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昔からのしがらみが残る閉鎖的な村が誘致した野外フェスティバルで、村長の息子・広海は由貴美と出会う。
村を捨て東京へ出て行ったモデルの由貴美に広海は魅了され、「村への復讐に協力してほしい」という彼女の企みに応じることになったが、実は由貴美には真の目的があった。
タイトルからは予想もつかない内容で、非常に怖いお話でした。
まず、古い因習に縛られたいわゆる「田舎」の描写がいかにもありそうで、そこはかとなくリアル。
村ぐるみでどんな不都合も隠蔽する排他的な共同体の様子が細かくスケッチされていて、過剰な展開も絵空事でないと思わせてくれます。
そして、穏やかだけれども退屈な日常に倦み閉塞感を覚えている広海は、由貴美という外部の「異端」に触れたことによって、信じていた世界がガラガラと音を立てて崩れ、それらが実は欺瞞に満ちたものだとわかってしまうのです。
・・・ほんと、救いの無い話。
一番哀れだったのは、由貴美でしょう。
因習を嫌って村を出て行ったはずの彼女がいちばん村に囚われ、身動きがとれない状態。
仕事や人間関係に傷ついた彼女は「血縁」(=究極の地縁)という拠り所を求めていただけなのに、それを広海の父親に否定され・・・、ただただ可哀想でした。
今まで辻村さんの作品は、自意識過剰な思春期の子ども達が閉鎖的な空間(学校)で事件を起こすといったパターンが多かったのですが、このお話もムラ社会という閉じた舞台ではあるものの「大人の理屈」がまかり通る薄汚れた話だったので、こんなのも描けるんだなー、と意外でした。
あと、ファムファタールとしての由貴美が全く魅力的じゃなかったです。
「芸能人」「すごく綺麗」というアイコンはしきりに強調されるんだけど彼女の魅力がちっとも描写されないから、なんだか物語のために動かすコマみたいに感じてしまい、白けてしまいました。
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ロックフェスの夜に由貴美と出会った広海。由貴美にひかれていく広海。村に復讐に来たと言う由貴美。自殺した由貴美の母親と広海の父親の関係。村長選挙に隠された秘密。
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表面の正を守る為に裏にある悪を黙認する、どこにでもあるような人間社会の闇を突きつけられているような考えさせられる作品です。
人間の醜さ、卑しさ、恐ろしさが読み進めるほどに心を激しく揺さぶってくるのですが、一方であちこちに散りばめられた日本が持つ自然の美しさや壮大さの描写が爽やかな空気を運んできて物語の中和剤となっていると思います。
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読みやすいけれど…
読後感はよくないかなー。
田舎に住む男子高校生が。
故郷を捨てた女優さんとフェスで会うことからストーリーは始まる。
辻村さんは感情、人の闇みたいのを表現するのがとてもうまい。
女優さんがなぜ故郷に戻ってきたのか。
田舎に潜む秘密とか…。少しずつ真相がわかってくるのだけど。
登場人物みな、心に秘めたものがある…。
達也の本当の気持ちを知って悲しくなった…。
読後感は重く感じた。
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昼ドラのようなぐちゃぐちゃドロドロした世界観。
村の古い慣習の闇。
主人公にとって平凡で平和だと思っていた日常の崩壊。
1番信頼していた人の本当の顔。
辻村深月さんの「鍵のない夢をみる」でも描かれていたけど、
田舎の狭いコミュニティーの中での暗黙の了解の世界の恐さみたいなのがこの作品でも描かれているなあと思いました。
ミステリー要素もたくさんあって、読み進めていくと続きが気になる感じは相変わらず読者を楽しませてくれるなあと感じました。
ずっしりと重たい内容ですが、
主人公と由貴美のラストは個人的には好きだなあ。
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何事もなかったかのようにしてしまう村の体質だったり、村の閉塞感がすさまじかった。
広海が恋に落ち、由貴美に翻弄されていく姿に、広海の家のことや村全体の秘密が次々と明らかになっていくkとが加算されて、続きが気になって仕方なかった。けれど、後味はすっきりせず、あまりよろしくない。この結末に、広海はどうなってしまうのだろう。
