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アメリカのイラク侵攻の影響で、この本が出版された時期には多数の「イスラム解説本」が出ていたのを記憶しています。
コーランについて知るというのもその一つですが、この本は阿刀田流でコーランのエッセンスを易しく説明したエッセイです。
素人にとっては、コーランを原典で読むのが非常に難しいそうなので、この本のように信頼できる読み手に解説してもらうのが良いと思います。とにかくこのエッセイを読むとコーランも判りやすくて面白いのですが、だからと言ってイスラム教を信じたいという気にはなりませんでした。
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ヨルダン、シリア旅行後にイスラム教のことが知りたくて読む。
コーランの説明で、イスラム教・イスラム社会についての説明は少いので、入門書としては読みやすいけど、もの足りない感もあり。
最後の章が、メッカ・メディナのあるサウジアラビアとヨルダンを旅行したときのことが書かれてて、この章が1番おもしろかった。
2010/10/23読了
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個人的にはどの宗教にも属していませんが、世界の戦争のほとんどは宗教と絡んでいる(と思う)ので、各宗教の成り立ちに、文化や歴史として興味があります。宗教の歴史を知ることが、世界情勢を知ることにつながるように思います。
本書は、コーランを解説した本としてかなり良書という評判。面白いのだが、なぜか読み進めない。。只今第5話途中。
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阿刀田氏によるイスラム教解説本。2005年。コーランを一般読者にわかりやすく教えてくれる。すべてを解説しているわけではないが、もともとが非常に難解で硬いものをやさしくやわらかく説明しているので読みやすい。きっかけにもなる。
これを読むとアラーの偉大さがよくわかる。旧約聖書、新約聖書では不足しているから、コーランによってすべての教えが完成される、そんな位置づけらしい。キリストは否定せず、しかし、神ではないと解釈。どんなにすばらしい人も業績も、ほかのありとあらゆるものがアラーの力によってもたらされている。やはり偉大だ。
それがわかっただけでも本書の意義は大きい。中東のニュースの見方も少し違ってくるだろう。
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新約聖書の中でイエスがマホメットの出現を予言しているという記述があるなど、コーランの立場はユダヤ教、キリスト教を否定するものではなく、完成する。なるほどと思った。物語性よりも説教を重視するというコーランを面白く解説している。良書と思う。
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居酒屋でたまたま隣に座ったおっちゃんがコーランの説明をかいつまんでしてくれました。
そんな感じの本。随所の親父ギャグが愛しい。
でも、軽妙に進んだ後に読む最終章のおっちゃんの独り言はとても重い。
「え、あのおっちゃん、実はすごい人だったの!?」って後になって居酒屋のおかみさんから聞くような。
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イスラム教の聖典を、阿刀田流にわかりやすく読み解く、世界一わかりやすいコーラン入門書。
大学の授業でキリスト教・仏教・ユダヤ教などは一通り講義を受けたのだが、イスラム教だけはなぜか全く触れられなかったので、ちょっとお勉強のつもりで手に取った。
数ある宗教の中でも、イスラム教は聖典を大切にすることで有名みたいだし、これを読めば「さわり」だけでもわかるかなー、と。
私のように大まかにイスラム教のことを知りたい、という人間には、大変読みやすい本だった。
解説でイスラム教の専門家(ちょっとうろ覚え・・・)も、太鼓判を押しているくらいだから、著者はコーランのことをかなり勉強しているようだし、これ一冊読めば、コーランの全体像もなんとなくわかったような気になれる。
いいなと思ったのは、イスラム教の始祖マホメットのついて多くのページが費やされていたこと。コーランはあまりストーリー性がなく、同じようなことが何回も出てくるそうだが、マホメットの生涯を辿ることで、イスラム教の教えにストーリー性が生まれて読みやすくなっていたと思う。
それにしても、イスラムのことについて私たちはあまりにも関心がないな、と改めて自覚した。
ニュースや新聞の報道だけがイメージとして定着していて、イスラムというと、そのイメージしか思い浮かばない。
それがいい悪いという問題ではなく、それ以上のことを知る気がない、ということに、私は反省の念を覚えたのである。イスラムの人々だって、日常生活はあるはずなのに、そういうことを知ろうという気がしないのだ。イスラム教国に「なんだか怖い国だ」、というラベルをとりあえず貼っておけば、それ以上のことは考えなくていいや、という意識(無意識?)が問題だなぁ、と思ったのである。
というわけで、「今だからこそ読みたい」と帯にも書いてあるように、こういうわかりやすくとっつきやすいイスラム入門書が書かれているということは、とてもありがたいことだと思ったのだった。
理解しようとすることはもちろん大切だけど、それ以上に、テレビの画面から与えられた情報が全てのはずがない、ということに多くの人が気づいてほしいなぁと(森達也氏の著作を読んだ私は)偉そうに考えたりしたのだった。
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これは面白い。
日本に居るとなかなか縁の無いイスラム教/ムスリムの人々の風習について、
極めて平易で噛み砕いた感じで説明をしてくれる一冊。
より正確に言うなら、イスラム教の聖典であるコーランについての解説ということになる。
時代背景からして、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教にはそれぞれ共有している点があり(というかユダヤ教がベース言うべきなのだろう)、登場人物や天使の類は意外と同じだったりするという(名前の読みはアラビア風になっているようだけど)。ユダヤ教、キリスト教と関係が深く、かつ後発となるイスラム教は、いかにして自分たちの神様(アラー)の正当さを主張するかということに随分骨を折ったらしい。実際のところ、始祖マホメットの仕事は宗教家としての布教活動だけではなく、共同体の指揮官として戦争に当たる、なんてことも含まれているので、地続きの世界のなかで自らの地位を確立してきたプロセスがよく伝わってくる。
あと、コーランはあんまり時間軸上のストーリー性を持たず、項目ごとに並べているという感じの書物だそうだ。これも意外な感じ。解釈が大変そうだな…と察せられるが、やはり宗教は解釈学と切っても切れない縁があるのだろう。
終章(第10話)には著者が2002年に実際にサウジアラビアを訪問したときの簡単な紀行文も付いているので、現代的な空気もちょっと感じられたりする。
今後、人生のどこかでイスラム圏の人と会うこともあるでしょうから、今のうちに一読しておくのが良いのでは。良書です。
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【75】
旧約聖書、新約聖書に続き読了。
以下メモ
1.全世界の支配者にして唯一の支配者であること
2.最後の審判という総決算が存在すること
3.アラーがその支配者であること。
ユダヤ教、キリスト教と同じ唯一神を仰ぐ
マホメットは最大の預言者
コーランの解り辛さはマホメットに二十余年かけて下った啓示であり、周辺状況の理解が必須
コーランの最後の審判における賞罰はユダヤ教、キリスト教と較べてひときわ克明で顕著
聖地メッカ/カアバ神殿
孤児救済
全ては神によって決定されている
コーランは神の言葉であり、神の音楽(朗読)→翻訳の禁止
イサク・イシュマイルとユダヤ人・アラブ人の関係が逆
メッカ啓示1/2、メディナ啓示
六信(アラー/天使/啓典/預言者/来世/天命)五行(信仰告白/礼拝/斎戒/喜捨/巡礼)
偶像崇拝の禁止
利子収入の禁止=対ユダヤ人?
