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2023/09/16 21:22
投稿元:
全10巻の為、今後自分が混乱することを防ぐためにも、あらすじを主としたレビューです。
その為、いつもにも増してめっちゃ長いです。
スミマセン。
①桐壺
冒頭の「いつの御代のことでしたか、……」
それだけでもう、これこれ!と、心は平安京へ。
帝のあまりの寵愛ぶりに妃たちが妬み、
桐壺は酷い苛めを受けていた。
「打橋や渡り廊下の通り道のあちこちに、汚いものなどを撒き散らし……」
えー引くわ。。。
妃たちよ、気品や気高さはどこ行ったー!
元々桐壺は、腺病質で弱々しく、気苦労の耐える間がなかったとある。
更に桐壺の部屋は帝の清涼殿から一番遠い淑景舎。
可哀想に。
いつの時代も苛めは身勝手で残酷で醜い。
帝の妃や女官たちは後宮に暮らしていた。
後宮には淑景舎の他に様々な建物があったけれど、清涼殿に近い建物ほど格上となる。
そう、桐壺はそれほど高貴な家柄の出ではないのだ。
桐壺は次第に病んで衰弱してゆくが、帝との間に「世にもないほど美しい玉のような男の御子さえお生まれに」なった。
衰弱した身体でよく耐えたなーとは思ったけれど、
「よほど前世からのおふたりの御縁が深かったのでしょうか、…」と式部さんが雅におかわしになったので良しとする。
そんな美しい若宮が生まれたものだから、帝は余計に愛おしく思い、
跡継ぎである一の宮は既に生まれていたのだから、当然妃たちは面白くないし、周りもソワソワする。
いやいや帝よ、帝なんだからもう少し上手に立ち回ろうよ…。
そのうちに桐壺は重態に。
ようやくお里下がりのお許しを貰えるが、時既に遅し。
亡くなってしまう。
中々お里下がりを許さない帝の稚拙さ。
いや、それほどまでに桐壺が愛おしく、一瞬たりとも手離したくない気持ち。
もう宿命としか言いようがないな。
この時代は死=穢れとされていたから、帝のおられる内裏で死ぬなどあり得ない。
死を迎えるために里へ帰ったようなものだ。
亡き子を思って泣く北の方が不憫でならない。
「鈴虫の声のかぎりをつくしても ながき夜あかずふる涙かな」
胸が痛む。
やがて若宮が宮中へ上がり、北の方もこの世を去る。
まだ七つだというのに、若宮の聡明で人たらしな様といったらこの上ない。
そんな時、よく当たると評判の人相占い師がやってくる。
高麗人である占い師は、ここで、暗示めいた発言をする。
『将来、帝王の最高位にのぼるべき人相をそなえているが、
帝王になるお方として占うと、国が乱れ、民の憂いとなることが起きる。
それならば国家の柱石となって、補佐役として見立てればどうかと思えど、その相とも違う。』
そんなわけで若宮は臣籍として源氏の名を与えられる。
いよいよ、亡き桐壺に生き写しの藤壺が登場。
「帝は亡き人のことをお忘れになったわけではありませんが、いつとはなしに、お心が藤壺の宮へ移ってゆき、この上もなくお心が癒されるようなのも、これが日との心の常なのでしょうか」
式部の描く「人の心の常」が、仕方のないこととは言え虚しく悲しい。
けれど源氏の君も、母親への憧れから、藤壺に思いを寄せていく。
(他の女御や更衣たちより、藤壺は若いのです)
そして何かにつけてちょいちょい描かれるのが、弘徽殿の女御の気の強さと気性の激しさ。
桐壺へ向けられていた意地悪い心は、藤壺と源氏へと向けられてゆく。
でも、弘徽殿の女御もたまらないのだろうなぁ。
家系丸ごとプライドを踏みにじられるような思いに違いない。
と、ここへ政治的な力関係まで絡んでくる。
左大臣の娘(葵の上)が源氏の君と添うよう、帝と左大臣の二人で進めてしまった。
