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10/1
素朴かつ丁寧な描写。
ところどころに拙さを感じるものの、「市民生活」から「不適合」との烙印を押された自身の原点を探ろうという試み。
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永山則夫の『無知の涙』を中学生の頃に読んだ。衝撃を受けた。
それがなければ自分は今の自分ではなかっただろう。
死後10年以上たつが、永山について語る人、書く人は後を絶たない。
永山則夫とは誰なのか。未読であった彼の小説を読んで改めて考えたいと思っている。
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虚しい、悲しい、悔しい。人生に勝敗はあるのだろうか。あえてあるとすれば、彼の不遇な少年時代は、この内容を後世に伝えたことで、彼を勝者へと変えたのではないだろうか。脚色なしが魂にささる、人間くささの象徴的作品。あぁ拳銃少年!
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『無知の涙』に続いて読了した初期の短編集。
作品全体から滲み出る貧しさに対する怒りは圧巻。
『土堤』で既に若干共産主義思想に傾倒してる気が。
文章が上手なので読んでて苦にならない。
死刑囚にして当作品で新日本文学賞を受賞。
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かつて4人を殺害した事件の犯人で、死刑に処された筆者の、自伝にも似た作品…なのかな?簡素で素朴な文体が北国の寒々しい雰囲気や、N少年の寂しく孤独な感情を表してるかのようで、読んでいるとこっちまでわびしい気分になってきます。
ただ、厳しい見方をすると、自分が荒んでしまった理由をすべて他人や境遇のせいばかりにしているようにも感じられます。普通だったら同情を禁じ得ないはずの内容なのに、自分可愛さが前面に出過ぎていて、同情どころか自分勝手な人だなぁという印象すら覚えてしまいました。
現実と著作の中身を切り離して読むことが出来れば、違った受け捉え方が出来たと思うのですが… それが出来なかったためか、微妙な読後感が残りました。
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素朴な文章で紡がれるよりどころのない悔しさを通り越した寂しさ。
現代の一般家庭で育った自分には想像もつかない、「貧しさ」が産む思い遣りの欠如・暴力の連鎖を、自分と同じ等身大の人間の視点で見せつけられた。
未成熟な社会と貧しさが、彼に優しさを与えなかったのだなと思う。
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母なるものの欠如がこれほどまでに一人の人間の運命を左右するのか。
悲惨な生い立ちをおいそれと覗き見できない、社会構造の被害者と簡単に割り切ってはいけない。
罪を抱え、それでも書く、それを読む、それがいかなる意味を持つかはその他の誰も評価できませんと解説には書いてある。
その通りだと思う。
ワイドショーや思いつきのニュースではない、本当に触れるべき1人の人生がここには書いてある。
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重い。苦しい。
時代背景なのかこんなに苦しい人生ってあるのかと思わせる。自伝なんだよなと思って読む度に辛い気分になる。解説にもあったが、住んでいた街の描写がリアルで余計に苦しい
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ひたすら悲しくなる物語。幼い頃から泣いても苦しくても、どんなに母を求めても受け止めてくれない心の空洞を感じました。
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面白く読まされた、丁寧な情景描写と細かいやり取りの筆致、そして内省の声。第三者的語りも読みやすいポイント。
犯罪的行為や行動は本人の問題なのか、環境の問題なのかというテーマにも通ずる。(変数多すぎて一義的には言えんが)
次は東京都同情塔読みたくなる。