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元コンサルタントの懺悔。コンサルタントは、(本気で思っているか商売上そういう振りをしているかは別として)形式化されたリーダーシップや人材マネジメントといった方法論やツール、プロセスを適用することで常に効果を発揮すると考える。一方、クライアントはコンサルタントが解決策を示してくれると考える。結果、現場のことを分かっていない人間があれこれやって前の状態よりも悪くなる。本来方法論などは、そこで働く人々がより良く連携できるようにするためにあるはずのものが、いつのまにか方法論そのものが重要視されて人が置き去りにされる。
いろいろと思い当たるフシがあって腹立たしくなったり、この先も、現場を見ずに方法論を押し付けてくる人が出てくることは普通にあるだろうと残念な気持ちになったりしたけれど、この本で指摘されていた「業務をまわしているのは人。コミュニケーションをもっと取りましょう」と「コンサルタント(他人)に頼り過ぎず自分で考えましょう」という当たり前なことが大事なんだと思った。
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・方法論やツールはあくまでもツール。考えることが重要
・課題/問題解決には対話が重要
・組織は人間で成り立っている。優れたマネジメントスキルとは、結局は(部下などと)よい関係を気づくためのスキル
・クライアントとして最もダメなのは、コンサルに丸投げすること
面白かった。また再読しようと思う。
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経営コンサルタント自ら、コンサル業界が犯してきた過ちをとうとうと語る本。長いが内容は真っ当。図書館で借りた。
以下メモ。
⚫︎ビジネスの問題はことごとく、状況に反応する人間が引き起こしている
⚫︎コンサルは芝居で商売している
⚫︎この数十年、企業のリーダーたちは、どうしたら我が社はビジネスを通して人々の暮らしをもっとよくするために貢献できるか、という重大な課題に取り組もうとせず、あまり意味のない問題ばかりとらわれてきた。どうしたら競争優位性を確保出来るか、株主価値を最大化出来るか、利益を増やせるか、人材活用の効率を最適化出来るか。
⚫︎ジェミニやファイザーはコアコンピタンスの観点から独自の能力を活かした事業展開を行った結果、大失敗した。ポーターの観点からすれば、差別化戦略だった。ジャックウェルチとBCGの理念が組み合わせた戦略だった
⚫︎戦略策定の典型的なプロセス。将来を予測。予測に基づき大胆なストレッチ目標を設定。周囲の人々を説得。その目的には特に関係のない単なる月給取りである一般の従業員らも同じ目標に向かって努力するように。目標達成に向けて邁進する。成功を祝う。
⚫︎アイゼンハワー。戦闘準備において作戦そのものは役にたたないことをつねに思い知らされたが、作戦を立てる行為こそが重要だ。
⚫︎業界の動向や経済シナリオ、競合企業の強みと弱み、規制の変更、消費者の声などをしっかりと把握することにより、洞察と知恵を持って一企業としての意思決定を行うことができる。そのことをわきまえていれば企業はさまざまな状況変化に応じて柔軟に対応し、大きなチャンスに気づくようになる。計画を立てることは考え方を広げてくれる
⚫︎複数の業務課題を抱えているケースが多く、改革手法はどれも完璧には合わず、臨機応変に調整が必要。あくまでガイドラインとして、あるいは各自の判断で用いるべきツール
⚫︎ふせんを貼り付けるブラウンペーパーメソッドは、厳しい意見であっても感情的にならずに伝えることができる。問題があるのは人ではなく、業務プロセスであって、人ではないのだ。ガス抜きと全体について話し合うことが必要。
⚫︎営業は商品の在庫切れは困るが、在庫管理の担当者は出来る限り在庫を減らそうとする。マーケティングは新商品の発売を急ぐが、法務は商品の品質検査を徹底させるべきだと主張する。本社が社内のプロジェクトの数を減らそうとする一方で地方の支店は改善プログラムの一環で新しいプロジェクトをどんどんたちあげるなと。部門間の対立が発生する。
⚫︎新商品開発チームのメンバーは完璧な商品コンセプトができるまで他部門の人にはあまり話そうとしない。その結果。何ヶ月もかけてコンセプトを完成させた挙句、実は法律や規制上の問題、あるいは製造面の問題で残念ながら商品化は不可能だと判明する。開発に費やした時間は全て無駄になってしまう。コンセプトが未完成のうちに関係者全員に見てもらえればダメな案は早い段階でボツになるのに、バカだと思われたくない気持ちが邪魔をする
