紙の本
心に残る言葉もあるが、軽めの話題も多い。
2017/04/15 14:35
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすがに著者ならではという、とても鋭い見方や
心に残るような言葉も多かった。
一方で、全体的には少し軽めの話題が多い印象で、
この著者らにしては、という意味で物足りなさを少々感じた。
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敬意の贈与。
内田樹さん、名越康文さん、橋口いくよさんの3人による対談形式です。価値観再生道場という名前の通り、現代の人々の「価値観」について見直そうとしています。
個人的には名越康文さんは知性と個性が強すぎて、私の勉強不足ですが「何を言っているのか分からない」状態がありましたが、本書の筋で言うとそれが大切ということも書かれていました。
絵に描いたようなやる気のない定食屋さんがなぜ安心出来るのか
本当の豊かさとは何か
分かりやすさの必要性
バッシングはなぜ起きるのか
安心のはずの「定型」による負の連鎖
執着心
愛と敬意の違い
以上のような話が展開されていました。
それぞれの話で共通しているのは、最終章にある「愛と敬意」。
何かを「分かった」つもりになるから、人は偉くなった気分にもなるし、相手を馬鹿にしたくもなる。
分かりやすくしようとすることは良いことなのかもしれないけれど、分かったと思えば良いという問題ではなくて、もっと分かりたいと思わなくてはいけない。
何かを「分かった」と思うのは本当の意味では「分かっていない」という真理が導かれていました。
今は、「これが普通」って分かったつもりになって共通の理解のような定型を安心のためにつくろうとします。
しかし、これによって少しでもズレたら大炎上などを起こす火種となる。
安心したいために作った定型が、不安を生んでいるということです。
皆の中での何かが当たり前に働いていて価値観について触れることが少ない現在、反省した点いくつもありました。
私自身、ツイッターなどで周囲の人と同じように意見や思ったことを発信することに疑問を抱き、躊躇いを感じるようになってきて読んでみました。
少し反論したい話もありましたが、全部ひっくるめて私に大きく影響を与えてくれた1冊です。
本当に良い価値観って何かを考えなおしてみたいと思いました。
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愛の反対語は敬意です
論文調の文体を使うときは、上から見下ろしている。中立的視点を僭称すべきじゃない。
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"愛"は危ない。いいものだと思い込んでいると、気づかず危ない方向に進んでいるかも?確かに執着心が強くなってしまうと、余計なことに嫉妬している気がする。そして、そんな自分が醜いことにも気づいてしまう。わからないこと、知ろうとしないこと、素直に敬意をもてたら楽しいだろうなぁ。
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初出
本書は雑誌『ダ・ヴィンチ』連載「価値観再生道場 これなんぼや?」(2012年2月号~2012年7月号)、ダ・ヴィンチ電子ナビ「内田樹×名越康文×橋口いくよ 電子ナビスペシャル鼎談」を加筆訂正し、書き下ろしを加えて単行本化したものです。
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ここで書かれる「大人の作法」とは、"揚げ足を取らない体質" "攻撃的な言葉を回避する" "空間と仲良くする" など、ギスギスした昨今の世の中で気持ち良く暮らすための考え方のこと。対談方式の読みやすい文章で、中々含蓄のある内容が書かれています。
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上から目線、揚げ足を取る、人を叩く
そういう人が多い世の中で
取るべきスタンスはどういものなのか
3人での会話形式の文章がとても分かりやすく
すっとお腹の中に落ちてきます。
結果的に答えが出ない問題もありますが、
じっくり自分の中で考える良い機会になるかと思います。
上記のような 大人げない 人間にならないための
内容ではありますが、
そういう人たちに出会っても
自分を見失わないようにするための
応援-支援のような要素も感じました。
人間関係に悩む人にも良い本だと思います。
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前作よりも内容が多岐にわたる分、3人の掛け合いも多くのキーワードを絡めて展開されていく。
最終的に「大人の作法」とはなんぞや、というところに焦点があたるかと思いきや、それはこの本の中に収められたいくつもの奔放なやりとりから読み取る必要がある。
特に取り上げるとするなら、「愛」と「敬意」が対義であるところの考え方だろうか。「愛」という言葉を世間的イメージで鵜呑みにしていると、この考えにはなかなか辿り着かないし、人によっては認めない場合もあるだろう。
頭の中を常に刷新したい、多様なものの捉え方を実感したいという人にはぜひおすすめしたい。
(この本に限らず、内田先生の著書全般に言えるけれども)
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テーマごとに読んだ。なるほど、世の中をそんな風にも見ることができるのかという発見がある。3人のテンポが心地よい。
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右肩上がり の 幸福という
呪縛 から 逃れる 方法
自分が 何かして それに対して いろいろな人 から いろいろなかたちのリアクションが 返ってくる そういう 関係の中に いるのが 豊かさ という 事
同化し 一体化幻想から はじまり
嫉妬 バッシングに 繋がる
今の自分に満足していない
不満が ある状態だから
同化した 他人を 叩く
自分に 向けた 言葉
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前作、『原発と祈り』がおもしろかったから借りて読んでみたけど、これはあまり好きじゃなかった。
内田さんと名越さんがいつも以上に感覚で話している部分が大きかったので、さすがにこれは共感できず、というところが多かったです。
敬意の話、ひとの話はとりあえず飲み込んでみる、というのは印象に残った。ちょっと、拍子抜けでした。
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不良は家を捨てるけど、やんきーはヤンキーは家族信仰。早婚は出身階層から抜け出させない一種の呪縛。なるほど…
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耳が痛みつつも苦笑しながらサクッと読めた。『声に出して読みたい日本語』的な感じで、繰り返しサクサク音読してみると、自然と知性という贅肉となってくれるのではないだろうか。そんな本。
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今まで自分の中でモヤモヤしていたこと、わからなかったけれどほったらかしにしていたこと、そこに真っ直ぐに向き合って下さるお三方の会話が心地よい。テンポ良い文章はもちろんのこと、わかりやすいようでどこか不思議さを感じさせる例え話に引き込まれる。帯の何倍も価値のある中身に思えた。むしろ、帯はいくらかチープな印象を受けた。
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雑誌「ダ・ヴィンチ」での対談を書籍化した第二弾。三者三様のキャラクターで語る「大人の知的作法」。名越さんが終始興奮気味なのが微笑ましい。「ウチダ先生、こうですよね!?」みたいに食いつくと橋口さんが「それは、こういうこともありますよね」と落ち着いて受け、内田先生が「それはつまりね」と締める。あたたかい関係性が心地よい。いつもの内田節をちょっと軽やかに薄めた、ドリンカブルなライトビールのような一冊。とはいえしっかりとしたボディも感じます。