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新年一冊目はだいすきな伊坂さんとはじめましての阿部さんの合作を読破。伊坂さん色が強かったのでスルッと読めてしまったが、ラストがあっさりしていて少し物足りない印象だった。
しかし、ゴールデンスランバーやグラスホッパーの空気を感じてわくわくできたのでよし!
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世界で同時多発テロとか、いつもの伊坂さんのお話よりスケールが大きい。合作だからか。2人の割合を聞いてみたい。
そこらに落としてきた伏線が徐々に回収されるいつもの感じが気持ちいい。
1つ疑問が残った。「1945年にアメリカ軍が南京錠を開けたとき、すでに古い傷がついていたけど、結局それはだれがつけた傷?」
これも伏線だと思ってたんだけど最後まで拾われなかった。なんか読み落としてたかな。
殺されていく人が結構な数いる中でもどこかのんびりした雰囲気が途切れないのが不思議。
2人はおかしいくらい運がよくて、ありえないほどの偶然が重なってる。
そういうのって私の場合、いつもマイナス点になるんだけど、そんなの気にならないくらい面白かった。
==== 内容紹介 ====
小学生のとき、同じ野球チームだった2人の男。
20代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、
それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。
東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、
公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――
現代を代表する人気作家2人が、自らの持てる着想、
技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。
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(2015/5/25読了)
阿部さんと伊坂さんの合作です。いろんな作者さんたちの競作は経験があるけど、合作は初めて。
お互いに手直しししながら、作りあげる。どちらかの作風が突出していることもなく混じり合い、その化学反応がまた素晴らしい!まるでひとりの作家さんの作品かと思うほどでした。
阿部さん作品では、伊坂さんのお気に入りということで、「ピストルズ」は読みましたが、あまり楽しめなかったので心配でしたが、問題なし。
かなり現実離れしていることが起こっていても、どこか現実味があり、登場人物も血の流れる場面があるのに、流れるように生きている。驚く時も「えっ」とか「え?」ではなくて「え」
ポンセや映画館のお母さん、レッドなど、脇役もみんないい味出してました。
相澤と桃子ちゃんのラストは、今までの伊坂作品ぽくない感じだけど、伊坂作品を苦手としている方にはいいのかもしれません。
(内容)
世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。
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伊坂節炸裂のエンターテイメント。阿部和重はどのあたりを書いたのかわからないが、面白かった。ただ面白いだけで深い味わいは無かった。
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幼い頃に体験・共有した思い出って、大人になっても残っているもので、そして忘れないものなのだ。そのあたりの懐かしさみたいなものが、三歳違いの阿部さんと伊坂さんも共有していたのかな、というのが感じられた。
女の胸は取れる、というのが、ものすごく珍妙なのに、そのパッドをハンカチ代わりにするっていうのがナイスアイディア過ぎて、大好きなシーン。
世の中を守っているのは、実は歴史に名前を残す人ではなく、市井の人たちなんだろう。
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合作だが文章に違和感は一切ない。
エンターテイメントの王道って感じ。
ドラマ化、映画化待った無しの予感。
伏線や会話にらしさがでてる。
早い段階でオチはよめたけど、会話のやり取りだけで最後まで楽しめるのは流石だ。
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途中までは素晴らしかったが、後半は物語の展開のための種明かし、荒い描写になっている。
でもおもしろい。
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見事な逆転ホームラン小説。少年活劇。身近に居そうな憎めない相葉と冷静な井ノ原のコンビが絶妙。最初と最後にやってくれる田中が助演賞。伊坂ファンですが、阿部さんの本も読みたくなりました。
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面白かった!
阿部さんの本は今まで読んだことがないんだけど、どこが阿部ナイズドされてるのかな?と邪推しながら読むのも楽しかった(笑)
こういう陰謀論ぽい話なかなか好きです。村上病が何なのかはキーワードが出揃ったあたりでたぶんなーと思った通りで。
最後にヤクザの爺さんを活躍させる感じはなかなかズルい(笑)
ポンセは前世人間だろうなあ。
伊坂作品だと必ず最後にある、大きな事件が片付いたあとに別の結果からおまけ的な小問題の解決が出る展開「え、そこからそれ解決しちゃうかあ」が今回はなかったかな?という印象でした。
大筋がぜんぶごっそり解決してった。
しかしまあナイトデスドライブからのクライマックスはアドレナリン出まくりでした。
校庭のシーン、「テイクバック、ステップ、膝を開くな、振り下ろせ、腰を入れろ」、相葉と井ノ原と監督の声が重なって脳内に響いた!