⚫︎各部門ごとの目標は相反していることが多い。全体から見れば、予定通���納品できた注文数の数と、受注から納品までのリードタイム、顧客満足度の三つの評価基準でよい。お互いが各部門の成績を上げようと、わざと、何かをすることで造反して行く。危機に直面しないと協力し合うことができない。
⚫︎部下の中に完璧主義の社員がいた。細部にこだわる仕事ぶりを褒められていたのに、上司が変わるといきなり指導を受けるようになった。一方でもう少し大雑把なタイプの同僚は評価が高くなった。だが実際にはどちらの社員の業績は変わってはいない。以前と異なる基準で評価されるようになっただけのこと。業績考課プロセスなど全くもって公平でも客観的でもない。
⚫︎優秀な社員ほど、平均だなどと言われて喜ぶはずがない。さらに困るのは平均以上の評価をもらっても、最優秀の社員には納得がいかない。そして社員の熱意を挫く。
⚫︎コーチングとフィードバックだけでは育たない。
⚫︎伝わるように伝えること。このあいだ渡した指示書だけど、ちょっと分かり難かったかな、と思って。まず何からやろうと思ってる?
⚫︎リーダーシップ開発研修のせいで、出世コースから外れてしまった人の例。上司がその間に異動してしまう。
⚫︎リーダーは自分の有能さを証明することには興味はなく、自分自身を表現することに果てしない興味を覚えるのだ。動かされるのと率いることの違い。
⚫︎コンサル専門用語をなくす。将来のビジョンを描く→将来を予測し、その予測を現実にする。どうも無理がある気がするしそんなことが必要なのか。
⚫︎インセンティブ報酬→カネを使って人心を操る
⚫︎業績が低迷→能力がない。その人はトレーニングを受けるか、異動しかない。アクションプランをどうするといった問題ではない
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著者自身がコンサルタントとして関わった事例を基に、戦略コンサルタントの功罪と、その上でコンサルタントとどのように向き合っていくのかを書いた本。
これ以上職場から人間性を奪うのはやめるべき、という著者の主張に、賛成。
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コンサルティングの成果物(資料)でなく、課題に向けての調査や検討を続ける過程が、経営陣や会社にとっての力になる。
部門において数値目標に拘りすぎると、他部門にマイナスな影響を及ぼし、連携が損なわれる。
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コンサルタント経験豊富な著者が、コンサル業界が勧める「改革手法」や「ビジネスモデル」のほとんどは企業の業績向上に役に立たないどころか、むしろ有害ですらあることを告発している。かつて行政におけるマネジメント手法として、政策評価や人事評価に可能性を感じていたが、だんだん失望を感じるようになっていた評者にとっても、問題意識がかなり一致するところがあり、とても興味深く読むことができた。
本書の要点は、ビジネスの成否を左右するのは「人」であるのに、コンサルが推進する「バランススコアカード」「業績給」「コア・コンピタンス開発」等の様々なモデルや理論は、いずれも職場から人間性を奪うものであり、それゆえ必ずしも効果を発揮しないし、往々にして業績を悪化させてしまっているというものだ。そして、著者は、これ以上職場から人間性を奪うのはやめて、マネジメントモデルなどに頼らない「人材のマネジメント」(話し合いなど)にもっと注力するべきだと主張する。
本書を読んで感じたのは、紹介されている多くのケースで、「手段」が「目的」化してしまうという「目的の転移」が起きていて、それが問題の根本になっているということだ。戦略計画や業務最適化の報告書を作ること自体に価値があるのではなく、それらを作るプロセスで考え、学び、創造することに意味があるのだという著者の意見に同感である。人事評価にかかる書類作成に上司も部下も追われて、上司と部下のコミュニケーションが疎外されているというのも本末転倒そのものである。そもそも何が目的なのかをしっかり見極めたうえで、理論や手法の限界を理解して、うまくそれらのツールを使っていくことが必要であろう。