右大臣の立場は弱くなってゆく。
②帚木
「源氏物語」って飲み始めるまでは、光源氏が自身の美しさから多くの女性たちを虜にし、浮き名を流してきたという話だと思っていた。
この世のものとは思えないほど美しい源氏の君の、女性たちとの華やかな日々。
でも
「…源氏の君はずいぶん世間に気がねなさり、表向きは真面目らしく装っていられたので…」
とあり、普段は、彼は彼なりに人の噂などを気にして行動していた事が分かる。
宮中なんて狭い世界だろうし、人の噂は恐ろしい。
"帚木"では源氏の親友である頭中将の他、左馬頭と藤式部丞も現れて、女性談義に花が咲く。
どうやら彼らは恋愛経験豊富。
そこで源氏は問うのだよ、
「その中流、下流とかの階級というのは、どういうことなのだろう。何を基準にして上中下の三つの階級に分けるのですか。」
外見だけの美しさだけではない、人としての源氏の君の魅力を、ここに感じてしまった。
この物語で紫式部は、源氏の君だけでなく、他の登場人物にも、この世の真理や人の世の無情を然り気無く語らせる。
脇役だからと侮るなかれといったところ。
それが平安の世だけでなく現代にも通じる部分があるのだから流石だ。
"中流にこそ風情がある女性がいる"などという話も飛び出す。
それぞれの体験談がとても面白い。(このシーン、源氏は聞き役だ)
左馬頭は武勇伝でも語るかのように饒舌だが、私にはどうも最低の黒歴史に思えてしまう。
ところで。
以前足しげく通っていた女性が、他の男性と笛と和琴、和歌を謡いあってイチャイチャするのに居合わせるシーンは、
「………と、いちゃつきあいまして…」など訳が面白い。
寂聴さん訳ならではの面白味なのかな。
それにしても藤式部丞のやり過ごし方が巧みで、話も面白くてニヤリ。
こうなると、他の方の訳本も少し気になるところだ。
左馬の頭の長台詞は3ページ半、2行のト書きを挟んで更に3ページ半もにおよぶ。
おいおい…。
「器量も綺麗で、年頃もうら若い女が、自分では少しの塵もつかぬようにと、立ち居振舞いに気を配り、手紙を書いても、おっとりと言葉を選び、墨色も薄くぼんやりと書き、男にじれったく気を揉ませ………」
平安の世の駆引き。
今で言う"あざとい女"って事だよね。
薄墨に関しても、平安時代でも訃報を知らせる時などに用いられたと聞いていたけれど、
こんな技��あったのだと興味深く読んだ。
「手折ればこぼれそうな萩の露のように」
「玉笹の上の霰にも似た、いかにもはかなそうな」
など、比喩表現も美しい。
さて、左馬の頭と藤式部丞の語りはきちんと前振りとなっている。
このあと登場する空蝉は、まさしく中流女性だ。
で、ここでの源氏の振る舞いにビックリな私。
それでも別れ際の源氏と空蝉との和歌のやり取りが上級で、おぉ!と思う。
つれなき、泣き、(鶏が)鳴き…と韻を踏み、
鶏の鳴き声や響きと、空蝉の鳴き様、源氏のせかされる心など、意味合いも情景も重ねてくる。
そんなシーンに式部さんは有明の月を添えたりするものだから、
身勝手な源氏の行動が生んだ結末さえ、哀れで儚く美しいものに思えてきてしまう。
どうも私は紫式部に飲まれっぱなしだ。
空蝉の女心、姉心が痛ましかった。
★帚木
遠くから見れば箒を立てたように見えるが、近寄ると見えなくなるという伝説の木らしい。
近づいても逢ってくれない人、逢えそうで逢えない人の喩えに用いられたとか。
また、「ははきぎ」の「はは」が「母」に通じることから、まだ見ぬ母の喩えにも使われた。
★「あの物語の、好色で有名な交野の少将」
=「交野少将物語」。
作者は不詳らしいが、「源氏物語」が執筆されるまでは"美男子"といえばこの方だったようだ。
★撫子
秋の七草の1つだが、夏から秋にかけて花を咲かせるのでトコナツとも呼ばれた。
