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ちょっと衝撃的なタイトルの本。
コンサルさんと時々仕事するけど、やっぱりうまくいかないときもあるのだなと。
どんな理論もビジネスモデルもシステムも、人を見ずに作っては意味のないもの。
私が扱ってる情報システムもまたしかり。
具体的な事例がたくさん出てくるのと、わかりやすい語り口なので、読みやすかった。思い切りぶっちゃけてる感じもよかったです(笑)
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良書を並べてくれるお気に入りの本屋で山積みされていた。
あまりハードカバーを買わない(買えない)けど気になってジャケ買いしたら大当たり。
今自身の関わっている業務でもコンサル入れているからもあるので、本当に我がことのように読んだ。
最先端の流行りのメソッド、戦略、用語をコンサルは偉そうに多用するし、クライアントはありがたがるけれどその言葉にだれもが踊らされてかえってめちゃくちゃになる場合がある。課題解決においてはもっと人間臭い部分、でもシンプルな、コミュニケーションひとつで解決する話もあるし適用が間違っている場合もある、と解釈。まったくそのとおり。
人材開発におけるラベリングバイアスにもなるほどね。様々な過去の研究や著書から引用してくる方法がなんだかコンサルっぽい。
ではコンサルやこれらのモデルはいらないのかといえば、少なくても自分としても道筋を示す意味で必要であると思うし、実際入ってもらってよかった。ガイドライン的な存在という表現も納得。
でも、物事を過信しないこと、誰かの能書きを思考停止のまま受け入れないこと、自分の頭できちんと本質を考えること、そのことが一番大切、と言ってくれているような気がした。
著者の文章の中には慈愛と謙遜をベースにしながらも仕事に対する自らの長所をよく見ていて、さりげなく主張している。そのことがある程度の自信というかプライドを感じさせて、何か好感だった。(その長所部分が何となく自分に似ている気もした…)
今年の早くもマイベスト。並行して読んでいる「不格好経営」と頭の中でリンクして面白さを相乗させてくれた。
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コンサルだけではなく、IT系(死語?)企業でも、とりあえず横文字が飛び交う。社外の、専門家ではない取引先の社員に対しても、社内で使う言葉を用いて、混乱させる。悪習なので改めたいが、かと言って全てを日本語訳するのは非現実的。誰もが知っているであろう言葉(例:コンピュータとか)以外では、なるべく横文字ではない言葉で説明できるようにしたいと思った。
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本書に書かれているようなコンサルタントが提案したと思われる悪しき事例が社内にたくさんあるw
確かに現場では「なんでこんなことを」という不平や不満が多く聞かれる。メソッドばかりにこだわっているから何も改善されないのであろう。なんとかしなくては。
本書の中では、いわるゆるハーバード流の進め方の問題点が多く指摘されている。カッコいいことばかりを言っていて結果が伴っていないのも事実である。
これまで数多くのビジネス書を読んで疑問に感じていた事をズバリ言ってくれている。
結局、人を大切にして、人に投資する会社の業績は良いということにつきる。
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本は、とくにこの類いの米系の厚めのビジネス書は、読み方に気をつける。第1章の1ページ目から順番に読んではいけない。
まず表紙を読む。裏表紙を読む。著者経歴や訳者後書きを読む。「はじめに」を読む。「おわりに」を読む。このようにサンドイッチの外側から内側にかけて攻略していく。
本文の前に、本文よりも丁寧に、目次をつぶさに読む。この本の全体構成がどうなっているのかを知る。「はじめに」または第1章に全体構成がどうなっているかの説明がある場合もある。
全体の構成について当たりをつけたら、それに沿って、主張部分を拾うように読み進める。1行目から一字一句読んではいけない。ただし、目次の見出しで面白そうなところは別途、娯楽として読むことは別段構わない。
こんな読み方のこの本への当てはめとしては、目次の後、第1章の前にあるintroductionの記載が大事だ。特に28ページ。それを受けて、実際には1章から7章までは既存のコンサルの概念の否定に費やされているのがわかる。したがって、結果的にIntroductionのほか、本文は第8章しか読んでいない。
