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各書店のベストセラーだそうである。「いかに遺すか、9条、奇跡の輝き・・・」という帯にお笑いコンビの「爆笑問題」太田光と中沢新一の顔写真が!正直、太田光なるコメディアンをTVで見かけたことがあったが、知らなかった。見直した。それとも・・編集者と中沢氏の仕掛けが上手いのか?太田は正直、小生の直感でスイッチOFFタイプの人種だと思っていた偏見が恥ずかしくなる。
■大変いい本です。是非皆さんにお勧めします。
■知的?好奇心、刺激にも富んでいる・・・宮沢賢治と田中智学・・石原莞爾・日蓮宗・八紘一宇・・・賢二の童話。ドンキホーテ?修道院?としての日本国憲法・非戦の9条・・
■人間から、ディスコミニュケーションとカオスの存在、を排除して法律も宗教も同じことを考えればこの世界は完璧な「美しい日本」共同体になるなどと思っていることが、共訳不能な断絶・ディスコミニュケーションを命・前提として豊かな世界を育んでいる・・多様性や芸術性・個性・基本的人権などとの大きな齟齬が発生してくる。この日本国憲法を世界どこにでもある国家の本性に合うように論理的整合性をつけてしまえば、再び、戦前のような別の国家権力の強制、暴力が死にかかわる形で現われてくる。と言い切っている。
■宮沢賢治の立つ位置をその矛盾をかかえた戦争を発動させない文化の出発点として、今こそ全国民が捉えなおす・・日本国憲法はその最深部で、自らの非戦・・という「免疫機構」を解除、放棄しようと語っているのである。この尋常でない国家思想、憲法を母体が自己のうちに宿る新しい生命に対して免疫機構を一部解除するごとく、神話の異界・動物とのディスコミニュケーションの遮断、敵対の超越のごとく・・・この尋常ならざる原理を国家内部・・人類内部・・に「世界遺産」として維持、セット、ビルトインしつづける意思こそ・この国民500万人?以上の戦争犠牲者をだして手にした、「世界・人類の遺産」なのだろう。太田光が爆笑問題のトリックスターの位置を維持しつつ、既成の権威や権力に対して、安易な逆行への警鐘を鳴らす、言論や人権への侵害への「炭鉱のカナリア」の役割を果たしてくれるのだろうか?
■今後も、爆笑問題が炭鉱のカナリアの役割など負わなくて済むように・健全な言論の自由維持が保障されているか?要注目・注意ですね。
■中沢・太田の「遺産保護」グループに国民が大挙支援すること、まともな学者、有力政治家、ジャーナリスト、近隣諸国、諸外国の知識人との連携が今後一層必要になるだろう。この本は定義、意味曖昧な「美しい日本」「自主??憲法」制定、9条の廃止?を提唱・提灯持ちする電波芸者やマスコミへの強烈な憲法擁護への積極、提案だと思います。戦後やあの戦争をここから見直す視点にすべきでしょう。
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軽く嫉妬してしまった。太田光に。私の知らない間にマンツーで中沢さんに講義を受け、メル友となり、深い時間を共有していたなんて。80年代の吉本隆明とイトイさんみたいな関係になっていくのだろうか。羨ましい。
この本は右でも左でもない。右から見れば左、左から見れば右と見えるような主張がなされているからだ。つまりどちらの文法にも則っていない理論が展開されているということだ。しかしそれは同時に、両陣営からの総攻撃を受ける立場に置かれていることをも意味する。
情緒に流されることなく、犠牲を覚悟しての「憲法九条を世界遺産に」宣言は立派だと思う。「世界遺産」=失ってしまう可能性の高いものに対する自分たちへの戒め。愚かさへの疑い。矛盾を孕んでいないと、問いかけも生まれない。
そして、太田が終盤で「一生芸人宣言」をしてくれたことに安堵する。
頼む、鶴太郎にだけはならないでくれ。大家となってしまったコメディアンは哀しい。
2006.09.28-10.04
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中沢新一得意の宮沢賢治を引き合いに出しながら憲法に関する議論をしているところが魅力的。宮沢賢治の政治との関連についてかかれているのが興味深い。
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憲法改正、とりわけ九条を、と言われて思うことはなんだろうか。きっと私は、日本の微妙な立場やそれこそ防衛のための軍事力と考えると肯定してしまうのだ。それは少なからず現実的な思考で、冷静で客観的で現実的なその思考を除いて議論することはできないだろう。しかし、しかし少し踏みとどまりたい。世界中を見渡しても極めて特殊な九条を、今現在の世界情勢のために、まるで何かに追われるように改正することに、本当にそれほどの意味があるのだろうか。とはいえ、面と向かって「駄目だ!」と啖呵を切れるほどの力強い論理もない。人は理想論だと鼻で笑うけれど、理想を語る人がいなくなれば世界はどこへ進んでいくのだろうか。そんな話。
