紙の本
看板に偽りあり
2012/06/09 21:50
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のタイトルは『密闘』であり、副題は「渋谷署強行犯係」とある。一方で、過去に読んだ今野の作品の中には樋口警部シリーズの『リオ』であり、「警視庁強行犯係・樋口顕」というものもあった。警察小説であると考えるのが普通である。
ところが、読み進めるうちにそうではないことが明らかになってきた。渋谷署の刑事は登場はするものの辰己という刑事が出てくるだけで、刑事らしい仕事は行う様子がないのだ。代わりに主人公として登場するのが整体師である竜門である。如何にも小説に出てくる主人公にピッタリの名前である。
整体師であり、自分で医院を経営して施術で商売をしているわけである。ところが、この整体師の正体は武術家であった。ここからが長い。何が長いかと言えば中国武術に関する解説が至るところに出てくるのである。武術に興味があれば、興味津々で楽しめるのだろうが、一般にはそんなことはどうでもよいのでストーリーを展開して欲しくなる。
ストーリーには大して中身がない。中身がない分、武術の知識を散りばめることによって埋めていくようだ。松本清張が調査した祭礼の故事来歴などを延々と書き連ねていたのと大差はない。カンフーや空手のファンなら喜ぶのであろうが、退屈してしまったと同時に裏切られてしまった感があった。
どなたかがレビューに書いていたのを思い出したが、今野敏の小説は玉石混淆なので注意するようにとあった。なるほど、多作家で一つ一つの質を維持するのは難しいということであろうか。唯一興味深かったのは、当時話題になった渋谷の少年グループがさもあらんという想像がついたということか。
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2011/5/7 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2012/7/23~7/24
渋谷署強行犯係シリーズの第三弾ではあるが、オリジナルでは第一作。「拳鬼伝」が原題。後書きで今野氏も書いているが、確かにこのタイトルではしんどいと思うけど、どう考えてもこのシリーズの主役は竜門なので、警察小説で評価をあげたとは言え、この改題は如何なものか。批判めいたことを書いたが、作品の出来はシリーズ出色。
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古い。笑
きっと、発刊当初はエッジの利いたものだったのだろうが。
センター街のチーマーの話。
携帯電話が高校生ではとても扱える代物でなく、極道からの飛ばしものとか。ジャンパー、バンダナ、アポロキャップ...当時の渋カジとか言われてたファッションなのかな?
誇りくさい。笑
ただ、武術好きには面白いと思う。
格闘技というよりも、武術ね。
内容はとても薄い。スリルもない。
古臭い一冊でした。
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全体としては面白かったです。
ただ、途中の説明めいたところや、竜門の心象解説みたいな箇所が冗長に感じられ、あまりテンポはよくないです。
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渋谷署強行班係の辰巳刑事と相棒の整体師・竜門のシリーズ。
(あとがきによれば、1991年出版「拳鬼伝」を改題したそうです。
全然売れなくて絶版になったのですが、2作目3作目が売れこの1作目は?と問い合わせが相次ぎ、1作目であるこれを改題して出版したそうであります。)
警察っていうよりも、武闘がメインかな。
今回はあなたたちのプロフィールがわかった!って感じ。
情報が揃ったところで、2作目3作目を読んでみたいと思います。
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渋谷強行犯係シリーズ、1作目。
旧題は「拳鬼伝」。題名からして拳法アクションが主軸。自ら空手塾を主宰されているだけあって、格闘描写が物凄く詳しい。整体に関する描写も詳しく、興味のある者にとっては面白く読めた。元々がかなり古い作品なので、時代背景は古いし、著者の文体自体も古く、全体的に描写が冗長なのが残念なところ。最近、新しい作品が出てるようなので、今書けばどのようなものになるか、読んでみたい。
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なんとなく読んでしまった。
武術の部分は結構面白かったのですが、
それ以外は、どこかで読んだことがあるような軽めのお話。
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渋谷のチーマーを襲う謎の男。
刑事,辰巳五郎と整体師,竜門光一が探す
尊敬すべき武術家なので、自首をすすめて追ったが、林の中での闘いは敗れた。中国名を名乗り、残留孤児だった、
トドメを刺さずに去った。
内臓をやられたので死ぬ可能性あり。湿布と気で治す。
刑事が男の住処を教えにきた。再対決では勝利。
自首扱いだが、送検された。
対決では死の恐怖を感じた。
男がヤクザを殺そうとしたので、体当たりをして阻止。
手術ではなく施術。桜新町に住む。
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渋谷強行犯係シリーズ 第1弾
渋谷で不良グループが一撃で倒される傷害事件が発生。
捜査するのは渋谷強行犯係の刑事・辰巳。
辰巳は行きつけの整体師で武闘家の竜門を訪ね、事件の糸口を探る。
竜門は犯人の鮮やかな拳法に感銘を受けつつも、これ以上の罪を重ねさせたくない思いで、犯人と接触する。
竜門は最強の相手にどう立ち向かうのか!?