p21.私が自分のやっている仕事をありのままに話せないのは、「貴社の関係者の連携を強化するお手伝いをします」なんて言っても、誰もコンサルティングの仕事を頼んでくれないからだ。
p23.私が本書によって訴えたいのは、これ以上、職場から人間性を奪うのはやめるべきだということ。そして人材のマネジメントさえできれば、あとはすべてうまくいったも同然ということだ。
p28.本書の要点は従来のビジネスの常識の誤りを暴くことであり、まちがっtめお与するものではない。私の提案は、役に立たない経営理論に頼るのはもうやめて、代わりにどうするかということだ。ともかく大事なのは、モデルや理論などは捨て置いて、みんなで腹を割って話し合うことに尽きる。
p280.多くの企業はコンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えてもらおうとする。企業が戦略の策定や、リストラや、合併の実現可能性の検討などをいつもコンサルタント任せにしてしまうと、あなたの会社のことを何もわかっていない人間が、あなたの会社のビジネスについて最も重要な意思決定を行っていることになる。
p299.クライアントが最もやってはいけないことは、コンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えさせることだ。コンサルタントは分析や提言を行い、さまざまな分野の知識を提供し、状況に対する新しい見方を示すことはできるが、企業の成功や失敗のカギを握るのは経営陣であるべきで、外部のアドバイザー任せにすべるべきではない。もうひとつ、双方にとってマイナスな状況で私がとても嫌なのは、クライアントが自社の従業員からの忠言を信用しないケースだ。
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私が経営学で学んだ数々の専門的用語、それを実践したコンサルタントたちが、実際のビジネスの現場でどのような効果や功罪がもたらしたのか、とても興味深く拝読した。
ここに語られた様々な事例から、目まぐるしく変わるビジネスの現場において、自身で考える力や人間性を大事にすべきだと再認識した。
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定量目標ばかりを重視するコンサルタントの手法に否を唱え、信頼や成長など計測できない内容を重視するよう唱える本。趣旨には大いに賛同できるが、章から章へのつながりが弱く、全体の主張をうまくサポートできるものになっていないのが残念。著者の過去のコンサルティング経験から、実際には企業が真に成長できなかった→コンサルティングでは定量数字にばかり注目し、いくらでも本質でない抜け道をつくった→定量ではだめだ。という論法はやや強引。定量一辺倒の世の流れに警鐘を鳴らすため、なぜ定量だけではだめなのかをもっと深堀りしてほしかった。
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コンサルタントが書いた、コンサルタントの正しい使い方の本
”指標値は車のダッシュボードと同じ。ダッシュボードだけ見て道路を見なければ事故を起こす”のです。
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コンサルって、クライアント(経営者)の逃げ場ですよね。つまりは、依頼する時点でアレな状況なのかと。
内容はともかく、コンサルから出てきたことに意義があります。ただ、インセンティブや監視の目が無いと働かないのも現実にはいます。
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コンサルタントの端くれとして、肝に銘じておかなかればならないことが書かれている。
本当にこの通りだと思う。
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・ビジネスの問題は、仕組みとかではなくて、状況に対して反応する人間が引き起こしている。
・「この在庫管理システムを導入すれば問題は解決します」と断言しながら、肝心なのは部門間の信頼構築だったとか。
・ともかく大事なのは、モデルや理論を捨てて腹を割って話し合うこと。
・手本とされている企業の半数は凋落している。
・数値目標にこだわるから業績が落ちる。
・業績評価も指標で行うな。