コーラン/マホメットの言葉は含まれない
ハディース/マホメットによる示唆
シャリーア(法学者)、イジュマー(共同体)/教義についての正当とされる解釈
⇨コーランが何を示しているかによって様々な解釈が生じ得る
マホメットの生涯
ジャーヒリーヤ時代▷遊牧民族にとって略奪は当たり前
クライシュ部族(メッカを支配)のハシーム家▷正統な血筋だが、大商人中心の主流派に対する抵抗勢力
隊商で頭角
ハディージャと結婚、末娘ファーティマ
四十歳の時、初めての啓示
迫害された理由
メッカ/カアバ神殿は原始多神教の聖地であり、巡礼者はクライシュ部族の収益源
部族内ヒエラルキーの否定
血族の結束を崩す
アカバの誓い→ジハード思想
ヤスリブ(現メディナ)移住=ヒジュラ、アラビア暦元年
バドルの戦い、大勝利の意味
1経済的自立
2アラーへの信仰強化
3マホメットの地位向上→預言者4クライシュ部族の衰退
イスラム教の確立⇔ユダヤ教との対立
メッカ入城
マホメットの死
正統カリフ
第一代アブーバクル(親友)
第四代アリー(従弟、ファーティマの夫
勢力争いの中で、三代、四代は暗殺→スンニ派とシーア派の対立へ
ウマイヤ朝以降のイスラム王朝時代へ
スンニ派:穏健派の緩やかな連合体/9割を占める/現実主義
シーア派:シーア=シーア・アリー(第四代正統カリフ)/アリーのみが正統カリフ/理想主義/過激派/分裂
2011.10.13読了
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再読。宗教を語ることの難しさ、特にイスラム教のコーランについて。その中でコーランというのがどういった経緯でできあがって、イスラム教徒にとってどういったものかを軽快なエッセイでその雰囲気を教えてくれる。
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ユダヤ教とキリスト教とイスラム教は兄弟のようなものだが、
本当はイスラム教が一番なのだ。
そうアラーの神は言っている。
ユダヤ教もキリスト教もすべてアラーが使わした預言者のなせる技であった。
最後に、総まとめ役預言者としてマホメットは登場したというわけ。
アラブ世界はイスラム教を抜きにして語れない。
この一冊は入門書として必読の一冊だ。
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コーランとコーランを通してイスラム教の世界を知る為の入門書としてお勧め。著者のツッコミが日本人から見ると的を得ていて面白いと思う。
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タブー感の高いイスラム教の聖典に、思いっきり率直に踏み込んでると思う。
比類なく分かりやすい上に、感覚的にもぐっと落としこんでよくわかった。
イスラム教とキリスト教、ユダヤ教の近さ
教えの基本路線
断食の意味
新しい知識が盛りだくさん。
2012年、トップ3に入る本になるかも。
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読んだきっかけは、「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書をしっていますか」に引き続き、中東の紛争に、民族や宗教が絡んでいる理由について、少しでも理解したい・・と思ったから。
・・・なのですが、む・・無理でした、全部読むの・・^^;
図書館から借りて1ヶ月以上手元にありましたが、どうしてもページが進まなかった。
筆者は頑張って解説してくれていたのでしょうが、
コーランは旧約聖書程ドラマティックなストーリー仕立てになっていないこと。
新約聖書ほど、ゆかりの美術品がなくて付加的な魅力がなかったこと。
コーランの内容自体が規律ばかりのような気がして、面白くないこと。
・・などの理由で、私には受けつけませんでした。
飛ばし飛ばしで読んでの感想ですが、
コーランは、精神的な宗教を唱えているというより、民族内をまとめる為の規律、民族が生き残っていく為の規律・・・のようなものを目的としているような印象を受けました。
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テレビで阿刀田さんのことを知り、手に取ってみました。今の日本ではイスラムというだけで「過激派?」や「テロを起こした人たちでしょ?」という偏見があるが、これを読むことでイスラム教自体が悪いわけではないと知った。むしろ、私が思っていたものよりよっぽど親しみやすいものだった。
阿刀田さんの軽快な突っ込みもあり、さくさく読めた。