また、「数値目標」や「業績管理システム」が、目標達成のために「適応」しようとする行動を招いたり、職員の士気を下げたりしているという事例によく表れているように、「メソッドやベストプラクティスやビジネスソリューションを実行するまえに、それを実行したらどのような影響が出るかについて、あらかじめよく考えること」が必要だと思う。
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そんなに驚きはなし。結局、ツールはフックになるかもだけど、最後はコミュニケーションがものをいう。そして、コンサルタントを生かすも殺すも使う側次第っていうことに尽きるかと。
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同業界に身を置くものとして気になり、発売当初に読んだ一冊。
コンサルに対する賛否はあると思うが、この本で共感できたのは次の一節。
「ソリューションやメソッドや理論は「真理」ではなく、物事の仕組みに対する一つの考え方にすぎないことを、ちゃんと理解しているかどうかが重要だ。洞察を探るために他人の考えから学ぶのはいいが、なかには間違った考え方もあるかもしれないことは、しっかりと認識しておく必要がある。」
要はコンサルが何を言おうが最終的に判断するのは事業会社自身なのだ。その責を外部に求めるのは間違っていると思う。
上記は当然コンサル自身にも当てはまる。
新しい発見は、よくコンサルの起源として紹介される科学的管理手法の父、テイラーの事。
そのテイラーには実はいい加減なところがあり、こんにちではテイラー主義といえば軽蔑的なニュアンスが強くなっているらしい。
テイラーのすべてが否定されているわけではないようだが、他の書籍だとテイラーが割と持ち上げられて記載されていることが多いので新鮮だった。
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おもしろかった。
コンサルティングとしての経験もあり、
実際の企業でも、仕事をしているので、
『コンサルティングとはなにか?』
『企業は どのようにコンサルティングを受け入れるのか?』
という 内幕が あきらかにする 暴露本。
あまり、あからさまではないのが 仕方が無いが
コンサルティングの手法が 明らかにされているので、
なるほど そうやってコンサルティングは もうけるのか
と納得させる。
業務改善に システムを入れる というのが コンサルの手法だが
結局は 人間関係の問題が多い というのは 正しいと思う。
業務が うまく動いていないのは 多くは 人間関係だ。
目標による管理は 数値化することで
様々な問題が起こり 結局は 業績が上がらないといている。
インセンティブの報酬についても 矢張り同じだ。
つまり、野球選手とは 大きな違いかもしれない。
マネージメント
リーダーシップ
についても、どこから始まったのかが くわしく述べられていて
なるほどと思う。
そのなかでの ジョブス論が おもしろかった。
サイコパスが リーダーになる確立が多いが
ジョブスの理想としていたのが ビートルズとしていたというのが、
卓越した見抜き方だ。
子供を育てるという視点もあり
2歳の息子に 『私がボスだから従いなさい』とはいえないという
言い方には 微笑ましくも いい感じだ。
フランク君問題は なるほど。と思った。
このやり方は 中国人にも使える。
まあ。フランク君ほど優秀ではないが。
何事も、客観的に見るということ
自分のアタマで考えなくちゃ意味がないね。
という 警鐘を鳴らす上では 好著である。
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タイトルでインパクトがあり、若干ふざけているのか?と思わせるけど、正直中身は「ぐぅ」の音もだせない代物。
ちなみに自分はコンサルタントです。
この本で言うとおりコンサルタントは「ツール信者」が多い。ただ、衝撃的ことを言うと私がコンサルに入って約X年。これらのツールが役立ったことは正直1度もない(使い方が悪いという意見もあるのかもしれないが)。ただ資料に華を添えるだけの代物だと私は思っている。(本の感想から脱線した・・・いずれにせよ、コンサルはツールが好きなんですよね・・・。そしてそれを商品として本気で売れると信じていることに恐怖を覚えています)
じゃ、コンサルを雇う価値とは何か?