・リーダーシップ論、マネジメント本も、人として当たり前のことを言っているだけ。まじめによむだけばからしい。相手をきにかけていることを態度や行動で示し、よく意思疎通を図ること。
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著者のコンサルティングの経歴を「反省」する内容で、自分もコンサルティングのようなことをすることがあるので、身につまされる内容です。
ただ読む分にはすごくおもしろい。少し専門用語も出てきますが、読みやすさという意味では、それほど問題ではないと思います。
コンサルタントもコンサルティングを受ける人も、得るものは大きい一冊ではないでしょうか。
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結局、未だ科学的に説明できない人間のネイチャーであるのに、その集団たる企業にはサイエンスを持ち込む、と言う手法に抑も無理がある。経験値として、結構前からコンサルを信用してないし、社内で稟議を通すための外部賛同者として以上の価値を感じたこともない、と言うのが正直なところ。
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コンサルタント出身の筆者が語るコンサル業界懺悔の弁。良く見ると、著者自らの懺悔というより、理論やメソッドを無批判に受け入れ、クライアントに押し付けてきた同僚・上司に向けた批判の書であることが分かる。
そもそも、経営学における理論とは何だろうか。マイケル・ポーターは差別化戦略、バリューチェーンなど、便利な言葉をいくつか発明した。それらの便利な言葉を使えば、経営者の頭脳に収まっていた「戦略」を取り出して言葉で議論することができる。成功した企業の「戦略」を経営理論の本にすることもできる。しかし、言葉は道具であって解決策を導く魔法の杖ではない。MBAで学んだコンサルタントは言葉を身にまとってはいるが、自らはジャック・ウェルチでもなければ、松下幸之助でもない。ごく一部の企業の成功例のきれいな部分を取り出しただけでは足りない何かが、そこにはある。
その「何か」は本来語りづらいものだが、筆者はそれを実態をよく知ること、コンサルタントに頼らず自ら考えること、意思疎通を良くすることだと言う。筆者風にいえば、「データよりふせんのほうが方が役に立つ」という訳だ。
KPIや業績評価システムで組織や人材を100%評価できる訳ではない。私の会社にもそういったものはあるが、それだけでは評価しない「遊び」のような部分が必ずある。戦略の本も人材開発プログラムもベストプラクティスも、何か考える時の一助にはなるが、自分が振り回すものであって、他人に振り回されるものではない。
つまるところ、自ら考え、観察し、議論し、実践していくことが大事。そのようなサラリーマンとして当然の経験智は正しいということと、何かの理論を振りかざして煙に巻くコンサルタントには注意すべしということ。そのことを確認して、自分としても色んなことが腑に落ちた。
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読んでいると経営コンサルタントによるコンサルタント批判に見えてくるけれど実際は現状のコンサルタントの問題点の指摘とコンサルタントとの上手な付き合い方の本である
そもそも何故サブタイトル(コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする)にあるような刺激的なタイトルに向かうのかというとコンサルタントの得意なこと(論理的な分析、理論の構築)と欠けていること(実社会での経験)を理解していない経験者が必要以上にコンサルタントに依存している
著者の主張は『役に立たない経営理論に頼るのはやめて対話や人間関係の改善がビジネスに利益をもたらす』ということ
とはいえ『コンサルタントを雇わなければよかった』と『コンサルタントを雇ってよかった』はどちらにも普通にあることなので
使い方が大事であるしコンサルタントを雇う利点はもちろんある
この本は経営コンサルタントとして約30年のキャリアを持つ著者が『経験則』から導いたひとつの答えである
著者の法則が科学的に正しいと証明されたわけではないし人間が人間を扱う経営に正解はないのだから著者の法則を証明することも難しい
ただ文中にある『人間性に逆らって働くよりも、人間らしく働いたほうがずっとラクだ。さらに重要なのは、社員が人間らしく働ける社会のほうが、社員の人間性を奪うような会社よりも、成功する確率が高い。』(P.279)
これは核心をついているしブラック企業とは会社経営としては正しいが社員の幸福感としてはどうかという問題に繋がっている