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国民を欺く国家。
そういう題材ではあるが、子供の頃の思い出を引きずりつつも、今をなんとか生きようとする男たちの話。
一部の人はうまく時流に乗ってハッピーライフを送るが、大半は思い通りにならないことに翻弄される。
ま、さすがにここまでの荒波にさらされるのはないだろうけど。
国家を上げて(ここでも一部の人)国民を騙すのだか、それが正しいことだと信じて疑わずやってるので已む無しかもしれん。
その真実が暴かれそうになると、またそれを隠すために嘘で塗り固める。
知らぬが仏だね。
伊坂幸太郎と阿部和重の共著とのことだが、実は伊坂作品しか読んだことはなく、どこがどうだかは語れない。
でも時代が行ったり来たりする様子をうまく交えて展開させるのは伊坂幸太郎風かな。
あっという間に読みきっちゃったのだが、登場人物のこの後の様子が気になる。
ただ単に好奇心だけどね。
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伊坂幸太郎と阿部和重の共作。
小説の世界で共作というのは珍しい様な気もするが、
二人の個性がうまくぶつかり融合している感じ。
話の持って行き方はエンターテインメントとしてはさすが。
序盤から世界観に引きずり込まれ、夢中になっていた。
だがしかし、後半の失速感、
いや決して失速はしていないのだが、
描いていた世界がかなりの勢いで限界点を突破してしまった、
そんな感じを受けた。
今まで描いていた現実に突然魔法が登場してきたような。
だが、しかしそれは個人の受ける感覚の問題であって
物語の本質が損なわれるといったことではない。
この二人の物語をいつまでも読んでいたい、
久しぶりにそんな感覚に襲われた瞬間だった。
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めちゃくちゃ好きです、このお話。
阿部さんと伊坂さんの合作なのですが、普通に伊坂さんの作品を読んだような読後感。阿部さんの小説を読んだ事がないので、どの辺が阿部さんか分かりませんでした、すみません。阿部さんの著書も読みたくなりました。
冒頭、『ガイノイド脂肪に注目しろ!』って1文ですでに私はノックアウト(笑)引き込まれちゃいました。意味不明ながら勢いがあって「何?何?」ってなります。
小学生の時に野球チームのチームメイトだった井ノ原と相葉。大人になって再会し、トラブルに巻き込まれる。
村上病・B29の墜落・公開中止になった戦隊ヒーローの映画。色んな謎が絡みあって、最後見事に伏線回収されるまで、ノンストップ一気読みです。
ヒーローに憧れていた少年たちは、大人になってヒーローになれるのか?お金に困った二人が一発逆転を目指して悪戦苦闘する。まさにエンターテイメント!!!!
ハラハラ・ドキドキの展開。
少年の頃の体験・思い出が二人を救うのを読んでいると、今息子がサッカーをやっているのも悪くないかと思えた(笑)サッカー選手にならなくても、何かしら得る物はあるはず!
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期待どおり面白かった!映画化しそうな気がするな。まだまだこれから読む、って人が多くネタバレしそうだからアレだけど、伊坂氏、阿部氏共々の良さが出ていて、一行もダラッとするところがなく一気に読破!こういうコラボ作品がこれからもっと増えてほしい。
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まず、冒頭。二人の文体がめちゃめちゃ混ざり合っていて、めまいじみた酩酊感に襲われる。「おいおい、このペースで全章書かれたらついてゆけんよ」と思っていたら、そんなのは冒頭だけで、残りはマイルドな混ざり具合だった。どっちが書いているのか、はっきりしない場面も多かった。合作として成功している証拠。
合作といってもいろいろある。ロックバンドのコラボなんかだと、曲の輪郭のよくわからない合唱に落ちてしまう失敗作が多いと思う。でも、この作品はお互いのいいところがちゃんと混ざり、引き出されていた。伊坂のえぐみ的な部分が出そうになると、阿部がさらっと乾いたギャグでさらっていく、みたいな。おかげで読書疲れする暇もなくするする読めた。
しかし、これでいいのか、という気も同時にした。もしも灰汁を完璧に掬い取ってしまったらスープは元の白湯に戻ってしまう。そんな不安感が常によぎる作品でもあった。美しい、物語としての完成形でなくて、ガツンとパンチの利いた主張が聞きたかったら個人作で、となるのかな…。
やむにやまれない事情があって、事件に深入りしていく相葉と井ノ原。その「切実さ」は事件の首謀者側も持っていたものではないか、と私は思う。やむにやまれない事情があったら、人は何をするかわからない生き物。はっきり言っているわけではないが、太平洋戦争やテロといったモチーフが見せているのは、窮地に追い込まれたもう1人の相葉・井ノ原がしでかした事態のようにも見える。
そして、リーダー不在のまま進む物語にも勇気がわく。野球のキャプテンを決めようとしてなすりつけあいになる、ああいう場面は人生の中で誰もが一度は経験してるのでは。現実の世界にはリーダーなんてほとんどいない。ブルーとグリーンあたりでなんとかしなきゃいけないことがほとんどだ。それで、本当になんとかしていくんだから、感動する。
結論としては、軽快なテンポと重厚なテーマがバランスよく組み合わさった、喉ごし・後味ともに隙のない作品でした。
2015.1.26追記
「切実さ」を持った人間がしでかしかねないことについて、テロや戦争も「切実さ」を持った人間のすることなのではないか、という部分について、近頃のニュースを見て、考えが少し変わったので追記。
本書では「でも、人殺しまではしない」と相葉自身が言っているように、「切実さ」があると人はいろんなことをしてしまいがちなことを示しつつ、それと残忍な行為は無関係であることもはっきり言っているように思う。
戦争加害者側、事件の首謀者側の「言い分」が語られる場面がこの小説には用意されているが、それを聞いても、そこに人殺しが許されるほどの「切実さ」があるようには感じられない。
「そうするしか本当に方法がないのか?」暴力の正当性に関するこうした問いかけは『SOSの猿』、『重力ピエロ』などの伊坂作品でも度々登場するテーマだ。「切実さ」ゆえになにを自分に許すのか、どういう優先順位をつけるのか。ひとりひとりが自分に問いかけなければならない、と作者たちは言いたかったのではないかと思う。
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うーん、久々に伊坂さん読んだけど、ちょっと外れかな…昔はあんなに伊坂シリーズ大好きだったのに、趣味が変わったかな?