③空蝉
え!?「ままよ、それもよかろう」って。
良くないだろーよ、人違いで空蝉の義娘(軒端荻)と契るだなんて。
でもこういうこと、本当にありそうで怖い。
お互いに傷付きそうだ。
恋多き男、危険だなー。
ちなみにこれまでの出会い、手の指が見惚れるほど綺麗な男性は皆ろくなもんじゃなかった 笑笑(←完全に個人的見解です)
さて、空蝉が逃げる際に脱いでいった薄衣を、持ち帰った源氏の君。
この時代は着物に香を焚きしめていたりするから、暗闇に源氏が現れても彼の香りが先に漂ってくるし、空蝉もきっとそのようにしているはず。
伏篭といって、香を焚いた上に竹の籠をふせて、その上から装束を被せて香りを移す。
空蝉とはセミの脱け殻だ。
でも少し検索してみれば、空蝉とは古語の「現し身(うつしみ)」に通じていて、この世とか現世の人という意味だと知った。
「現し身」が転じて「空蝉」なら、なんとも現世の儚く無情な。
源氏はずっと、亡き母の面影と温かさを追い求めているわけで、
物心ついた時には実母は彼岸の人。
似ていると慕う藤壺は帝の妻。
こうして追いかける空蝉にはするりと逃げられ。
華やかな見た目や女性関係とは裏腹な源氏の真の姿が哀しい。
でも空蝉は、本当は人知れず源氏を想っている。
「空蝉の羽におく露の木がくれて しのびしのびに濡るる袖かな」
いやいや…美しいなぁ。
式部さんの描き方もクスリと笑えるところもあれば、悲しく美しい情景にうっとりさせたり、読者を飽きさせずに先へ先へと誘ってくれる。
各章のタイトルも楚々として美しい。
それが女たちの名であるわけだし。
④夕顔
ニ章の「帚木」でこずかれて藤式部丞も話をしているのだが、
その時に語られた"常夏の女"が、この夕顔だった。
この章の夕顔の咲く様が可愛らしい。
「鮮やかな青々とした蔓草が気持ちよさそうにまつわり延びていて、白い花が自分だけさも楽しそうに、笑みこぼれて咲いています」
それが粗末な小さな住まいの、粗末な板塀に咲いているのだ。
これから登場する夕顔の人柄も暗示させる。
まず始めに源氏の心を惹き付けた、夕顔の歌は
「心あてにそれかとぞ見る白露の
ひかりそへたる夕顔の花」
扇に、"当て推量で、あの方ではないかしら?と思っています"
という歌が、風流な筆跡で書き流してあるという場面。
「それとなくほのかに変えてある筆跡も、上品らしくわけありそうに見えます。源氏の君は思いのほかにお気持ちをそそられ……」
やっぱり字が綺麗な人には心惹かれるよね。
綺麗なうえ、そこに仄かに癖が表れていたりすると、どんな人だろう?って気持ちをそそられるのも分かるなー。
ここで源氏の君が、努めて自分の字ではないように筆跡を変えて返す歌が、これまたニクい。
「寄りてこそそれかとも見めたそかれに
ほのぼの見つる花の夕顔」
相手が歌に使った言葉を繰り返して韻を踏む。
しかも、近寄って夕顔の花の正体を見定めては如何ですか?と挑発する。
風情のあるな~。
しっかりと対面で話せない、男女の出会いにおいては危うい慣わしだけれど、
焚きしめたお香が先に香ってからその人物が現れたり、
立ち去った後や着物からの残り香や、
筆で書かれた和歌の内容から、まだ見ぬ相手を思うのはロマンチックとも言える。
さらには、和歌を詠んだその墨の濃淡や、相手が吹いた笛の音に琴で応えるなんてことも、男女の駆け引きになり得る。
時には庭に咲く花や、屋敷の佇まいまでもが、人を惹き付けることもある。
相手の知らぬ間に御簾や垣根から覗いた時に、上品に振る舞っている様子に品を感じる事もあれば、逆に気持ちが緩んで奔放に振る舞っている様に惹かれる事もある。
式部さんはその辺りの事柄を描くのが上手い。
優雅であればこそ、人の世の無情も炙り出される。