拳鬼伝の改題なので、警察モノというより、竜門が主役のアクション小説。
拳の道は険しい。
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渋谷署強行犯係とタイトルにありますが、どちらかというと整体師・竜門光一の物語ですね。強行犯係の辰巳の影はちょっと控えめな印象です。
武術にも通じている竜門が市中で若者を襲撃しつづける、これまた武道の達人とあいまみえるシーンがクライマックスです。相当手ごわい相手と思いきや、あっさりと片が付いてしまい、ちょっと拍子抜けの感も。
事件のトリックや人間関係は複雑ではなく、書籍としてのボリュームもほどよく、読みやすい一冊だと思います。渋谷署~とタイトルにありますが、いわゆる今野作品の他の警察もののように刑事を主体として描いた作品ではないので、原題の「拳鬼伝」のほうがしっくりきますね。
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漫画のドラマ化に際しての改変の話が世間を騒がしていますね
個と組織の争いというかそんな風にも見えなくもないんですが、原作者の方が亡くなっていることもあって軽々しく話題にできないなと思っております
で、軽々しい話しかできないワタクシとしては今野敏さんですわ
今野敏さんと言えば非常に多作な作家さんでありまして、映像化作品も非常に多いんですが、映像化に際しての改変に関してはとんでもなく鷹揚です
まさになんでもあり
登場人物の年齢、性別が変わるのは当たり前
オリジナルキャラもがんがん出る(ドラマオリジナルキャラが小説に逆輸入なんてことも)性格も違う、階級も違う
違う原作の主人公がドラマで共演なんてのもありましたね
「イメージと違う!」なんて言い出したらきりがありません
もう原作と一緒なのは名前だけやん!みたいなこともw
「どうぞどうぞ、お好きなように」ってスタンスなんですな完全に
別の作品として楽しんでらっしゃる
どちらのスタンスが良いとか悪いとかって話じゃありませんよ
今野敏さんはそうだという話です
そして今野敏作品がどんどん改変され映像化されることに関して今野敏さんの小説を132冊も読んでいる大ファンのワタクシがどう思っているかというと…
「どうぞどうぞ、お好きなように」ですw
もう一心同体ですから!
そしてそしてもうひとつ、今野敏さんと言えば、改変に加えて「改題」です
改題も非常に多い作家さんなんです
これももう完全に出版社主導がありありと
かく言う本作も元は『鬼拳伝』というタイトルで、これはもちろん今野敏さんがつけたタイトルなので、話しの内容とマッチした素晴らしいタイトルなんです
それが改題されて『渋谷署強行犯係』です
いやいやいや!主人公格闘家やで!格闘家の整体師やで!渋谷署の刑事も主要キャラで出てくるにはくるけど、完全に格闘小説やで!警察小説だと思わせようとしてるやん!
売るためのタイトルやん!表示法に引っかかるやん!内容量100gあたり警察要素が5g以上入ってないと警察小説って表示したらあかんのやで!(それ「コーヒー」と「コーヒー飲料」の話な)
あまりにコスイと感じたのか、今野敏さんもあとがきで謝ってましたw
「あざとくてすみません」て
いやもうこれは徳間書店が悪い!
ひまわりめろんは原作者の味方です!