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映画を映画館に観に行く時代を思い出させる小説という表現が、この作品には一番かも…
何年かに一度の楽しみをワクワクしながら待っている。
エンターテイメントってこういうものだと思う。
男意気初春義理事 目細の安
月光価千金 振袖おこん
箱師勘兵衞 説教寅
薔薇窓目細の安
琥珀色の涙 黄不動の栄治
ライムライト 書生常
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9年ぶりの天切り松新刊!だそう。
舞台は大正末から昭和8年まで。大正のモダンな感じが好きだったけど、昭和に入ってからも面白い。映画とか美術とか音楽とか芸術の在り方ってその時代によって変わっていくものだと感じる。
月光価千金でおこん姐さんに年下の御曹司がプロポーズするのが可愛らしかった。相変わらず姐さんは断ってしまったけど、まためげずに出てきそうな気がする。
薔薇窓の千代子さんの話が辛かった。戦争が生み出した悲劇。娼婦にならないと生きていけなかったり誰かに謝ってほしいって感情が芽生えたり。。。懲役13年になったからこそ慰安婦になったり満州へとばされたりせずに済んで最悪の事態を免れたって思ったら、まだ救いがある。
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すっかり 物語の中に入り込ませてもらって
天切り松 こと 松蔵じいさんの
「闇かたり」を すぐそばて聴かせてもらっているような心持ちがする
何と 痛快なことだろう
何と 愉快なことだろう
何と 心に届いてくることだろう
まるで その肉声が
確かに 届いてくるようだ
「半七捕り物帳」の半七さんのものがたりを、
「土佐源氏」の博労のじいさんのものがたりを、
読んでいるときも
その肉声を聴いたような気がする
改めて浅田次郎作品がオンタイムで読めることの
幸せを感じる
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内容(「BOOK」データベースより)
五・一五事件の前日に来日した大スター、チャップリンの知られざる暗殺計画とは―粋と仁義を体現する伝説の夜盗たちが、昭和の帝都を駆け抜ける。人気シリーズ、9年ぶりの最新刊。表題作「ライムライト」ほか5編を収録。
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やっぱり浅田次郎!泣かせにくるとわかっていても泣いちゃう。言い回しのテンポ良さも変わらず魅力!だいすき!
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天切り松シリーズの最新作単行本。表題作「ライムライト」を含む6篇を収録。単行本としては9年ぶりというから結構間が空いたが、ディテールの描写1つ1つに綿密な取材が必要だと想像されるので、このペースはしょうがないだろうな。
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久しぶりの天切り松シリーズの最新刊ですが、さすがの粋な闇がたりの話の連続で良かったですね!目細の安吉親分一家である安吉親分をはじめ、振袖おこん姐さん、説教寅、黄不動栄治、百面相の書生常のエピソードを下っ端だった天切り松こと松蔵が闇語りで語っていくのがおきまりのパターンですがいいんですよね!今回はタイトルにもなっているチャップリンの話と根岸の棟梁の話が特に印象に残りました!また続編を出して欲しいと思います。
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久しぶりの名シリーズ。第5作登場
お馴染み、目細の安吉一家の面々が松蔵の口を借りて活きいきと蘇る
読んでいて、その任侠精神の極みにこみ上げてくるものがある
お気に入りは第二夜、「月光値千金」のラストシーン
おこんが投げた千金の札ビラが月夜に舞う
なんとも小粋。 「いよっ、おこん姐さん!」
6編とも甲乙つけがたい粒ぞろいのおはなしです
取り締まり側のおしろいこと白井検事正も小粋な役回りで登場、いいね
最終章のライムライトが消えるように、このシリーズも終わりになってしまうんだろうか
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第四巻から九年ぶりの第五巻。目細の安吉一家、中抜きの名人、目細の安吉、正面切っての押しこみ強盗の説教寅、玄の前の女掏摸、振袖おこん、松蔵に天切りの技を教えた黄不動の栄治、百面相の書生常、相変わらずみんな矜恃溢れる素敵な面々でした。第五巻は全六話の短編集。実在の人物、偉人と関わらせて物語を盛り上げる手法は健在で最終六話では喜劇王チャップリンと絡みます。天切り松の闇語り、次は九年も開けずに聞きたいものです。
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いつものような痺れる読後感!本当に最高の闇がたりの数々!このシリーズだけは、他の作家に、絶対に真似のできない最高傑作!!
