紙の本
仁深き江戸の鍼師の物語
2011/04/21 10:27
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎度色々な職業視線から物語を紡ぎ出し、江戸の風情を楽しませてくれる山本作品ですが。本作品は「鍼灸師」を主人公にした長編作品となっています。人々を救う、という面ではこの上なき医者という立場。その視線からいつもの熱い山本ワールドが展開されているのだから、面白くないわけがない。また個人的に、連作短編風な構成も嬉しい。真ん中に一つ筋が通っていて、それを包み込むようにいくつかの物語が語られていく。そのどれもが胸熱くなるものばかり。今回もしっかりと、江戸の世を楽しませて頂いた。
主人公の染谷(せんこく)は、還暦を迎えた仁に深く義に厚い鍼灸師。名医と高名ながらも、その視線はいつも庶民と共にあった。高利貸しの難病を癒す代わりに、その取り立てを緩めるように進言したり、死にゆく女性の今わの際の苦しみを取り除いたり。その名が広まるにつれ、やはり大店の当主達も染谷の医術を求めるようになる。大店嫌いの染谷ではあったが、付き合いを深めるに連れ、大店の当主にも素晴らしい人材がいる事を知る。しかしその当主も、悪しき身内に命を狙われており…。と物語はらはらどきどきを孕んで展開し、最後には伊達正宗公の名前まで出てきて何とも胸すく大団円となっていた。
さて山本作品を読む度に「しっかりとした自分を持つ事」そして「真っ直ぐな事」がとても大事な事なのだと思わされるのだが、本作品ではさらにその思いを強く感じた。ねじまがった企みや悪意など、しっかりと自分の心と体を鍛え存在感を持ち、まっすぐに歩いていれば何ら怖い物ではないのだ。現代でこそそれが見えなくなりがちであるが、江戸の時代の物語であるからこそ、その部分が浮き彫りのようになりひしひしと伝わってくる。また蛇足にはなりますが、電気など全くなかったこの時代にも人々は明るく強く生きていた事をしみじみと感じさせられる山本作品。ぜひ一度その世界に浸ってみて、昨今の電気不足に惑わされる現実を、改めて考えてみるのも良いかもしれません。
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鍼灸師の染谷先生
鍼灸だけでなく、人間として深い。
自分の仕事がちゃんとできて、
かかわる事柄にもきちんと対応できる
ある意味、理想の生き方です
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珍しく年配の鍼灸師のお話。
内容の主体性がない。
メインのストーリーがどれなのかがわからなかった。
説明の必要な部分もあるが、話が逸れすぎていて入り込めなかった。
主人公の人物像はなかなかよさげだったので、少し残念である。
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鍼灸師染谷が気持イイやり方で人助けをしていく。
続編早く読みたいなと思わせてくれる内容だった。
不作で江戸の米の値段が上がったが、深川の米問屋が価格を抑えてくれた時、深川の人々が他の人を思いやり買い溜めをしなかったという話があった。
今の江戸の人も見習ってほしいものだ。
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山本一力先生のお仕事シリーズ(笑)
今回は・・・医師と鍼灸師です
この鍼が様々な揉め事にも効く
あれ?
あの話が中途半端だな~
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鍼灸の先生と下町深川の民たちとのお話。
江戸時代の下町話ってやっぱり好き。
でもちょっと残念なのは、突然場面が変わる箇所が他の作品より多かったような気がする。
そのせいか、せっかく話に入り込んできたな~。と思ったところで途切れてしまう。
話は素敵なんだけど。。。
あと野田屋と野島屋(だったっけか?)紛らわしいです~!
全く違う名前にしてほしかった。(^^;)
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気を抜くと、ひとの身体の芯に忍び込むいやな雨だ 大横川の川面を、降り続いている雨が叩いている。闇に包まれた川が、強い雨音を立てていた 手にした匕首を何度も上下に振った。刃が揺れて土間を朝日が走り回っていた
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深川で、医は仁術を実践する鍼灸医染谷。
柔術で鍛え上げた体で、年に似合わぬ壮健さで
次々と患者たちが巻き込まれた事件を解いていく。
続編があるらしいので、続きも期待します。
奥さんである太郎や娘が元深川芸者であるところや、
染谷の幼馴染で、医師の昭念とのやりとりが
とっても良かったです。
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本作は、凄腕鍼灸師である染谷を主人公に、そこは山本一力作品らしく深川の義理人情を中心とした染谷の腕と身分に惑わされず誰でも同等に扱う姿勢に人柄に惚れた人たちとの交流をふまえ、まわりの人たちにも良い影響を与えていくというほっこりとした物語に仕上がっており、面白かったです!
「金儲けと人助けは仲のよくない間柄」というのは、なかなか深い真理でした。
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内容(「BOOK」データベースより)
深川蛤町で鍼灸師を営む染谷は、“ツボ師”の異名をとる名手。高利貸しの難病を癒す代わりに取り立てをゆるめるよう諭したり、死にゆく婦人の痛みを和らげたりと、市井の人々を癒し、人助けや世直しに奔走する染谷の日々を描く。胸のすくような長篇時代小説。
令和2年1月9日~10日
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内容(「BOOK」データベースより)
深川蛤町で鍼灸師を営む染谷は、“ツボ師”の異名をとる名手。高利貸しの難病を癒す代わりに取り立てをゆるめるよう諭したり、死にゆく婦人の痛みを和らげたりと、市井の人々を癒し、人助けや世直しに奔走する染谷の日々を描く。胸のすくような長篇時代小説。
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2年8月20日読了。
鍼灸師の染谷と、江戸深川に住まう商人、大名家家臣、町人達の、江戸っ子としての誇りと心意気の物語。
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粋や人情をよしとした生き方が胸をスッとさせます
立夏の水菓子からするとまだ、助走段階
2冊とも読むのがお勧めです
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「やまいを診るまえに、ひとを診ろ」「人はだれしもが己の身体を己が治す、生まれながらの力を秘めている・鍼灸や薬は、眠っているその力を呼び覚ますための助けに過ぎぬ。」深川で鍼灸師を営む染谷(せんこく)のたすけ鍼(ばり)、胸のすく作品です。山本一力「たすけ鍼」、2010.10発行。
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山本一力氏得意の人情噺。染谷(せんこく)という名鍼灸師が中心だが、隣に住む幼馴染の同年齢の医師である昭年も名医師であり、二人で協力しあい患者を救ってゆく。自分の後継も考え、子供たちを無償で教育してゆく。金儲けしか考えなかった豪商が、家族や自分を救ってくれた染谷に心酔し援助を申し出る。それに応える染谷。感動的な話しが続くが、別な豪商が店の番頭に良いようにされた状況の改善結果が描かれなかったのが残念。どういう結末か気になる。