紙の本
がっかりです
2015/01/29 17:09
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宣伝を見て読んでみましたが、一度読んだら二度と読むことはない本だと思います。
奇抜な登場人物設定など、エンターテイメントを狙った作品だと思いますが、スリルで楽しむというより、残虐と人間の薄っぺらさだけが残るような作品でした。
紙の本
なぜか違和感が?
2018/05/29 16:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
見知らぬ男に誘拐され、監禁されてしまうアレックス。しかし、事件は誘拐事件から思わぬ方向に転がり始めます。
個人的感想
イギリス推理作家協会賞受賞作ということで読み始めましたが、なぜか徐々に胸に積もる違和感。
あっ、これフランス小説だ・・・。
全体に流れる暗さと、だるさと、お下品さと、救いのなさ、後味の悪さ。
良くも悪くも「おフランスもの」です、好き嫌いが分かれるところでしょう。
私は苦手、ごめんなさい。
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面白かった!どこへ向かうのか、なにが原因なのか、全く予想できなかった。逆さから読まされたような、そんな感じでした。キャラクターも良かったが、最後もう一息長めにたたみかけて欲しかった。
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これは展開が読めなかった、やられた。美しい女を狙った誘拐事件と思われたものが二転三転。手口の真意がわかったときの荒涼とした気持ちとわきあがってくる怒り。最後まで読んでひとつ思いだした作品があるので、読了者と語ってみたいなあ。
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若い女性が誘拐され監禁されるところから話が始まる。監禁の様子が壮絶で、女性が気の毒になるのだが、読み進めるうちに読み始めの感情がふっとぶほど展開していく。
この分量で、この展開の意外さを出してくるのに驚いた。加害者とか被害者とか正義とか偽善とかがなんだかわからなくなる作品。さわやかな読後ではないが、頭に残りそう。
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息つく暇もない監禁サスペンス…はただの序章。
登場人物が個性的で覚えやすかった。
そしてとにかく素晴らしい表紙とタイトル。
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評判が良いという噂を聞いて読んでみたけど、その名に恥じない作品だと思います!
とにかく完成度が高い!!
ネタバレせずに感想を述べるは不可能なので割愛しますw
主人公に対する感情がこう二転三転するのは久しぶりでした。
とりあえず読んでみて!!
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某サイトのレビューで詳細なネタバレが多く、読み始める前に展開丸分かり。かなり読む気が殺がれたが、読み始めたら一気読み。展開が分かっているのに先が気になってページを捲る手が止められなかった。
ただ、過去についてのアレックス視点の心情が描かれていないので、全体的には淡々とした印象。アレックスの最終目的は、恐らく刑事達の選択(=結末)だと思うが、それはあまりにも運任せでは?警察がそれを選択するように誘導するにはアレックスと警察サイドに関わりが無さ過ぎる。あの結末に持ち込む為の決定打に欠けている(と思う)。しかも、あれで裁判で勝てるのかは疑問(本筋とは関係ないが)。
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急展開により小説2本分の面白さ。ミステリファンを心底痺れさせてくれる。怖さと面白さと悲しさと、読後感も良い。55歳デビューで8年で7冊、そのほとんどが賞を受けている。他の作品もぜひ読みたい。
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三部からなる。
読者の予想の上を軽快に疾走する推理小説。
薄っぺらい日本の作家に飽きた人向け。
第一部。
物語は自分の魅力を理解して巧みに利用する女アレックスが誘拐されるところから一気に加速する。
誘拐目的は何なのか。
アレックスは膝を抱える体勢がやっとという木箱にはいって床から1m半離れた宙に釣り上げられている。
誘拐犯は1日2回写真をとり、水とドックフードを与える。アレックスは身動き取れず尿便を垂れ流し、体は痙攣が襲う。死臭を放ちつつあるアレックスの周りにはネズミが集まり始める。それでも懸命に生にしがみつく。
水面下では警察が誘拐事件をしり、必死でアレックスを探している。はやくはやくアレックスを見つけて!とハラハラする読み手の私。そしてなぜこんな誘拐をされてるの?異常者なんてオチはやめてよ、とページを急ぐ。
なにかがおかしい。
アレックスは誘拐犯から逃れ、脱走した。
第二部。
誘拐の理由が解き明かされる。アレックスはやりたかったことを次々に実現していく。
警察は誘拐被害者ではなく、殺人者としてアレックスを追う。しかし、偽名を駆使して獲物を落とすアレックスにはなかなかたどり着かない。アレックスは生きる理由をやりとげる。
第三部。
丹念に捜査をつづけた警察のターン。
ここでアレックスの全てが晒される。
ラスト。
警察は殺人容疑で犯人を逮捕する。
「われわれにとって大事なのは、(略)真実ではなく正義ですよ。そうでしょう?」
真実では救われないこともある。
正義によって胸が掬われる。
手元に残したい逸品みっけ。
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意外な展開と言われてましたが第一部で90%くらい理由やアレックスの成り立ちや秘密は予想できた。
