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高校の写真部に在籍する四人の日常の葛藤。可愛い友人と服を選ぶことに複雑なミラ、自分でもわからない似合う服を教えて欲しいような押し付けないで欲しいような面倒さの秋穂、孤高で才能もあるけれど遊びじゃないと認めて欲しくてくずおれそうなシズ。ハブっていた過去が終盤で反転するカオリの話は印象も反転した。
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高校の写真部に所属する4人の女子高生のそれぞれの視点から語られる短編集。
ハタから見るとキラキラして悩みや葛藤も無さそうな少女たちですが、容姿に自信が持てなかったり、学校や家の居心地が悪かったり、自分らしさを見失ったり、人知れず悩みを抱えています。
人は誰もが悩みを抱えて生きていますが、彼女たちはその若さゆえ、悩みに直面した時、立ちすくんでしまうのです。
自分の悩みが他人より深刻に感じてしまったり。
お互いに思いやる気持ちはあるのにうまく届かず、行き違いが生じてしまったり。
幸せになりたいのに、悩みを自分で作り出してしまう自家中毒な面もあったりして。
そんな彼女たちの繊細な心の動きを、カメラの性質や作用を利用した謎解きに沿って、優しく紐解いていきます。
謎としてはそんなに意外性は無いのですが、少女たちの心の機微の変化には感じ入るものがありました。
自分の気持ちに向き合い、それを受け入れることで、同時に他人の感情の蓋をゆるめることができるのかもしれないな、と思いました。
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小さな謎解きが面白くて、さらっと読めた。
高校生の友達関係、親との関係って、真っ只中にいると苦しい。何十年前のことだけど、思い出すとかなり苦しいから。
わたし自身、カオリみたいな時もあったし、シズみたいだった。
ただ、全然乗り越えずに進んでしまったなー。
きっと、それがあっての今なんだけどね。
でも、もう少し、楽しい高校生活、過ごしたかった。
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この作家さんの酉乃初シリーズの後にこの本を読んだのですが、こっちの本の方が語りすぎず甘すぎなくて好きでした。
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「あなたたちのイメージを、押し付けないで。」っていうのにすごい共感した。結局自分ってなんなんだろうって考えるきっかけになりました。答えは出なかったけれど。
カメラ詳しくないから調べながら読んでたら、フィルムカメラで写真撮ってみたくなった。
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かおりの話が一番はらはらしました。
様々な部員の視点からカメラが描かれている、青春溢れる素敵な作品でした。