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暗い感じが好みではないので、期待してなかったけど、一気に読んでしまった。
田舎の閉鎖的な価値観、そこに反発する主人公にも共感。
恋愛話は苦手だけど、この小説はそれだけじゃなく、奥が深い。人の本質、価値観の違いって、交わることはないんだなーと、改めて思う。
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フェス頼みの小さな村で生まれ育った男子高校生が主人公。地元出身の女優が帰郷したことで、閉鎖的な村の均衡が崩れ、主人公も巻き込まれていく。
都会的な年上の女性に翻弄される高校生の恋愛ものかと思いきや、徐々に不穏な空気が増して村の秘密が暴かれていく。
周囲の大人たちの異様さは不気味だが、肝心な女性の行動の背景や根拠が今ひとつ表面的。フェスには取材に行ったのか、描写はかなりリアルだった。
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あなたが、次にどの本を読もうかな?と考える時に、他の方の意見を参考にすることはあるでしょうか?もし、その時に、『感動に打ち震えました!』とか、『ハラハラドキドキしましたが最後にハッピーエンドで良かったです!』といった感想なら前向きにその本を手にしたくなるかもしれません。でも、『最初から最後まで沈鬱で、ただひたすらに重苦しく救いのないストーリーでした、鬱。』、と書かれた感想を見て、あなたはそれでもその本を手にしようと思うでしょうか。自分の楽しい時間を、読む本によって辛く憂鬱な気分に一気に落としてくれる本、何が楽しくてあなたはその本を手にしようとするのでしょうか。この本は問いかけます。あなたの楽しく幸せな時間の空気を一気に変え、間違いなく重苦しくしてあげますがそれでもいいですか?と。
『広海がフェスを好きなのは、自然の中であること、そこに漂う非日常の祭りの感覚が好きなのだ。ただ遠くの野外まで音楽を聴きに行くということ以上のすごし方がそこにある。』、リゾート開発に失敗し、廃れゆく一方だった睦ッ代村。起死回生の一手として、ロックフェスティバルを誘致し、『ムツシロ・ロックフェスティバル』と村の名前を冠することにも成功した山村、睦ッ代村。この作品はそんな村の村長の息子である広海を主人公に描かれます。『この村のロックフェスに非日常を求め、自分へのご褒美のような気持ちでやってくる人間は、きっとたくさんいる』という通り、毎年夏の三日間に12万人もの人を集める一大イベント。知名度を上げた村は一気に生気を取り戻し、さらに村はそれを箱物投資ではなく、税額を下げて周囲の町や村から転入者を増やすという作戦で市町村合併の波にも揉まれず、周囲から羨望の眼差しで見られる未来ある村へと変貌していきます。
『田舎に満足するというのは、思考の停滞を受け入れることだ。』強烈な一言です。あまりに極論に思いますが、そういう考え方をする人もいるのでしょう。村を後にし、東京で女優として活躍する由貴美もその一人。ところがそんな由貴美がこっそり自宅に戻っているという噂が広まります。少し前まで一人で住んでいた母親が亡くなった自宅に一人ひっそり暮らしているという噂。そのことが何故かとても気になりだし、彼女と関わりを持ち始める広海。ついに由貴美の家に上がることになり、『「襲わないの?」、閃光のような白い光が破裂するのを、実際に、目の奥で感じた。』と、二人の間が物理的に、精神的に重なり合う時間へと急展開していきます。そんな中、由貴美が広海に『私は、この村に復讐するために帰ってきたの』と語ったことから、物語は不穏な重々しい空気に包まれていきます。
この重苦しさに救いはありません。どんよりと曇った息苦しい空気が入れ替わることはありません。400ページという読書の先に待っているのは、内に内にと篭る沈鬱な不快感。嗚呼。
ただどうなのかなぁとは思います。少し前のこの国であればこのような村もあったのかもしれませんが、今は少子高齢化で過疎化、限界集落が加速度的に進んでしまっている状況から、このような汚い大人たちの闇に蠢く行動が支配するような村の寿命自体もう風前の灯���はないかとも思います。でも一方で、そう考えれば考えるほどに最後の広海の歩み自体何だか救いが余計にないような気もして、さらに気分が滅入りそうです。
この作品あたりから始まる辻村さんのこの沈鬱系統の作品群、ほぼ同時期の「鍵のない夢を見る」「盲目的な恋と友情」あたりもそうですが、かつての作品群とはすっかり趣きが変わってしまってどうも苦手です。ただ、ここまで他人の気持ちを不快に憂鬱にさせるというのは、それはそれで凄いことだとも思います。登場人物の心の内を複数の人との関係性を描く中でどんどん深くえぐってゆくところなどは、「冷たい校舎の時は止まる」の頃から変わらないと思いますのでこの辺りはとても読み応えがあります。なのでもちろん魅力的には感じるのですが、それにしても暗い、重い、救われない、光の見えない、光の届かない書名どおりの閉塞感に、ある意味強く印象に残る作品となりました。
