紙の本
切なくなる恋
2015/09/19 01:59
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投稿者:ピコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこにでもありそうなありふれた生活と大人の恋を上品に書き上げている。
文章表現が美しく、読んでいて情景が目に浮かぶ。
結末としては無難にまとめているが、何度も読み返したくなる作品で、また 何度読み返しても泣ける。
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この話は映画を観て知った。そのとき一緒に見ていた母は「ただの不倫の話だ」と言った。私もそうだと思っていた。だけど、同時になぜこの話がその当時そんなに純愛話として取り上げられ、多くの人が涙を流したのかも少し分かる気がした。こんな風に思っていたから、人に貸してもらわなかったらきっと読まなかったと思う。そんな風に始まった。だけど、読み始めてすぐにその物語の中に入り込んでしまった。全ての事象は各各の人の感じ方の違いによって、どのようにも存在しうる、ということを改めて知った。言葉によって、制限してしまうのはこわいし、あまりにも浅はかだと思う。
本にはその本全体に流れる雰囲気というものがある。著者によって違ったり、同じ著者でも全く違ったり。私はこの物語の雰囲気にすっかり乗っかってしまったので、ロマンティックなシーンでは官能的な気分になったし、主人公が自分のどぅしようもない気持ちを伝えたい相手に述べるシーンは胸が張り裂けそうになり、同時に穏やかな気分にもなった。だから、途中で何度も涙が出そうになったり、実際に涙が止まらなくなったりしたのでしょう。多くの人がそうであるように、私にもまだこんな気持ちがあって良かった。
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コレも流行ってたときに、親が買ってきたのを隠れて読みました。なんかロマンを感じ、暫くうっとりしてしまった小五のワタシ。
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中学時代に仲のよかった先生が転勤するときに私にくれた一冊。
短い間でも運命的な出会いって、運命的な恋ってあるんだと思わせてくれた。
現実にあったかもしれない、なかったかもしれない、そういうギリギリのラインの淡々とした文章が更に話を引き立ててくれている。
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大人の男女の静かで激しい思いに満ちた恋愛小説。ラストはやっぱり泣いてしまいました。
1993年
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相手を信じて待つことはとてもつらい。
相手がぜったいに来る保証はないから。
でも、約束は未来だと思う。
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中年のせんこう花火。
恋ってのは年取ってもできるもんやね。
できりゃ、心のつながりだけにしてもらいたかったな。
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「大恋愛」なんて陳腐な言葉では片付けられない
ロバード・キンケイドとフランチェスカの4日間の奇蹟。
あー私の数少ないボキャブラリーでレビューは書けませんね。
でもね、こんなことが実際にあったって知るだけで、
地球の真反対にいる知らない人類に対しても愛おしさを覚えます。
夢を見ているような体験を、長年自分の記憶に残すために、
確実に存在していたと記すために、つないだ一通のメモと
名前が刻まれたネックレス。
地球規模から見た、体験と実感をつなぐために物質に頼る人間に、可愛らしさを感じます。
映画化もされているけど、きっと映画で見たら幻滅するだろうなぁ。
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12「あらゆるものが組織に組み込まれていくこの世界にあって、いまや自分は時代遅れになりつつある特異な男性的動物の一種」
14「日に日に無神経になっていくこの世界で、わたしたちは瘡蓋だらけの感受性の殻に閉じこもって暮らしている。どこまでが大いなる情熱で、どこからつまらない感傷がはじまるのか・・・わたしたちは大恋愛であるかもしれないものをせせら笑い、純粋な深い感情に感傷のレッテルを貼ってしまいがちだ。」