最後P301のコンサルが役に立つとき、役に立たないときを読んでみると面白いです。あとその次のP303の危険なコンサルの見抜き方も。
コンサルの中にいてツール信者になりかけたら、ふと読み直すのがいいかもしれない。
結局仕事をするのは「人」であり、「コミュニケーション」が何よりの効果的なものなのだと今一度理解した上で明日からまた仕事を頑張ろうと思う。
最後にこの本のものすごく素晴らしいところ。
「翻訳」です。
コンサルの難しい用語や理解しにくい用語。これをより理解し、また大変勉強された上でないと、この本は一般向けに読むことができなかったと思います。
この本は見事一般の方にもコンサルの状況を分かりやすいように翻訳しています。
正直翻訳だけでも素晴らしい一品だと思っています。
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非常に面白かった。コンサルタントのどこが間違っているのか、コンサルタントはどのように活かされるべきか等が書かれてる。人事部やマネジメントは絶対に読むべき。
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著者のカレン・フェラン氏は、デロイト・ハスキンズ&セルズ、ジェミニ・コンサルティングなど大手コンサルティング会社で経営コンサルタントとしてキャリアを積んだ方ですから、その内容のリアリティには、大いに期待して読んでみました。
なかなか刺激的なタイトルですが、本書は決してコンサルティング業界の裏側をスキャンダラスに描いたものではありません。コンサルティング会社の実態を理解したうえで、有益なコンサルティング会社との付き合い方をアドバイスしてくれているです。
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まあ、そうだろうな、と思う。自分で考えることをやめて、他人に考えることを任せた瞬間に、企業の崩壊は始まる。
本の中では、経験がない分野や、専門性が高い分野についてコンサルタントを活用することは決して悪いことではないと述べているが、一方で当たり前のことを当たり前にやることを、経営層、マネージャー、社員が放棄してしまうように仕向ける(頭が良いコンサルタントに任せよう!)ことが経営の失敗につながる。その通りだろう。
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「経営陣は、自分たちで経営方針を考えず、また、決断せずに、コンサルのツールや手法に乗っかるのをゴールとしているし、コンサルもそれをよしとしている。大切なのは考えるプロセスであり人である」という本だ。コンサルであった著者の体験を通じた事例を元に書かれており、大変おもしろく読めた。
それはともかく、組織を効率化するためには、ルールも必要だし、仕組も必要だ。しかし、それはあくまで手段であり、ルールや仕組を厳密に守ることを目的としてはいけない。
この本では、「戦略計画」「最適化プロセス」「数値目標」「業績管理システム」「マネジメントモデル」「人材開発プログラム」「リーダーシップ開発」など、いかにも ≪思考停止≫ しそうなキーワードを挙げて、これら引っさげてやってくるコンサルの言うことに盲目的に従うことに警鐘を鳴らす。
http://d.zeromemory.info/2015/01/07/with-work-think.html
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コンサルタントは、盲目的にメソッドや方法論を使ってクライアントを置いてけぼりにしてはいけない。向き合うべきは、クライアントの業務であり、クライアントという人間である。
・コンサルタントが作った戦略、立派なプレゼン資料には意味がない。クライアントが自ら立てた戦略、およびそのプロセスに意味がある。
・システム導入PJで新規導入されたシステムが、人から考えることやコミュニケーションを奪うようなことがあってはならない。思考を広げ深めること、コミュニケーションを促進するものでなければいけないし、ユーザーは考える事をやめてはいけない。
・仕事やマネジメントで成功することは、良い人間として人生で成功することと同じである。それは良い人間関係を築くこと意外にない。そのためには「任務をやり遂げ、部下を管理し、チームのスキルを向上させること」である。
・リーダーは一定の特性を兼ね備えた人を指すのではない。自分の弱点を補うことのできる人を配置し、チームを構成し、そのチームをリードする人である。