最初から最後まで沈鬱で、ただひたすらに重苦しく救いのないストーリーでした、鬱。嗚呼。
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なんといいますか…
明と暗の物語を書く辻村さんの
暗の物語
なかなかの読了感。
救いがないです。
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文体は若干難しめだったが、途中からストーリーは入り込めた
謎が謎なまま終わってしまったが、これで良いのだと思う
面白い
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最初はロックフェスの話かと思って読み進めた。つまり、サブカル愛の話かなと。ところがどっこい、重くねっとりと裏切られた。昭和の地方のムラ社会をこんなミステリー仕立てで描ける30歳代の辻村深月って何者?!信じたものに裏切られ、そこで歪むこともできた高校生の主人公。彼の最後の選択は、この物語の救いになってるのでは。
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主人公が恋心を抱き、青春物語かと思えば、最後はゾッとするほどドロドロの人間関係に…眠れなくなります。
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出版して間もない頃に単行本で手にしたが、人物や世界観に入り込めずに流し読みしてしまった作品。
文庫も暫く積んだまま早数年。久しぶりに辻村さんが読みたくなったのを期に、ようやくじっくり読んだ。
正に黒辻村!狭い村社会の黒い歴史とか、由貴美を始め、父、母の思惑とか、もう色々どす黒い。
1番酷い仕打ちを受けたのは、広海でも由貴美でもなく達哉だと思う。ただ単に若いが故の経験不足とかで、下手な生き方しか出来てない良い奴じゃん……。
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切ないけど、続きが早く読みたくなるようなストーリー。ちょうどいい人間関係のあるところで生まれたい。知りすぎても、知られすぎても、生活するには息苦しい。
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権力とか政治の話はやや難しく感じてしまって少し苦手だなとは思ったけれど、登場人物の心情やその場面の描写が細かく的確に描かれていたのが良かった。
生々しいけれどどこか遠くの村の話。
不思議な世界観だった。
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久々の辻村深月先生作品でしたが、これもまた凄い話でした。狭い世界、閉鎖的なコミュニティに存在する独自のルールや、体制に抗って生きることの難しさを痛感します。そこに翻弄される主人公たちの企みと恋愛模様✨…個人的に辻村先生BEST3に入ります
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高校生の時、周りを下に見てしまう感覚、冷めたように振る舞うけど、本当はそんな自分がもどかしいような気持ちを思い出した。
独特の村社会は、こんなの実際にあるの?という気持ち含めて窮屈で苦しく感じた。由貴美の方に肩入れすれば、自分の中で作り上げた物語に依存していなければ、自分を保っていけない気持ちがよくわかると思った。
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高校生の広海が同じ村出身の女優と恋に落ちて、それと共に村の恐ろしい真実を知っていく物語。
冒頭の方から村の閉鎖的な部分に鬱屈した広海の心理描写がとてもリアルに自然に描かれていて、広海にすごく感情移入してしまいました。
その後、由貴美に恋していくのですが、恋に落ちていく描写が上手く、ひとつの恋愛ドラマを観ているようでした。
由貴美がミステリアスな雰囲気を漂わせている危険な女性だったので「広海!その女性はダメ!」と何度も思いながら読み進めました(笑)
「村」という小さな共同体の恐ろしさを感じると共に、若い頃の恋愛の勢いやエネルギーの強さにも恐ろしさを感じさせてくれる、思い出させてくれる作品でした。
老若男女問わず、誰にでもおすすめできる作品です。
若い人が読むのと、ある程度落ち着いた年齢の人が読むのとでは感じ方や感想が大きく変わってくる作品だと思うので、何度読み返しても楽しめる作品だと思います。
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田舎独特の閉塞感の描写がリアルで、体験したことないのに苦しくなった。
読者の想像を掻き立てる終わり方よかった。
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田舎独特の息詰まる閉塞感。
最後に希望があると私は思う。
でも、希望がないからあの終わりだったのか。
明るい未来を信じたい。