ヒントは巧妙にぼかしていたが、必要な伏線はは全て提示されていてサスペンスになている人なら多分丸分かり。
伏字にすると
恐らくアレックスは×に×されている。
そして×は×にアレックスを×した。
アレックスは×できない×だろう。
その理由は×だから。
全部当たりましたが、ただレベルが……予想のうえをいく凄さ。
そして、さすがにあれの伏線があれだとは予想できなかった。
アレックスは第一部で身動きできない籠、――皮肉にその拷問用の檻は「少女」という名前――から、あらゆる方法で脱出を試みる。
やらなければならないことをを成し遂げるために、飢えや乾きによる死のうえをいく悍ましい仕掛けにすくみそうになりながらあがいてあがいて生き抜こうとする。
その写真を見たもう一人の主人公カミーユの直感するところの、『ろくでもない女』にしては彼女はひたむきで強い。
ところが首尾よく脱出した彼女が始めたことは、自分の予想とまるっきり違うことで驚いた。
途中、自分の仮説と矛盾する部分があり、外したかーと思ったら実は的中だった。
それがわかった時、やりきれない気持ちでいっぱいになった。
ネットを見ると似たことを嘯く人間はいっぱいいる。
男はもちろん女も。
この前はこの国の良心であるべき存在まで、公式の場でそんな見解を示した。
この物語がこの道筋を辿らざるを得なかった理由が、分かる気がする。
世界はそんな理屈で生きてるやつで溢れかえっているのだから。
そしてアレックスを追う刑事たちも個性豊かだ。
主人公カミーユは天才女流画家の息子として生まれ、その才能も受け継いだが母親のニコチン中毒が原因で145cmという低身長に悩まされている。
そんな彼を愛し支えていた妻のイレーヌを誘拐殺人で失った痛手からいまだに立ち直れていない。
そんな彼を心配して敢えてこの誘拐事件の調査につけたグエン。恋多き男で大柄、階級も上だが対等な友人。
さらに、かつての部下で超資産家でお坊ちゃん、物腰優しく博識でハンサム…なんか浅草にそんな刑事いましたよね…ルイ。カミーユを常にフォロー。
最後にケチのアルマン、買い物頼まれたらしっかりお釣りは着服するとんでもない刑事だがカミーユの母親をなぜか尊敬している。そしてカミーユの観察眼によると彼はケチだが太っ腹らしい。
ここ迄くると、なるほど三銃士か!と納得する。
アルマンはポトスでアトスがグエン、アラミスはもちろんルイ。しかし、とうのたったダルタニヤンだ。
けれど、彼らのさわやかさがこの話を救ってくれる気がする。
彼らが、最後、『正義』と『法』、どちらに重きを置くか語るシーンがある。
その選んだものは良くも悪くもフランス人らしいと思った。
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真実と正義、一見同じ立場にあるように見受けられるがしばしば対局の位置に座することがある。ミステリーの視点からというのが、斬新な切り口であった。闇を抱えた警部の心情や癖が、事件に向き合いつつも過去に翻弄されている様子がリアル。
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アレックスという女が拉致監禁される所から始まるミステリー。カミーユ警部の生き様を挟みながら話が進んで行く構成。どんでん返しの結末だが起こった事は全て理由があり原因がある。憎しみの種を摘み取る為の犠牲とも言えるかもしれないと感じた虚しい話でした。
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30歳の美しい女性アレックスが正体不明の男から拉致され、身動きできない檻の中に閉じ込められるというのが発端。この監禁描写はリアルで緊迫感にあふれるが、物語はここから想像もつかないところに着地していく。
一種の叙述トリック。どこから語るか、どう語るかで物語の様相は大きく変わる。それを計算し尽くした構成が秀逸だ。トリックだけで成立したミステリーは読み終わっても驚きしか残らないが、この作品には重い読後感がある。
訳者あとがきにミステリマガジン2013年12月号のオットー・ペンズラーのコラムが引用されている。引用されていない部分を引用しておく。
--------引用ここから---------------------
警官たちは有能かつ勤勉で、事件は解決したかと思われるが、何もかもが予想通りには進まない。もし、最初の百ページですべてわかったという読者がいたとしても、私は信じない。
酷すぎるほどの暴力描写があり、フランス語から英語への翻訳も完璧ではないが、Alexは英国推理作家協会賞のCWAインターナショナル・ダガー賞を受賞するにふさわしい作品だ。
--------引用終わり-----------------------
事件を捜査する主人公カミーユ・ヴェルーヴェンをはじめパリ警視庁犯罪捜査部の面々が魅力的だ。このシリーズ、もっと翻訳してほしい。
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ある日路上で誘拐・監禁された女性アレックスを
警察が追っていく物語。
アレックスの立場は、見知らぬ男に突然襲われた
か弱い被害女性のはずだったのに…。
そうだったの?そんなことになってるの?
ああなっちゃったの?そこが狙いだったの?と
読者は有無を言わさず、ぐるぐると連れまわされます。
話はよく出来ていて、思ってない場所に連れていかれ
先がとても気になるのですが…。
私には重すぎたのかも知れません。
一気読みできず、ちょっと読むとグッタリして
十数ページで眠ってしまう日々が続きました。
自らの意志というより、誰かに進まされているような
後戻りが許されない暗い深い階段を下りていく感覚。
そんなアレックスの緊迫する状況と渦巻く怒りのエネルギーに、
読み手として同行することを無意識に拒否してたのかも知れません。
アレックスを追う警察側の絆。
ワケありの警部カミーユと、
カミーユを助ける周囲の者たちの組織力・人間力に
ちょっと救われた一冊です。
よく最後まで読めたものです。
でも最後まで読まないと…この物語は全く別物になってしまいますからね。