61 私もフランチェスカ。人々は温かく、自然に恵まれた田舎。でも、生活のこと、他人の噂しか耳にしない。芸術がない。それがつらい。こんな考えを持つ私は‘やわ’なのかしら?その営みに軽い反発を覚える私は、一人の人間として、まっとうかしら?そんな物足りない生活に、異国の地から、180cm以上の、痩せぎす、強靭でしなやかな、菜食主義の放浪詩人、進化の樹の末端の男、最後のカウボーイが来たら、必ず恋に落ちる。連れ去られてしまう。リチャードの大馬鹿野郎!欲情しろよ、こんないい女・・・。
85「太古からのしぐさ」
115「習慣は予測を可能にし、予測がつくということにはそれなりの快適さがある。」
128「世の中はどんどん組織化されていく・・・規則や、法律や、社会的な約束事、権威の序列、管轄、長期計画だとか、予算案。力をもっているのは企業だし、<予算>がすべてを支配しているんだ。」
129「機械を操作するのは人間だけど、それには勇気や体力は必要じゃない。人間はもう必要ではない。ただ精子銀行さえあれば済む・・・放し飼いはなくなり、わたしたちは組織化され、感情を素直に表さなくなっている。効率だとか、有効性だとか、そういう知的な小細工が蔓延している。」
130「現代の悲劇は、長期的な弊害が生じるおそれのある場所で、男性ホルモンが優位に立っていること。たとえ国家間の戦争や自然破壊がなくなったとしても、わたしたちが互いに近づくのを妨げたり、わたしたちを大切な問題から遠ざけたりする攻撃性はなくならない。」
132「思い出にふけるのを自制していたのは、生きてゆくためだった。」
146「わたしには忌々しい責任がある。リチャードに対する、子供たちに対する責任が。」「罪悪感が彼女を変えてしまうかもしれない。」
187「信じがたい、強烈な、すべてを超えた愛の営み」羨ましかった。愛って、太古からのしぐさって、こんなに素晴らしいなんて。こんなにも人の心を打つ、射止める。すごいんだ。他人事のように。切なかった。何で結ばれないの?この世のルール、責任、他の人を深く傷つけるから。悔しかった。そんな煩わしさに。愛が負けることが。でも、リチャードを殺してまでも、愛に身を投じられる?出来ない。「自分だけ」なんて耐えられない。罪悪感に押し潰される。きっと楽しめない。運命のばかっ!
愛しているから離れるというのが一番美しいかもしれない。4日間だったから、最高の愛だったのかもしれない。不倫が悪いなんて、誰が言える?ついていってしまったら、だめかもしれない。死ぬほど愛する。いいもんだ���初めて思った。怖いけれど、そういう風になってみたい。
189「世界はあまりにも合理的になり、人々は魔術的な力を信じなくなってしまった。」
きっとどこかで、フランチェスカでもあり、ロバートでもある部分が存在する。ロバート・キンケイドが死んだ。私の恋人であるかのように、私の心は痛んだ。
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ロバート・ジャームス・ウォラーの【マディソン郡の橋】を読んだ。
1995年にクリント・イーストウッドとアニー・コーリーの共演で映画化され、大ヒットを記録した作
品であるので、見た、または読んだ人も多いかもしれない。
小説は全米で250万部を売り上げるという記録も作り出した大ヒット作である。
生涯でたった4日間の愛の物語。だがその4日間が2人の人生において、かけがえのない4日間になる。
不倫の話と言ってしまえばそれまでであるが、愛の形を問わぬとすれば、男が女を求める、または女が男
を求めるという真理において、これほど切なくて魅力ある物語はないのではないだろうか。
主人公のフランチェスカは、結婚を機に生まれ育ったイタリアからアメリカに移住して来た。優しい主人
と可愛い2人の子供に囲まれ、何不自由ない生活を送っているかのように思えた。主人と子供たちが家を
留守にした運命の日。フランチェスカの前にアメリカ人の写真家、ロバート・キンケイドが現れる。彼は
このマディソン郡に7つある屋根付きの橋を撮影しに来たのだが、最後の1つの場所がわからず、偶然見
つけたフランチェスカの家に道を尋ねようと入って行った。これが運命の出会いである。
第一印象から2人はお互いに惹かれあった。フランチェスカは40歳を少し過ぎたくらい。ロバート・キ
ンケイドは52歳であった。
大人の恋愛である。フランチェスカには家族があったが、ロバート・キンケイドは一人身。徐々にお互い
が持つ不思議な魅力に、お互いが惹かれあっていく。
初めは紳士に。徐々に情熱的に。
お互いに一線を越えてはいけないと認識しつつも、気持ちのベクトルが向き合ってしまえば、それを押さ
えることは、もはや難しい事実であった。
お互いの年齢からも二度と情熱的な恋などに身を焦がすことなどないと思っていた2人は、その気持ちと
は裏腹に愛の極地へとのめり込んで行く。
ロマンチックな夜に浸り恋心に身を焦がし、情熱的な夜に身悶えるような愛を交わす。フランチェスカは
