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明治のお嬢さま みんなのレビュー

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みんなのレビュー19件

みんなの評価3.9

評価内訳

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19 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

明治美人が一杯

2010/02/01 16:33

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

このところ、古い雑誌を読むのにはまっている。
昔の雑誌を読んでいると、
挿絵、表紙絵、広告や
奥付にある発行所の住所表記だけでなく、
表紙や各頁の紙の質など、
全てがその時代を語ってくれるのに気づく。
雑誌というのは、時代を表す情報の宝庫なのだ
という気がしてならない。

 本書は、そんな古い雑誌、
明治の『婦人画報』(何と、編集長は、国木田独歩!)や
『『女学世界』『婦人世界』などの
グラビアページに現れる上流階級の人々の生活や姿を中心に、
明治後期の令嬢達の姿を描いたものだ。

 例えば、この本の表紙絵をよく見ると、
『婦人画報』に載っているこのお嬢さまが
いかに裕福なのかが読み取れてくる。
一人のお嬢さまの絵は、立って、
箪笥の上の花瓶に挿した花を見とれている、
かと思ったら、箪笥ではなく、ピアノだった。
片手には楽譜を持っている。
1907年にピアノ!
どれくらいお金持ちだとピアノが買えたのだろうか。
もう一枚の絵は、イーゼルに立てかけられたキャンバスに向かって、
パレット片手に屋外で絵を描いているお嬢さまの姿。
油絵を描くというだけで、
どれだけ普通の人からはかけ離れているかが分かる。
こちらは、1900年。
『青鞜』がでるのが、1911年だから、
長沼智恵子よりももっと前に、
既に油絵を学んでいたお嬢さまの図なのだ。
 
 それは、本当に信じられないような不思議さに満ちている。
自由で裕福なお嬢さまの姿を感じさせ、
読者に憧れの気持ちを抱かせる。

 だが、本当にそうなのだろうか?
彼女たち、明治のお嬢さまは、幸せだったのだろうか?

 作者は、信じられない程豪奢な生活を送る上流階級の姿と
そこに潜む矛盾を見事にユーモアを込めて描いてみせる。
豪華で信じられない程広大な屋敷に住み、
大勢の召使いに傅かれながら過ごす生活。
でも、それは、逆に、
台所が遠すぎて、おつゆもおかずも冷めてしまい、
いつも冷たい食事を食べる生活を生むという。
お陰で熱いものが食べられない、
貴族独特の猫舌の体質ができあがるのだ。
いつでもどこでもお付きの女中が傍についていて、
お金にさわることは一度もないまま成人するお嬢さま達。
女学校へは行きも帰りも馬車や車で、寄り道はなし。
学生同士の交遊も学内止まりだという。
孤独で、籠の鳥の生活。

年頃になると、結婚が待っている。
上流階級であればある程、多くは政略結婚で、
お嬢さまには何の選択の自由もない。
話が決まるとさっさと女学校を退学させられてしまう。    

今とはかけ離れた豪奢の裏にある
不自由で孤独な生活には本当に驚かされる。

作者は、明治の上流階級の成り立ちや構造を優しく説明しながら、
豪奢な家の中で行われていた、
家存続のための「妾」問題に、読者の目を向けさせる。
妻妾同居や子供の地位などの家庭内における差別的な構造が、
多くの女性を政略結婚の道具とし、人権を奪ったことだろう。
悲劇の女性、九条武子や柳原白蓮を生んだ発端が見えてくる。

 それにしても、この本に載っている数多くのグラビアや、
写真を見ていくと、江戸時代から何年もたたないうちに、
明治は、まるきり美人の基準を変えてしまったという事に気づく。
数多くの写真は、現代においても美人と呼んで差し支えない
令嬢たちの姿を写している。

 そして、そんな美の追求にとらわれていくお嬢さま達
―痩せたい、美顔術を施したい、最新のカタログの商品が欲しいー
というお嬢さま達と同じ思いで、
今の女性が雑誌を見ている事にも気づかされる。

 そんな姿を雑誌の中に見いだしながらも、
作者は、美しくたしなみにたけ、
いざ戦争が起これば凛として、武士の娘として、
血を見る事も厭わず、看護の奉仕に馳せ参じた
明治の上流のお嬢さま達の姿も描き出してみせるのだ。

 矛盾と混沌に満ちた時代の中、
生き抜いてきた我らが曾祖母や祖母の姿を求めて、
明治のお嬢さまの麗しきお姿に満ちたこの書物の中を、
是非、彷徨ってみて欲しい。

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興味深い

2021/05/21 11:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:えぬ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ぼんやりとしたイメージの「お嬢さま」in日本を雑誌や資料から読み解く本。明治から近代までの女性の価値観の移り変わりとか、明治ぐらいから変わってない女性の目標とか偏見とか、面白かった。文章も読みやすい。

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2009/01/26 08:52

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2009/08/16 15:18

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2010/02/10 02:06

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2010/04/07 22:20

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2011/02/04 21:39

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2011/02/23 14:04

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2011/05/24 17:15

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2011/06/10 10:25

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2009/04/16 20:44

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2009/05/03 06:40

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2011/11/08 20:43

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2012/06/23 17:37

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2012/06/29 15:28

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