投稿元:
レビューを見る
コンサルティング業界の実態が正直に語られ、痛快である。様々な手法、ツールの実効性を暴くのは、著者当人の実例によるので説得力がある。
結局、企業の抱える問題の大半は人間関係にあり、解決方法は対話にある。反省も含めての本書の提言である。
投稿元:
レビューを見る
自分もコンサル業だが、コンサルはなくなるべきものだと思っている。経営戦略も計画も企画も本来は内省すべきものと思っているが、実際はそうではない。
コンサルはあるモデルを活用し、アウトプットをするわけで、著者は、すべてが同じケースであることなどないからモデルは必ずしも当てはまらないという点を指摘する。
モデルはあくまでも現実や経験を記述するツールであって、モデルを使わなければならないということもないし、モデルが必ずしも正しいとは限らない。まさに手段が目的化してしまっているのだろう。
コンサルがうまく機能するためには、発注者がマネジメントしなければならないし、理想的には知識レベルが最低限でも同じでないといけない。でもなかなかそれは難しい。
コンサルは医者に近しい職能であると思う。効率化をして業績を上げ、収益率を高めるのか、真にクライアントのためにコンサルティングするのか。コンサルタントの心意気次第な気がする。
投稿元:
レビューを見る
非常に面白い。
コンサルタントが様々のツールを駆使して問題点を洗い出し、解決策を提示しているが、その後結局意図した実行ができず、事業の売却や、合併、倒産となるケースなどを、自分が実際にコンサルとして例を交えて説明している。
筆者が言うのは、目的を達成するための手段としてツールや方法論がある。しかしツールや方法論を使用することがが目的となっているMBAホルダーなどツール万能信仰者(コンサル)が存在し、フィールドワークなども実施せずに課題解決を提示するのが問題だと言っている。
その理由として、そもそも未来を予想するのは無理。業務の問題点は実際に現場で働く人は認識していることがほとんどで、業務フローにかかわる他部門の人たちを集めてブレストをすることで良い方向に進むことが多いと言っている。
結局、元をただせば人間のミスに行きつく事が殆どで、人間が原因を探す方が難しいくらいなのに、万能ではない様々なツールを使って、人以外の原因を見つけ解決に導こうとしても根本解決にはならないし、また目標が数値化された項目は達成するが、それ以外の部分が犠牲になりトータルで見て悪い方向的に行く事が多い。(売上金額を目標にすると、利益を削って目標達成を目指してしまう)
投稿元:
レビューを見る
ハードスキルだけで全てがうまくいくわけがない。
ハードスキル(=アカウンティング/フレームワーク等の知識)だけで仕事がうまくいくわけがない、というもっともなことを現役のコンサルタントが語る。
やはり人と人のコミュニケーションが肝要
投稿元:
レビューを見る
手段論が目的化する。
組織で本当によく目にする事象だ。
その仕掛け人である、コンサルティングの方がばらしてしまった。
経営トップがおまじないのように投下する本質を捉えていないプロセス。
そして我々の作業レベルまで下りてくるまでに更に劣化し目的化した手段論。
目的をいとも簡単に追いやる聞こえのいいカタカナ言葉。
いかに目の前の仕事を受け身で行っているか。
何故、自分が使う道具の理解をサボってしまうのか?
事業の目的を捨て置き、会社理念を軽視し組織の椅子取りスコープに終始するためには、とても聞こえのいいコンサル用語、高学歴、情報処理能力の高い、大企業の方々、分かっているけど、やめられない。
そんなしがらみぶっとばして独立しましょー
企業の管理職クラスは必読しましょう!
