夜と霧 新版 みんなのレビュー
- ヴィクトール・E・フランクル(著), 池田香代子(訳)
- 税込価格:1,320円(12pt)
- 出版社:みすず書房
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紙の本
強制収容所から見て
2007/09/09 21:27
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サイン - この投稿者のレビュー一覧を見る
強制収容所内での観察に基づいた書。
まさに生と死が隣り合わせの状態で、
「人間とは何か」
「人間の自由と何か」
ということを根底で考えている。
かといって、声高になる感じではなく、
静かに淡々と語っている感じである。
紙の本
良質な本に低質な解説。
2009/10/11 18:57
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の価値は今更言う事はないが、旧版の翻訳者のことばと新版のあとがきには同意しかねる。だから星一つを減らした。
確かに当時の日本がサンフランシスコ講和条約以降のような形での自由は存在しないにしても、(ナチスに負けない)超国家主義の悲劇、というと事実の誤認を導いてしまう。もっとも、当時を生きた人の回想だから、あれこれと言う事ではないだろうが。特攻について「彼」-昭和天皇の事を旧版の翻訳者は、こう書いている-が黙認した、とあるが、それを言い出したら、満洲事変から終戦までの歴史では、「彼」をはじめ、「彼」を輔弼する元老西園寺公望公や政府・軍の高官等が現地軍の暴走を「追認」してしまった事は、どうなるのだろう?(159~164頁)。
独りよがりな屁理屈で「満洲帝国」を生み出した石原莞爾中将のような昭和の軍の歴史で最悪の軍人が盧溝橋事件の後に参謀本部作戦部長として、不拡大路線を現地軍どころか、参謀本部の部下にさえ徹底出来ないのに。
そんな国家が大日本帝国というものだ。
ところで同じ版元から最近刊行された北御門二郎氏の著書には叔父が海軍中佐にしても、進んで兵役拒否をしても、おとがめなしなのは、どういう事だろうか?第三帝国だったら死刑なのに。
あとがきの「第四次中東戦争でアラブ側が初めて勝利した」(167~168頁)という緒戦のみに当てはまる事を拡大解釈したり、「1948年の『イスラエル建国』」(168頁)とイスラエル国家に括弧書きをおつけになる訳者は、この本の改訂版が出た1977年は、確か親の世代がヒトラーに同調した事に対する反発から生まれたはずのドイツ赤軍が「反イスラエル闘争」の一環としてエールフランス機をハイジャックして、ユダヤ人の乗客を「選別」したエンテベ事件を起こした年だという事をお忘れのようだ。
「受難の民が度を超して攻撃的になることがあるという。それを地に行くのが、二十一世紀初頭のイスラエルであるような気がしてならない。」(169頁)と訳者は語る。イスラエルが諸悪の根源だとお思いなのだろう。
1977年当時のイスラエルの首相はディール・ヤシン事件の首謀者で後にレバノン侵攻(ガリラヤの平和作戦)を行い、ファランジスト党民兵によるパレスチナ人虐殺を止められなかったメナヘム・ベギンという両親をはじめ親しい人々を殺したドイツへの憎悪を前面に出した政治家だし。
こんな反イスラエル的な事を語るより、ヴィーゼンタール氏の「ひまわり」を読んだ方がいい。
それにしても、「以徳報怨」を唱えた蒋介石総統はすごいと思う。何しろ国府軍は(中共軍も)ドイツ人への報復をして、ついでに日本兵達をシベリアに連行した労農赤軍と違って、日本軍の捕虜や在留邦人への大量虐殺をしなかったから、自称「新自由主義者」達は苦し紛れに昭和12年の通州事件で「野蛮な支那人」と言っているのだから。
岩波書店から出た「論語」の著者は蒋介石総統を批判しているところを見ると、報復してほしかったらしいが。(「論語 心の鏡」186頁参照)。
旧版と違って「収容所群島」でソルジェニーツィン氏に同伴者として再三批判されているバートランド・ラッセル卿の偽善的な解説が無くなり、活字が大きくなっているので読み易い。
電子書籍
絶望の淵に立たされた心理学者の考察書
2023/08/20 07:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もしもし - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユダヤ人の心理学者がナチスの収容所生活について記した書籍。
自身や周りの収容者や監視の心理状態を考察書物し、絶望の淵でも希望を持って生きながらえるにはどのような心理状態でいればいいのかの考察をしている。
絶望のなかにどのようにして希望を見出して生き抜くことができたことが記されているが、運に恵まれ生き抜くことができたからそんなことが言えるとも受け取れる。
生きる意味があるのかという問の答えをこの本から見出すことはできない。自分で見出すものと結論づけているから。