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風の中に 遠くから乗ってきた 水の香りを感じたり
すれ違いざまの 会話の断片が なにか、心に引っかかって また、飛んでったり。
日常には、 様々な 触れては 途切れる 感覚が満ちている。
でもそれは、本当に微々たる刺激なもんだから
それに こだわるひとは、ほとんどいないんだな。
でもさ、
きらきらな、
美しさって、
そういうもんにこそ、
隠れてるじゃない?
そういう密やかな事を きちんと拾うのが 豊かってことではないかと思うんだよ。
けれど、それは ホントに難しい。
そんな世界を 軽々と描く作家が 五十嵐大介さんではないかしら?
目を開けてるのに いろんなことを 見落としてる。
風景に溶け込む あれやそれを、こんなに優しく 拾い上げる。
すてきだなあ、って 思うのよ。
ちょっぴり 不気味で でも、たまらなく 愛おしい。
作者が 遠野物語がお好きと言うインタビューを読み
深くなっとくした次第。