こういった本がもっともっと広まるべきである。
でも、この本のようなリーダーを実践するには、本質思考ができない人には、無茶苦茶ハードル高いであろう。
何故、対話がいるのか?己の思想、己の思考基準軸。そして他者の基準軸。そのあたりを前提条件にして目的達成を軸にする。なにがあろうと目的達成を基準軸にする。己の考えを他者に押し付けているうちは目的は達成に近づかない。それを他責する。そして、自責にする。なにより目的は達成されず、課題解決しない。
あげくメンタルを病む。
そんな生産性が低いプロセスを繰り返しても、まだまだ安泰な大企業の事業の巨大さ、財務体質。
がゆえに、椅子取りゲームに終始し、聞こえのいいコンサル用語を本質を捉えないまま乱用する。
疲弊する従業員、パートナー企業。
このサイクルからの逸脱は人間組織において不可能なことなのであろうか。
唯一の解消策は血を伴う革命。他国からの侵略。もしくはリセットを起こす自然災害といったところであろうか。
投稿元:
レビューを見る
なかなか刺激的なタイトルだが、単なる釣りではなく、本当に面白い。良著だった。
世の中のコンサルタント達が企業に提案する経営理論やベストプラクティスは必ずしも(というより多くの場合は)正解ではない。
それを顧客に対していかに良いものであると、データに基づいたプレゼンをして、納得させて、売りつけるかが「コンサル」の仕事だ。
経営コンサルだけでなく、流行り(?)のいわゆる「課題解決型営業」というものを自称する企業の人間ならチクっと感じるものがあるのではないだろうか。
今の時代、コンサルタントを雇わず、社内の人的資源だけで経営を完結するのは難しいし、効率的ではないかも知れないが、一番大事な「考えること」、「意思決定をすること」をアウトソーシングしてはいけない。
—
MEMO:
26
ひとつの流行が広く普及すれば、その問題点も広範囲に表れることになり、今度はその反省点を踏まえて次の流行がつくられる。外的要因に対応する「競争戦略」のあとには、内的能力にもとづく「コア・コンピタンス戦略」が登場。(中略)こうした現象を食いとめるには、経営コンサルタントがいっときしか流行らない経営手法を次々に開発して売り込むのを、やめさせるしかない。
59
「戦闘準備において、作戦そのものは役に立たないことをつねに思い知らされたが、作戦を立てる行為こそが重要だ。」アイゼンハワー
69
その企業の経営陣は忙しさにかまけ、工場に足を運んで作業員の話を聞く人など誰もいなかったのだ。※現場の声を集めること
101
どんなツールや方法論を用いるかは、たいした問題ではない。人間こそ問題の原因であり、解決の手立てなのだ。
132、133
『測定可能な目標が弊害を起こす』評価基準は管理職層が参考にすべきものであり、管理の方法になってはならない。評価指標そのものが目的になってしまう。
157
業績考課プロセスなど、まったくもって公平でも客観的でもない。それもそのはず、評価や判断というのは主観的なものだからだ。
167
システム上で管理などしなくても、マネージャーも部下も会社の目標の達成に向けて努力するはずだと信頼できないのだとすれば、目標の落とし込み以前に、その会社は大きな問題を抱えていることになる。
197
やはりよいリーダーには、自分自身のことをよく理解し、他人に共感し、柔軟性を示すことが求められる。――生きていくためのスキルだ。
219
「ラベリング効果」は証明されている認知バイアスのひとつだ。
278
個々人のことを考えれば、人間は必ずしも理性に従って行動するわけではないとわかっているのに、人間を集団としてとらえると、なぜか理性的に行動するものと考えてしまう(中略)ビシネスの世界には、ベストプラクティスに従えば成功でいるという考え方が浸みこんでおり、その前提を疑う人はほとんどいない。
280
いつもコンサルタント任せにしてしまうと、あなたの会社のことを何もわかっていない人間が、あなたの会社のビジネスについて最も重要な意思決定を行っていることになる。
299
できるだけ無駄はカットし、業務委託も多いこの時代に、コンサルタントを雇わずに済ませるのは不可能に近い。(中略)クライアントが最もやってはいけないことは、コンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えさせることだ。
311
私たちはじっくり考えもせずに早い段階で選択肢を絞り込み、最初によいと思った解決法に飛びついてしまう傾向がある。
投稿元:
レビューを見る
「未来は予測できない」
「人間の能力は数値化できない」
「人間は無理な目標を強制されるとごまかしをする」
...常識でわかる・想像できる「現実」が、コンサルや経営層にとっては見えないらしい(それとも知っていて見えないふりをしているのか)。
バランスドスコアカードやKPI、成果主義、数値目標等、おなじみの管理方式とその悲惨な結果がこれでもかと語られる。
キリスト教、共産主義、金融工学...「頭」で考えたモデルを現実世界に強引に適用し、破壊的な結果を招くのは欧米人の十八番らしい(それを無批判に受け入れる日本人も情けないが)。
モデルの欠陥はただ一つ。「人間」を物理法則に従って動く「モノ」と同じに見ている点である。