これは夕顔の歌。
「山の端の心も知らで行く月は
うはの空にてかげや絶えなむ」
これから沈んでいこうとする山の端の本心も知らないで
そこへ近付いていく月は空の途中でもしかしたら消えはててしまうのかもしれません
この後、女の物の怪が現れ、夕顔は死んでしまう。
歌としてだけでも美しい喩えなのだが、この先の展開も暗示していて見事。
それにしても懲りない源氏の君。
自身もあんなに傷付いて、死ぬかもしれないなどと言いながら長らく伏せっていたのに。
皆それぞれの魅力や可愛らしさがあるのだろうけど。
「今日はたまたま立冬なので、それらしく空は時雨れて、もの淋しい風情をたたえています」
朝晩の日の傾きや、その季節ならではの様子を物語の展開になぞらえて、情景が感情に訴えか���る。
★揚名の介
「夕顔」の巻に「揚名介なる人の家」という形で1ヶ所だけ現れるが、『源氏物語』が古典・聖典となった鎌倉・室町期には揚名介の意味が分からなくなっていたらしく、『源氏物語』の古注釈書などで「源氏第一の難義」あるいは「源氏物語三ケの大事の一なり」等と呼んでとして秘伝扱いされていた。
★六道
天上、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄
⑤若紫
瘧病を患った源氏の君は中々回復せず、北山の寺に優れた僧(聖)がいると訪れる。
北山の聖のもとを去る際に、源氏の君が山桜の美しさを詠んだ歌
「宮人に行きて語らむ山桜
風よりさきに来ても見るべく」
山桜が○○のように美しいなどと詠まずに、「都に帰ったら、花散らしの風よりも先に来て早くこの花を見るように、大宮人たちに聞かせます」と詠んでいるのに痺れてしまった。
この方が伝わるし、風情があるし、人の心も体も動かす。
一方、聖は、
源氏の君の"まだ見ぬ花"のようなお顔を拝めるなんて嬉しいと
泣きながら歌を読む。
それほどまでに源氏は美しいってことだよね、凄いな。
そして独鈷を献上する。
更に、聖徳太子が百済から手に入れた(!)数珠に玉飾りのついたものを、送られてきた時のままの唐風の箱に入れて、透かし織りの袋で包んで、五葉の松の枝に結び付けて贈っている。
それから瑠璃の壺に薬も持たせてあげている。
薬壺は藤や桜の枝に結び付けて、山里らしさを演出して。
これだけじゃなく、「さらにあれこれとそえて献上いたしました」というから凄い。
源氏の君もお布施だけでなく色々と用意していたものを渡している。
「そのあたりの樵夫(きこり)にまで」相応の物を渡したというのだから、こちらも凄い。
なんかもう、別れも1つの儀式だ。
それから更にみんな泣く。
下級の僧や召し使いの童たちまでが、別れが辛くて名残惜しいと泣く。
で、泣きながら、この世のものとは思えない美しさだと言い合う。
もう何度この言葉を目にしただろう、"この世のものとは思えぬ美しさ"だと式部さんはゴリゴリに刷り込む。
僧都にこんなことまで言わせる。
「…どうした前世の因縁で、このようなすばらしいお姿で、こんなうっとうしい日本の末世にお生まれになられたのかと、お姿を仰げば悲しくてなりません」
そんな美しさ、ちょっと笑ってしまうほど私には想像もつかない。
私まで何度も言ってしまうが、源氏の君という人は、加えて筆跡も美しく、学芸にも秀でており、心遣いも素晴らしいのだ。
先に記した六道でいうと人間界は天上の下。
源氏の君の美しさは神の領域なのに、何がどうして人間界なんかに…ということだよね。
もしかして天上よりもっと上、極楽浄土が相応しいという意味まで崇めてるのかな…。
天上は六道の中では一番上なのだけど、極楽浄土とは違う。
楽しみの多い世界だけれど、天上でも惑ったり悲しんだり、寿命もあるのだとされている。