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面白かった。9条を考えるにあたり、宮沢賢治の思想の矛盾点から探っていこうとするのが、やや唐突だったけど面白く、考えさせられた。お互いがお互いを褒めあい過ぎてるのは多少気持ちわるかったかな。とくに中沢新一→太田光。だけど「憲法九条を世界遺産に」というコピーは素晴らしいと思うし、この問題を改めて真面目に考えようとする人がいることは頼もしく、わたしも一国民としてちゃんと考えてみたいと思う。
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総評:下の上の中
ハヤリに乗ってみたってのが正直なトコロだケド、一通り読んでみた感想として、「まるで伝わらない」ってのが率直な意見。ぶっちゃけ、ウチらみたいなあっぱらぱーはターゲットにされてないだろうから問題ないんだろーね。予備知識のない人間に「憲法九条」=「宮沢賢治」って言われても「はぁ?」としか言えない。あと、中沢、横文字使いすぎ。意味がまるで分からない。次読むとしたら太田光の単作にしよう。それで同じよーな評価になるなら、オレの中で太田光は切るかも知れない。
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お笑い芸人の太田光が語る憲法九条とはどういうものだろう? と興味を持って読んでみたものの、前半部分のほとんどが宮沢賢治の思想の話で、宮沢賢治をあまり知らない私はちんぷんかんぷん。宮沢賢治がお好きな方にはきっと読み応えのある一冊かと。
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昔から感情を露にした討論番組が苦手だが、不思議と「太田光の私が総理大臣になったら‥‥」だけは平気だった。バラエティという安心感の中での討論だからだろうが、言論の自由があるようでない世の中で、よくこれだけ戦えるとはらはらしたりもする。そんな太田光氏と、中沢新一氏の対談本。まず、宮沢賢治に童話作家とは違う一面があるということを知り、自分の無知を恥じながらも驚いた。また、いつも矛盾を抱え、どっちつかずでいる事をマイナスに思っていた自分に、「その振り幅も必要」と言われたような気がする。 憲法九条を何故世界遺産に推すのか、その理由はとても納得がいく。しかし、両者が述べるように、それには相当の『覚悟』が必要。深淵を臨む事を避け、それがあることすら忘れて、のうのうと生きている自分に一撃の一冊。
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太田さんの物事の捉え方や追及する姿が好きで、買っちゃいました。
やっぱり、すごい。
「憲法9条を世界遺産に」という結論に行き着くまでの様々な視点がおもしろかった。
でも太田さんの桜の文章が一番印象に残ったかな。
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あっという間に読み終わる。
太田がいわゆる「コメディアン」の才能をもって風刺を今後も貫けるのか、そういうところに注目すべきなんだな、と思うがやはり物足りなさは漂う。
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爆笑問題の太田さんが大好きです。この人はとても「考える」ということをしている人だと思うし頭がいいと思う。内容は俗に言う平和憲法を、なぜ変えたいのか、どうして変えてはいけないのかということを根幹的に問う対談です。この対談で自分がいかに「思考していない」かがわかりました。深くものを考えると言うことを考えさせてくれてとても刺激になりました。
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憲法改正の議論がかまびすしい中、日本が世界に誇れる、
奇跡的に出来上がった第9条は、すくなくとも我々の世代で
修正する必要があるのか?といった話を
爆笑問題の太田が真剣に考えている事が伺える対談本。
難しい議論ではあるが、決して机上の空論というわけではなく、
お笑い芸人として何が出来るかを考えているところに
強い意志を感じる。
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憲法改正案が出される中、憲法九条の尊さを説いた本。
憲法九条がいかに奇蹟な憲法であるか、日本にアイデンティティを与えているかを教えてくれる。
お笑い芸人大田光の視点が内容を生き生きとさせている。
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難しい内容でした。
所々この考えはどうかな?っていうところもあったけどすごく考えてるんだなぁ・・・という部分もありました。
このテーマについて考えるきっかけになりました。
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対談形式になっています。
大田さんがここまで考えていたと言うことに驚きました。
興味を持つキッカケにはいいと思います。しかし内容をそのまま受けるのではなく、読み手自身考えることも必要だと感じます。