経営層が社員を「人間」として考えたとき、コンサルが提案するモデルに社員を合わせるのではなく、社員に合うようなしくみを考える方が賢明な解決策であることに気がつくだろう。
「問題を起こすのは人間だが、問題を解決できるのも人間」
...なんとシンプルな解決策だろうか。
投稿元:
レビューを見る
「著者は自らが経営コンサルタントとしてクライアントに勧めてきたさまざまなメソッドについて、その経緯と理論を振り返りながら、コンサルティングを受けた企業の顛末を詳細に語る」とある通り、本当に暴露本に近い本。非常に面白かった。結局、業績を挙げるには、チームが結束して同じ方向にむいて必死に努力することに尽きる。
投稿元:
レビューを見る
コンサルタントが持ち込む理論やツールは新手のダイエット法と似たようなもので直ぐにリバウンドするとして、「戦略計画」、「最適化プロセス」、「数値目標」、「業績管理システム」、「マネジメントモデル」などを槍玉に挙げ糾弾、自身が進めてきた組織内の地道な対話を進めることが重要と説く。ただし、外部から客観的な意見を聞くという意味でのコンサルタントは否定していない。
『大事なのは、お金を頂く価値のあるものを作り出すことではないのか?それはただお金儲けが目的のビジネスとはわかけちがう。』とある。先週の木曜日、金曜日と業界の先輩と飲む機会があり、偶然にも如何にITで顧客の価値を創造するかとの話になった。ビジネスは須らく目的と手段を取り違えず誠実にが基本です。
投稿元:
レビューを見る
業界人としては非常に面白かった。著者の偏りすぎな意見もよし。読み物として面白い。ビジネス関連書で初めて笑いながら読んだ。ただ、万人受けするかは疑問。
投稿元:
レビューを見る
チェック項目7箇所。人材はビジネスの一部分ではない、人材なくしてビジネスは成り立たないからだ、オフィスや設備だけでは、どうしようもない、ビジネスとはすなわち「人」なのだ――非理性的で感情的で気まぐれで、クリエイティブで、面白い才能や独創的な才能を持っている人間たちのことだ、そんな人間が理屈どおり動くはずがない。問題は、人びとが戦略計画イコール解決策だと信じてきたことである、だが、計画自体にはほとんど価値はない、名高い将軍たちが示したとおり、計画を立てる過程こそ価値があるのだ。戦略開発の価値は完成した紙の報告書にあるわけではない、そんなものは捨ててしまっても構わない、自分たちで学び発見するプロセスにこそ価値がある。数多くの生産機械で起きる問題さえ、機械オペレーターの操作ミスやメンテナンス不良など、たいていは人間のミスが原因である、人間が作った環境では、人間が原因を作っていない問題を探すほうが難しいくらいだ。評価基準は洞察を得たり知識を高めたりするのには役立つが、目標になってはならない、さもないとそれ自体がマネジメントのシステムになってしまう、評価基準には優れた決断はできない、優れた決断ができるのは人間だけだ。優れたマネジメントスキルとは、よい関係を築くためのスキルだ、ひと言、それに尽きる、あれこれ考え過ぎることはない、テクニックや理屈の問題ではないのだ。「僕のビジネスモデルはビートルズだ。4人の男がお互いの悪い部分をうまく抑え合っている。それでバランスが取れて、ただ4人の能力を集めたよりもはるかに大きな相乗効果が生まれた。僕はビジネスも同じだと思っている。ビジネスでも偉大なことは決してひとりでは成し遂げられない。チームで成し遂げるんだ」。
投稿元:
レビューを見る
某社のコンサルに怒る私を慮って後輩が貸してくれた本です。
要は理論やツールに振り回されて、もしくはそういうコンサルタントに振り回されるとろくなことがないですよ、という話。
著者が経験してきたコンサルティング事例がいろいろな分野で紹介されているが、言いたいこととしては初めの数章で十分。
とはいえ上述の要点には激しく同意で、ほんと頼むわ…というのは心の叫びです。
投稿元:
レビューを見る
要するに、コンサルタントが駆使するフレームワークやらなんやらに頼ってはいけないということ。
人材育成の箇所は、少々、冗長な気がした。
マネジメントは、要は部下と良好な関係を築くこと、部下に関心を持つことが大事、ということ。
投稿元:
レビューを見る
コンサルタント懺悔録、あれもこれもごめんなさい、コンサルタントが原因の失敗エピソードがあれこれ…ではない。
コンサルティングの何が問題なのか、コンサルティングとはどう付き合っていくべきなのか、コンサルタントは何ができず、何をさせて、何を自分たちでやるべきなのか。実際にコンサルタントとしても働き、ユーザー側としても働いた著者による「(私が思う)正しいコンサルタントとの付き合い方」。
結局のところコンサルティングはあくまでもツールであって、全てを解決してくれる魔法の道具はない、という話。
投稿元:
レビューを見る
カレン・フェラン著「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」読了。気鋭のコンサルタントがフレームワーク万能論の反省を次々と吐露していく。大金を払ってコンサルを入れ、提案された大量の資料をもらうだけで終わってしまうのはどこかで見た景色。結局大事なのはツールや理論じゃなく、それを実行する「現場」であり「人」であり「心」なのだ。良書。