1人の「女」に戻り、ロバート・キンケイドは象徴的な「男」であり続けた。
交わされる愛の言葉、さりげない心使いや仕草が、大人の恋でありロマンチックである。
最後の日にロバート・キンケイドはフランチェスカに「自分のそばでいつまでもいて欲しい」と心の内を
告げるが、フランチェスカは「家庭という責任」があると首を縦には振れない。
最後の最後まで、何度も何度も愛し合った終わりに、後ろ髪を引かれる思いで2人は別れる。
車で走り去るロバート・キンケイドの後姿を見つめる最後のシーンは、心に響く名シーンであった。
究極の愛。それは、何らかの宿命を持ってこの世に生まれ、出会うべくして出会った愛であると思う。
ソウルメイトとも呼ばれるこの種の関わりは、あながち嘘ではないと思うのだ。
現世で目に見える結果の形として必ず結ばれるとは限らずとも、2人の魂はそれぞれを探し求めて生まれ
てきた。出会うために生まれてきたのである。この理解を前提に置かなければ、この物語を深く読み進め
ることは困難な作業だろう。
フランチェスカとロバート・キンケイドは、別れた後もお互いの生活に戻りながら、愛し合い続けた。
けして口には出さず、心の中で繋がり続けたのである。それこそ死ぬまでだ。
この2人の愛の事実はフランチェスカの遺書によって明るみに出る。フランチェスカの子供たちがその遺
書を読むシーンもまた心を震わせられる。
精神が肉体を超えた究極の愛の形に触れてみたい人にはぜひ、一読をお薦めしたい作品であった。
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Book Offの100円コーナーで買った本。ベストセラーだった文芸本は何年か経つと本当に安く叩売りされている。前半は少々引き込まれる部分もあったが、後半はただ早く読み終わって別の本を読みたいから読んだといった感じ。
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●2009年10月16日読了
イタリアから嫁いで来たフランチェスカは、アメリカでの生活に幸せだけれどどこか慣れない、違和感のある生活を送っていた。
そんなところに近くにある橋を撮影に来た写真家のロバートが、道を訪ねにやってきた。
そこで運命的な出会いをした二人はたった四日間を真剣に愛し合う。
**************
先が気になってどんどん読み進めていった本のひとつ。
実際にあった話で、どこか自分と重ねてしまうようなところがある本です。
この二人のように真剣に、熱烈に愛し合う相手がいることって幸せなことだと思いました。
ただ・・・私にはお別れするなんて無理だけど。。。
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時代の中で忠実に一生懸命生きた女性の姿が美しい物語。
人は一つの道を選んで進み始めたら、それを進路変更することはむずかしいですよね。家族がいるのに恋を・・。しかも恋によって本当の自分を見つけてしまったフランチェスカは本当は彼と歩みたかった。でもそれが何を意味するか十分理解できているフランチェスカ。結果、家族に責任を果たす。その姿がその恋愛をより一層美しいものにしています。
人妻でも恋をしたら、どちらの道を選ぶかは、やはりあなた次第でしょうけれど。美しい想い出、お相手を思いやる本当の愛!を選択しませんか。
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ノンフィクションのラブストーリーだった。
これほど静かで、しかし狂おしく燃えたぎるような恋愛が
あるなんて・・・・それも40代、50代の話である。
きっと魂の伴侶なんだろう。
そのような自分の”片割れ”に出会える確率はどのくらいなのだろうか。
彼についていかなかったフランチェスカの愛はまさに本物である。
賢明であり、哀しい判断。
しかしそれがよりこの愛を美しく見せているのだろう。
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有名なお話ですよね。図書館で借りました。
最初に実話っぽく見せかけるために挿話が入ってましたがこれは何か意味があるんでしょうか?後書きで作者はこの話を思いつき一日ぐらいで仕上げたとか書いてあったのであ、やっぱりフィクションなんだな、とは思ったのですが。
二人がジリジリ接近していく辺りは下手なミステリーよりスリリングでしたが一度くっついてしまうと後はなんだかな、ふうん、と言う感じで読み終わりました。涙なくしては読めない、とかありましたが別にそうでもないなあ…と個人的には思いました。
ただ、ロールモデルとして「母」としての役割しか本人も周囲の人間も見ていなかった存在がきっかけがあればいくらでも他の存在になれるのだ、と言うこと何だろうなあなんて思いました。