初、山田詠美さん
2024/07/05 16:29
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投稿者:rosehiptea - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田詠美さん、ご本人は見たことあるけど初読みでした。
もっとクセのある文章を想像していましたが、すごく読みやすかった。
ただ、初読みにこれは濃すぎたかも?
完璧すぎるジェントルマンの坂井漱太郎。
その胡散臭さに気づいている主人公の宮下夢生。
夢生と似た感性を持ち、夢生と親友になる藤崎圭子。
他にも多数の登場人物達が出てきて、ほの暗い不思議な世界を紡いでいきます。
はじめは、ある人物をこいつヤベーなって思ってたんですが。
段々、別の人物のほうがヤバいかも?と思って。
ラストは、あー.....となりました。
どんなに人格者の親からでも、こういう人は生まれる可能性がある。
子供の頃住んでいた家のお隣で、ミステリー的な出来事がありました。
身近にもあるかもしれない。
人は見えない顔をいくつも持っているから。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
生まれながら全てに恵まれながらも、凶行を重ねていく漱太郎に圧倒されます。心酔者であり傍観者であったはずの、夢生が取った行動にも驚かされました。
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大好きな山田詠美。
美しい文章。美しすぎて、溜め息が出る。
なのに、こんな終わり方はいやだ。
私は、このお話に出てくる人がきらい。圭子のことも、夢生のことも、路美のことも。
漱太郎のことは、もっときらい。
いやだ、いやだと思いつつ、私は多分、この本が好きだ。
好きよりも嫌いの方が、人を強く惹き付けるのかもね。
「欲しがれば欲しがるほど逃げて行くものが、この世の中にはたくさんある。」
本当にその通りで。
欲しがるのを辞めれたら、もっと簡単になるのに。
私が欲しくて欲しくてたまらないものは、いつの間にか遠くに行ってて、もう絶対に手に入らない。
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すべての人を惹きつける完璧な好青年の漱太郎を、夢生だけは距離を保ってただ眺めていた。しかし、高校二年のある日、思いがけず漱太郎の正体に触れ、その日から彼の虜となる…。
漱太郎と夢生との倒錯した関係を何とか受け入れようとしてみたけれど最後まで呑み込めず。
後半突如として現れる貴恵子のキャラクターにも面喰ってしまい、最後までもやもやした。
山田詠美ファンならこういうほうがドハマりするのだろうか。
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最後駆け足過ぎて、ついていけまけんでした。。
BARに警察が来たあたりから、もっとゆっくり読みたかったです。中盤まではユメと漱太郎が理解できていたが、どうしても最後の2人気持ちがわからなかった。そこが残念。。
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再読。この小説を表すのにどの言葉を選ぶかによって、印象がガラリと変わるなあとみんなのレビューを読みながら考えた。裏扉の「切なくも残酷なピカレスク恋愛小説」がピッタリでしょう。BLとかヤオイとかヤンデレとかサイコパスとか、そういうことじゃないから。山田詠美さんの描く恋愛の苦しさを長年愛でてきたが、またひとつ違う世界に足を踏み入れた気がする。表現も、以前の粘性の高い皮膚感覚的なものから、原色あふれる視覚的な要素が増えたと思う。まだまだ恋愛モノを書き続けてほしいです。
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過去に何冊かこの作家の作品を読んだ事がある。
文章が何の違和感も無く気持ちに入ってくるという印象がある。この作品は従来の文章力に加えて、人の気持ちを何とも官能的に表現をしている。上手いな〜。
もう少し書き込んでもらいたい所もあるが、多少ぼかした方が良いのか、、、、
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山田詠美さんが書いたものを読んだのは久しぶりです。
相変わらず、表現力豊かなので言葉で綴られている情景が頭の中で再現出来ちゃう所は素晴らしいです。
同性愛。
否定する気持ちは全くなくて、好きになってしまったのならって感じです。
ただ、自分が本気で恋をしたことがないからか、それぞれの気持ちがなかなか理解出来なかったのでこの評価にしてしまいましたが。
理解できる人にはきちんと評価される作品だと思います。
自分にはまだ早かった。それだけです。
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モラトリアム期の少年少女の描写が巧みな著者でも、それを持ち越しすぎた大人となると。愛は惜しみなく奪う、映画のサブタイトルが浮かんだ。愛は惜しみなく奪うものか与うものか。
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ジェントルマンのタイトルと裏表紙の解説だけでは到底予想できない内容でした。
ジェントルマンと言う響きをどこか胡散臭く、違和感を覚える主人公たち。ジェントルマンは紳士を示すが、ジェントルとは確か優しいという意味もあったと思う。
そうちゃん、は表面上優しくて、誰にでも好かれる人気者だが、裏の顔はとても醜い。。。表で振る舞う善人の反動か、ユメの前では本来の悪の顔を見せる。
主人公とその周りには同性愛や恋する者もいて切なさもあるが不快感や違和感もある。
ラストはとても悲しい。。。人間性。モラル。愛の形。色々と読みごたえのある作品でした。
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完璧な漱太郎の本性を唯一知るユメ。そしてユメの漱太郎への究極愛。同性愛、レイプとハードな中に純愛がしっかり全編に感じられる。
シゲの恋に落ちた感情や、ユメの漱太郎への「自分だけに優しい人がいい」「そして、自分だけに冷たい人がいい」思い。
ラストの圭子の大事にしてきた思いも…。
誰にも言えない想い。切ない。
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漱太郎の数々の卑劣な行為は女として到底受け入れがたく、嫌悪感だけが残った。彼を愛する男、夢生も翻弄され終には破綻してしまう。そして彼らに深くかかわる二人の女は一見脇役であるように思えたが、終盤クライマックスでその存在の凄みを知ることになる。哀しくて残酷で、滑稽で、まぎれもない悪夢なのだけど、沈美的で永遠の夢のようでもあって。。どちらかというと嫌な読後感の類。ただ、ここまで登場人物たちに感情移入できたのは、やはり作者の持つ魅力なんだと思う。例えば「人の行動に伏線なんかない。衝動しかないんだ。あと、運命しか…」こんな風にさらっと主人公に言わせる詠美節。相変わらず、洗練された文体は読み手の心と脳を大いに刺激してくれる。
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眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎(そうたろう)。しかしある嵐の日、同級生の夢生(ゆめお)はその悪魔のような本性を垣間見る――。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
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読みました。
読み終わったあとは恐ろしいような、切ないような気持になりました。
人間には通常「罪悪感」「良心」というストッパーがありますが、それのない人が最も恐ろしいのだということを実感しました。
「ジェントルマン」の彼の行動は驚きや嫌悪感を感じますが、その一方で
怪しい魅力も感じました。
そんな彼の魅力から逃れられなくなってしまった主人公の気持ちもわかります。
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好きではない内容なのに、最後まで読めてしまうのは、さすが、山田詠美さんの文章力・構成力のなせる技。
背徳の美学的なこの小説は、好きな方はすごく好きだと思う。