちがいる
これからは長期投資家が「民間版の景気対策」という役割を担うようにならないといけない。裏を返せば、もう国が何もかも仕切る時代ではない
景気の大きなうねりからも、将来インフレの足音がヒタヒタと近づいている点からも、長期投資を実践するには最高のタイミングを迎えつつある。
勉強会で6、7年やっている人から「このまま長期投資を続けていけば、私は1億円の資産を作れるようなきがしてきました」という発言も出てきている
長期の財産づくりを続けていく横で、積極的に社会還元したい、という思いになっていく
長期投資をすることによって、「どうお金を使おうか」といった、これまでの日本にない新しい発想が培われてくる。一般的に財産づくりというと、「生活基盤を固めたい」「老後の備えをしておきたい」「年金代わりになるように」といった目的が前面に出てくる。それは当然のことだが、実はその先がある
本格的な長期投資をずっと続けていると、���なりピッチを上げてお金を使わないと、自分の資産が余りすぎて困ることになりかねない、というのはけっこうある話。
放っておいても文化とか芸術、教育や新技術開発、あるいはNPOやボランティアなどにお金を投入するケースが多くなる
預貯金ではとうていかなわない運用実績を知ってしまったが最後、日本人はぐぐっと動き出すはず
投資のリスクをとりたがらないというよりは、日本人の殆どの人が本格的運用の成果らしきものを未だかつて見たことがないだけのこと。
株買いのブームに乗って大ヤケドをしてしまった投資家の惨状ばかりを見聞きするから、預貯金の方が安心と思っている
先に成熟経済に移行した欧米先進国でも、一般の人たちが財産づくりを目的に投資運用しはじめたのは、そんなに長い歴史のあることではない。投資運用とは、もともとお金持ちの世界の話だった。この30年間で長期投資による財産づくりがずいぶんと一般化している。日本もこれから同じ動きが起きる
自分のお金を長期の投資運用の流れに乗せて、ある程度の財産づくりがみえてくると、そこから先の人生に対する安心感のようなものが感じられるようになる。自分はもう生涯にわたって、お金に関する不安から開放されたのだと意識を持てるようになる。このような状態を「ファイナンシャル・インディペンデンス」(経済的自立)という
ファイナンシャル・インディペンデンスを達成した人たちはほどなく、社会還元の行動をし始める。
日本の富裕層は欧米先進国の富裕層には追いつきません
欧米の富裕層は意味のないお金は1ドルたりとも使わないが、社会貢献にはポンとお金を投じる
それに比べると、日本の富裕層はせいぜい自分の贅沢を追及するか、大事にお金を抱え込むことに汲々としている
長期投資家が自分の意思を反映して株式や投信を買ったりするだけで、それが景気対策という結果になる
日本には、お金をどう殖やすかを微に入り細にわたり研究する投資家はたくさんいるが、お金をどう使うかについて真剣に考えている人は殆どいない。お金は使わなければ単なる紙切れ、何の価値もない
それなのに、お金を貯めることと、短期音値ザヤ稼ぎばかりに目が向く、そんな傾向がある
自分が投資をすれば、そのお金は売った人たちの手に渡る。売った人たちは欲しいものを買って、経済の現場にお金がまわりだす。経済が活性化して、投資をした自分の収入も増える。このイメージを持つ
長期投資を実践するだけで、スパイラルはやがて豊かな社会を築いていく方向へと向かう
インフレの規模について言えば、70年代の数倍になる。70年代、世界の人口は約40億人だった。そのうち、日本も含めて先進国の人口は7億人程度。社会主義国の人口の30億人近い人々は経済成長とはあまり縁のない環境下で暮らしていた
今や世界の人口は70億人に迫っている。そのうち、先進国に14億人、中国沿岸部やインド南西部などの発展著しい地域の人々を加えると、20億人近くになる。高度な消費生活の中にいる人口は、70年代の3倍規模。残りの40億人の人々も、もはや計画経済のもとで暮らしているわけでもなく、インターネットやテレビを通じて、「自分も早���豊かになりたい、先進国のような消費生活を謳歌したい」と望んでいる人が大半
これもあれも欲しいという人口がこれだけ増えてくると、いずれエネルギーや工業原材料やら食料やら、あらゆるものが不足するのは目に見えている。それが本格的に価格上昇へと繋がったら、70年代をはるかに超えて世界規模のインフレになる
一方でモノを作るための人件費は、発展途上国から安い労働力がつぎつぎに供給されるようになっているから、それほど上昇しない。
日本の普通の人びと、サラリーマンには、どのような影響が表れるかというと、物価上昇に比べて給料は上がらないから、実質的な収入は下がることになる。
インフレで一番マイナスの影響を受ける、預貯金や年金などで暮らしている高齢者などと一緒に、サラリーマンの生活レベルを下げる必要が出てくるかもしれない
今度は息の長いインフレになる。70年代とは違った背景が複雑に絡んでいるから。
世界規模で需要が増大して物価上昇となっても、人々の収入はそれほど上がらない。モノを買う力は高まらないから、爆発的なハイパーインフレの発生にはブレーキがかかる