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心の病は目に見えるものではない。
だから診断も治療方法も担当する医師の裁量に任され、それが正しいのか間違っているのかは他からはわかりづらい。
一見治療のように見えるカウンセリングが、逆に人格を破壊しありもしない過去を作り上げてしまうこともある。
カウンセリング治療による逆効果によって、アメリカでは多くの被害者が出たこともわかっている。
「偽りの記憶」を誘発したカウンセラー、病院は賠償請求を受けているのも事実だ。
犯罪加害者、特に大量殺人や猟奇殺人を犯すものの一部には脳に萎縮が見られるらしい。
MRIによって脳の側頭部を検査した結果、萎縮所見が出されたのだ。
ウゥルス性脳炎の後遺症ではないかと言われ、情動行動や性行動の変化が見られるということだ。
数多くの症例を具体的にあげ、それぞれの解説をとてもわかりやすくしていた。
医学的にはまだまだ謎の多い分野である。
どの状態になったら本当に寛解と言えるのか。
寛解状態になったとして再発の可能性はどれくらいあるのか。
たったひとりの医師の判断ですべてを決定してしまっていもいいのか。
研究の余地が大きな分野なのだとわかった。
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心の病が「ブーム」になってしまっていないか?
心の病の実態についてわかりやすく書かれている・・・のだけど、正直内容忘れちゃったな。またいつか読んでみよう。
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精神科医の岩波明による、実際の現場の臨床報告。
心理学の言葉が比較的カジュアルに使われるようになった昨今に一石を投じるような内容で、非常に勉強になった。
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10年以上前の著作だが、本質的な問題は変わっていないように思う。病院は仕事や恋愛の悩みなど個人的な問題を解決する場ではない。その問題を「創作」「捏造」された病名によって患者にされる人、患者になることを望む人の利害一致の構図がある。治療が必要な精神科疾患とは? 様々な事例から読み解く壮絶な一冊。
解説はステレオタイプさながらで読むに値しない。
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精神科医たちのヤバイ話がいろいろ。おもしろい。
患者に手をつけて問題起こした医者が「現在は思春期病棟に勤務している」とかわざわざ書いているのが悪意あっていい。
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「心の病」を正しく解説しようとした労作です。前書きでは同業者で売れっ子の福島章の杜撰な学説開陳や森昭雄教授の無知などを批判しています。
本書は現場での自身の体験をふんだんに取り入れながらも、断定を避け、あくまでも症例の1つとして扱っているところに誠実さがある。
人は追い込まれると、自分以外の何かのせいにすることで安心感を得る。その1つが、「心の病」という漠然とした病名です。彼らは、病気だと診断されることを求め、精神科医はもっともらしい病名をつけることで金を稼ぐ。一見すると、誰にも迷惑をかけていないようだが、本当に治療すべき病気(もどき)を医者と患者で隠蔽する可能性や本来治療の必要がない人を薬漬けにしてしまう危険性、長い目で見れば精神医療の現場を混乱させる元凶だと問題提起している。本書は、そうした医者と患者の馴れ合いの関係に警鐘を鳴らしながら、マスコミ受けを狙った本来あり得ない病名の乱造に危機感を抱く精神科医の臨床報告書です。