紙の本
古代エジプト、タイタニック号沈没の夜、そしてアメリカ西海岸で起こる怪事件
2020/09/04 16:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
「文明の死は常に溺死である」
印象的な言葉に導かれるようにして、今回、御手洗潔が取り組むのは、密室での溺死事件。
とはいえこの物語は、そんなとおり一辺倒の紹介など拒絶するかのように展開します。
本編とどのように関係するのかわからぬまま読者を引き込む、古代エジプトを舞台にした悲恋物語。タイタニック号に乗り合わせた推理作家(ジャック・フットレルがモデルでしょう)が出会った奇怪な事件。
そして現代。スクーバで海に潜った御手洗が出会うのは、エジプト神話の冥府の神アヌビスを彷彿とさせる狗頭の怪人。
ミステリに読みなれたがゆえの、読者の固い頭を粉砕するかのごときストーリーの果てにあるのは、まさに「文明の死」の姿……。圧巻の傑作です。
投稿元:
レビューを見る
自分の伝えたいこと(この場合ピラミッドの解釈)を、本格推理に融合して、尚かつ読み物としてまとめ上げる才能には脱帽せざるを得ない。
なんだかもう、好きにしてくれと思いながら読むのを止められなかった記憶がある。
投稿元:
レビューを見る
惜しい。いつも壮大な御手洗シリーズの中でも群を抜いてスケールのでかい話なのだが、なんだろうこの歯切れの悪さ。作品に流れる雰囲気は最高なのだが……。
投稿元:
レビューを見る
空中で男が死んでいた。遥か過去のエジプト、タイタニック号沈没事件、現代のアイーダが交錯する入れ子細工の様なストーリイ。トリックも面白いですが、それを飾る物語も素晴らしいです。最後まで気を抜けないミステリ。
投稿元:
レビューを見る
暗闇坂まで読んだあなたなら御手洗シリーズの面白さはもはや語る必要はあるまい!この次は「アトポス」だ!
投稿元:
レビューを見る
御手洗シリーズ。人口ピラミッドの頂上部屋で男が溺死した状態で発見された。満足のいくラストだったけど、事件に辿り着くまでが長い!
投稿元:
レビューを見る
始めの三分の一ほどのタイタニック船上のピラミッドに関する薀蓄が私には興味がなくて読み進めるのが苦痛でした。
昔のエジプトの話も結局あんまり関係なかったみたいだし…。
御手洗潔がでてきてからはすらすら読めて面白かったと思います。
投稿元:
レビューを見る
御手洗潔モノ第5弾。再現されたピラミッドの中、地上30mの密室で溺死した謎を追う。タイタニックと古代エジプトの逸話を雰囲気づくりにちりばめ、大がかりなトリックで話をまとめた。はずだったが、宙ぶらりんのままの伏線やただの雰囲気づくりに終わった話などが多くて、ムダに伸ばして散漫な感じも。密室の謎もちょっと反則的な気が。でも、700ページ超の長さを気にさせず一気に読ませられる。面白いことは間違いない。
投稿元:
レビューを見る
最初のエジプトやタイタニックの話が必要だったのが甚だ疑問。その辺を端折って、もっとシンプルな作りだったら評価は上がっていたかもしれないです。
投稿元:
レビューを見る
エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが
5000年の時空を超えて突然蘇り 、空中30メートルの密室で男が溺死を遂げる。
アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。
壮大なテーマに挑んだ本格推理の名作。
投稿元:
レビューを見る
長編前作となる『暗闇坂の人喰いの木』で人気を博したレオナ松崎をヒロインに据え、発表された一連のシリーズの第二作。これ以降の三つの長編は順番に読まないと、どういう経緯でレオナが『アトポス』でドラッグ中毒にまで堕ちてるかがさっぱり分からないので注意が必要。
作りは『暗闇坂』のフォーマットに従い、物語本編と、幕間になる挿入話の交互展開で、かったるいです。長編二本を交互に入れ替わり読むつもりでないと、最後まで辿り着けないでしょう。これは『アトポス』に至るまで続きます。
トリック自体も無理矢理感が漂いますし、一連の作品を読まないならパスしたいところ。
投稿元:
レビューを見る
エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。冥府の使者アヌビスが500年の時空を超えて突然蘇り、空中30メートルの密室で男が溺死を遂げる。アメリカのビッチ・ポイントに出現した現代のピラミッドの謎に挑む名探偵・御手洗潔。壮大なテーマに挑んだ本格推理の名作。
投稿元:
レビューを見る
挿入されているメルヘンが長くて、こーゆー島田作品はこれが初めてだったから(古い読者なので)初めはつらかった。未だに挿入された意味が判らない(御手洗と石岡くん?)レオナの「ホモなの?」発言にはぶっ飛んだ(笑)
投稿元:
レビューを見る
途中で断念。
去年から断念した本は2冊目だけどやっぱりミステリー・・・
まだ半分くらいでこれからって感じだったけど、どうでもよくなってしまった。
比較的事件のトリックとか推理とかに興味が持てないのかな
投稿元:
レビューを見る
視点はタイタニックの船上、古代エジプト、そして御手洗たちの住む現代のアメリカを忙しく移動する。そこにはそれぞれの物語があり、それだけでも読み応えは十分。
この小説のキーワードは「ピラミッド」
ギザのクフ王のピラミッドは、何の目的で作られていたのか!?ということが、ストーリーの中心のテーマとしてある。それに対する斬新な新しいアイデアは、トリックとしてだけでなく一軒の価値がある。
トリック自体は、視覚的には非常に理解困難で、また非常に複雑。このエピソードは結末には結局不要!?という部分も多々あるが、それがさらにこの物語の現実感や厚みを増している。一気に読める、長編である。