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母親の息子を思う気持ちは見苦しい
漫画の大奥の最後で参考文献が掲載されており、
理解を深めるため、また吉屋信子さんの本を読みたい、
ということで読みました。
漫画の大奥の2巻から始まる家光時代のみならず
ドラマで放送されていた大奥第一章も含めて、
この小説が与えた影響は大きいですね。
そのせいか脳内は春日局は松下由樹さんの
ビジュアルイメージで進んで行きました。
大きな感想は、「母親の息子を思う気持ちは見苦しい」
なのですよね。
春日局の息子を思う狂信的な気持ちが
日本を動かしていく様は、
見苦しいとしか言いようがありません。
お万の方に接して思うのは、過度な美しさは
決して幸せではなく、
不幸を呼び寄せるということ。
本人の意思に関係なく羨望と、嫉妬という感情を
呼び寄せてしまう外見は、
人にとっては武器になり、人によっては狂気になると、
実際に余りに美しすぎて、逆に幸せに生きられて
いないのでは、と思う人を見たことがあるので
そう感じています。
お万の方の心映え、振る舞いには心が洗われる思いで
いますが、
上巻の段階で春日の局が逝去となると、
このあとまだ長い下巻の事を思うと、
若干気が重くなります。