けれどそんな源氏の君も、妻である葵の上とはずっとギクシャクしている。
気高く美しい女性なのだけれど、「歳月がたつほど他人行儀にな���、お互いの心が疎遠になってゆくのです」
そうなると余計に他の女性たちのことを考える。
目下、源氏の君が気を惹かれているのは、
北山の尼に育てられている少女(若紫)だ。
ここで明かされるのは若紫が藤壺に似ているということ。
実際、若紫は藤壺の姪だった。
ただ、若紫はまだ幼い。
18歳の源氏の君に対して、若紫は10歳くらいだ。
周りの者には好色が過ぎると思われてしまうけれど、(それもあるのかもだけど、)ずっと母親(桐壺)の面影を追いかけているんだよね。
藤壺は生き写しかのように桐壺に似ているわけだし。
そんな中、藤壺との再開を果たす源氏の君。
そして藤壺は源氏の君の子を宿す。
勘違いして喜ぶ帝。
こうなると恐ろしく思うのは藤壺だ。
悲しき運命だよね、どうしてこうも彼のお方は、周囲の女性たちを苦しめるのか。。。
ここでまたも夢占いが先を暗示する。
「…その御幸運の中につまずきごとがあって、御謹慎遊ばさねばならぬこともございましょう」
もしや藤壺が宿したのは自分の子ではないかと、源氏の君も思うのだ。
チラッとしか書かれていないが、帝、藤壺、源氏の君が同席する場面もあり、二人の気持ちが察せられる。
さて、若紫の章はあれこれと事態が変ずる。
若紫を育てていた尼がこの世を去るのだ。
このままでは若紫は、父親の元へと移ってしまう。
源氏の君はかなり強引な手段で若紫を二条の院へ連れ帰ってしまう。
いやいやいや…これはちょっと気持ち悪いぞ 苦笑
これまでどんなにあちらこちらの女性と結ばれても、まぁまぁ理解出来たけれど。
源氏の君の物腰が柔らかい分だけ、犯罪者の香りがする 笑
それに勝手に連れ帰って、若紫の父君はどーするんよ。。。
なにわともあれ、次第に若紫は可愛らしくも源氏の君に慣れ親しんでゆく。
無邪気で可愛らしい様が、文章のそこここに散りばめられて、なんとも微笑ましい。
彼女こそ、のちの紫の上だ。
★瘧病(わらわやみ)
熱病の1つで、発熱・悪寒が間隔をおいて起こるもので、マラリアに近いもの。
それにしても紫式部の文才よ!
次々と転じてゆくストーリーも面白い、
真実味がある、歌も素晴らしい。
これは少々清少納言の悪口くらい言っても仕方ないかなー 汗(良くはないけど。)
でも紫式部こそ、気位が高くて、嫌われたら怖そうな人に思えてきた。
女房同士の自分の地位確立って中々厳しそうだもの。
ともあれ、季節の移り変わりが美しい!
雅!
これは先が楽しみ~♪
2024/02/06 23:04
投稿元:
別の現代語訳版は読んだことがあったが、瀬戸内寂聴さん訳の源氏物語は初。とても言葉選びが素敵だなと思った。
全文読むのは初めてだが、伏線が多く、読み応えがあった。一読しただけでは理解しきれていない部分が多いと思うので、また時間をあけて読んでみたい。
今も昔も、恋愛の仕方こそ違えど、感じることはあまり変わらないものだなと感じた。
2024/03/08 10:11
投稿元:
桐壷,帚木,空蝉,夕顔,若紫の5帖が収録.現代の価値観で考えるととんでもない男尊女卑の発言がそこかしこで飛ぶが,平安時代ではそれが当然の文化であったことを考えると,時間という概念の重さがひしひしと感じられる.それにしても光の君以外の男性視点がほぼなく,男1女多で進む紫式部の妄想がこれほどまで人気を集めたのは,政治の渦中にいない宮中の女房達の自由奔放さの許された環境故と想像され,だから文芸文化が発達したのだろうと得心する.
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