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約10年ぶりのシリーズ第5弾。相変わらずかっこいい。粋でいなせってのはこういう事なのかと。中村勘九郎のあの名演技が思い浮かびましたが、新作はもう目にすることが出来ないのだと思うと無性に哀しいです。
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黄不動の栄治が好きです。よって「琥珀色の涙」に泣かされた訳なんですが、仕事っぽい仕事をしている訳ではないのでそこがマイナス要素かな、と。ま、これはこれでおもしろく読みましたけど。栄治兄ィがぱちっと仕事する話が読みたいです。
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待ってました!
作者自身が長男坊と位置付ける「天切り松シリーズ」最新刊。
今回も眼細の安吉親分の下、粋で痛快で奥歯を噛みしめ
涙を隠すシーンが満載。
元旦の浅草寺を賑やかす 安吉親分。
おこん姐さんの意気地と恋路。
説教寅と伝説の箱師。
御贔屓、黄不動の栄治と不器用な愛情で向き合う父親の
章は喉の奥が熱く痛くなるほど泣けた。
タイトルのライムライトにはご存知天下のチャップリンを書生常が華麗に匿う。
どうか このシリーズはいついつまでも続いて欲しいと
願わずにはいられない。
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久しぶりの天切り松シリーズ最新刊。
相変わらず、安吉一家は誰も彼もが「粋」である。
小説の中の変わり行く時代の中でも、また9年間ぶりの新刊という現実の時間を経た中でも、変わらぬ彼らの心意気に触れられるのは、昔馴染みにあったような安心感と、嬉しさを与えてくれる。
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新刊発見したときの衝撃といったら。
過呼吸になるかと思った。
文体のリズムの良さは浅田先生と京極某が自分の中のツートップなのだけど、浅田先生はさすがに一切無駄の無い洗練された文章で、最大限に情景も心情も起伏も描ききる。京極某は小難しい文章も何故かスルスル入ってくる謎のリズム。
特に時代物の日本独特の口語のリズムは、日本に生まれたからには自然に読めるようでありたいし、読めることが嬉しい。
天切り松シリーズの時代設定は、ちょうど「歴史」と「現代」の狭間なところが面白いし、それを両方「歴史」と感じない所で生きている自分がまた幸せなことだなぁとしみじみと。同時に、無くなりつつある「人情と気概」の精神を大切にしたいし、無くなりつつあるからこそあまりに眩しい。
ここ2冊(くらいだったか?)は初期から時代が下って、完全に「後日談」として語られているので、より一層現代に近づいて、フィクションとはいえこういった精神がついこの間までしっかりと息づいていたことが実感できるのが誇りに思えるような、たったこれだけの間に絶滅しつつあるのが情けないような(苦笑)。反対に、酷く理不尽で残酷な世の中がこの間まで実際に存在していて、今の世の中の何と安穏で平和であるか。
世の中が平和で豊かになればなるほど、人が堕落してしまうようではあまりに悲しい。
とはいえ平和な現代で草食的になることは悪いことではないと思し、一概にべらんめえともいかず、時代に合わせて形は変わっていくものだと思う。けれど、この物語をただ眩しくて憧れるヒロイックな物としてではなく、確かに自分達と一続きになっている所から「粋」な日本人の精神を受け継いでいるんだと自戒したい。
それにしたって相変わらず目細の一家は皆格好良すぎるけどね!