理解あるように見えた、広海の父親・飛雄が最後には一番怖く思えた。
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青春ものや感動ものだけゃなくて、こういう話も書ける人なんだと思いました。面白かったけど、誰にも感情移入できなかったなー。
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山の中に住む高校生が、村を出て芸能人となった女性と恋に落ちるがその裏には彼女の思惑が隠されており、それに対し主人公は自分の無力さを嘆き…みたいな話。
現実離れしている部分もあり、現実としてありえる部分もあり、でも、どうしたらいいんだよ感が全体を通して漂う。最後に微かに村が変わるかもしれない予兆はあるが、それまではまったく救いがない。
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久々に恋愛ものを読んだ気が。色々な要素を含んでいるけど、私にはこれはラブストーリーだった。
田舎独特のあのジメジメした閉塞感がとても綺麗に表現されていた。達哉が口にした「空が青いのと、家の中が暗いのとの差が凄い」という言葉が、すごくしっくりハマった。
主人公に感情移入がなかなかできず(高校生男子なので当たり前といえば当たり前か)かといって由貴美にも眩しすぎて同調することが出来ず、落ち着いたところが主人公の父親というところがもう最近の自分がわけが分からないというか…。全てを受け入れて、諦めて、そして最後に主人公がとった行動によってこの人が立たされる未来を思うと切ない。まあ自業自得なんですけど。
そして、最後の、彼女の台詞がとても好きだった。
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ムツシロックで有名になった睦ツ白村は突如戻ってきた織場由貴美によって、平穏な田舎村から、伝統と不正に縛られる大きな影を暴かれる。
村長の息子である広海は、織場由貴美に利用翻弄されながら、村の正体を知ることになる。
読んでいるうちに睦ツ白村へのイメージががらりと変わる。あとがきにもあったけど、辻村さんは描写がうまいと知った。
珍しく読みやすかった。
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辻村深月さんの著書を読むのはこれが初めてです。
最初は文体が合わずに50ページほどでやめてしまいましたが
何本か読み挟んで再読し、3,4時間ほどで読了。
読みながら何度か思ったのですが、
由貴美の魅力があまり伝わらずそれが少しもったいないかなと感じました。
反面広海や門音、一村の描写はとてもよかったように思いますが。
結末が結末だけに読後感はあまりよくありませんが
閉鎖された村社会での共同体圧力、陰湿さなどは伝わてっくるものがあり、
僕の体験と重ねたりしながらドキドキしながら読めました。
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学園モノが得意な作家さんのサスペンス劇場。
フェスの描写、鬱屈した男子高校生の日常、そこにあらわれる非日常、
前半は、とても滑らかで良かった。
村という特異な場面、
隠蔽、お金、男と女の情愛や疑念や家族いざこざ
後半がうすっっぺらーな印象。
日常のきりとりがとてもナチュラルで上手なのに、
急に三流ドラマにありがちな台詞、
滞る展開、グダグダなおち…となりました。
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続けて辻村深月さんの作品。うわ~、これは人間の闇を描いたホラーだなあ。作品の完成度はさすがなんだけど個人的にはハッピーエンドが好きなので、ちょっとモヤモヤした。それにしても「オーダーメイド殺人クラブ」といい、やっぱり作風がちょっと変わったのかな。
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閉鎖的な村の話。
面白いんだけど、少し物足りない。
村を知らないで育ったからなのか、リアリティが足りない気がしてしまう。
これだけ情報網が発達した世の中なんだから、村の存続だけじゃなくて、色んな考え方を変えする人間がいてもいい気がする。
でも、個々の意思が一括りにされてしまうのが村なのか。