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「大政の一新、実に天のなすところにして、多年、志士仁人、身を殺し、骨を爆し、王家に尽しやうやくここにいたる」
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幕末の歴史小説でもあまり主人公として出てこないような人物を取り上げた12編の短編集。
特に桜田門外の変に刺殺団一味に加わった薩摩藩士の有村兼清の話なんかはおもしろい。
また,伊藤俊輔や井上聞多の話もスピード感や聞多の糞話なども中々おもしろい。
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短編集。それぞれのストーリの背景やら人物を理解するのにいっぱいいっぱいでなかなかストーリーが入ってこなくて本が進まず。
でも時代小説を読んだこと自体が初めてに近かったので新鮮だった。
もう一度人物関係をきちんと把握した今読み返したい。
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幕末を、暗殺という切り口で描いた連作短編集。始まりは定番の桜田門外の変。
反幕の暗殺者側の視点で描いているのですが、次第に尊王、攘夷といった思想が変質していき、志士もただただ乱世の雰囲気に踊らされていく様子がうまく書かれていると思います。小説的文脈と、歴史上記録の残っている内容等の挿話のバランスがウマいよなぁ、さすが大作家だよなぁ、と思います。
私ははっきり言って、日本史音痴です。シュウゾーに笑われるほど。
しかも、幕末以降って、学校の授業でたいてい時間がなくなってやらないので、興味を持って本とか自分で読まない限り、結構知らないものじゃないですか?(私だけ?)で、私はもっぱら西洋の小説ばっかり読んで大人になってしまったので、本当にこの辺りって知らないんです。
そんなわけで、『幕末』を読みながら、シュウゾーに、「ねぇ、長州と会津ってどこにあんの?」と聞く始末(恥)。シュウゾーに、そんなもん学校で習わなくたって、いろんなとこで見聞きして、自然と知っているだろう!?と呆れられましたが、幕末を語る文脈では、長州は長州であって、「今のどこどこ県」なんてことは誰も説明してくれないわけですよ(笑)。それこそ見聞きする中で「長州は、どうやら京都より西にあって、九州ではないらしい」「会津は、どうやら江戸の北方向にあるもよう」ということは分かっても、正確な位置を知らんかったんです^^;
ちなみに、私は大学受験はれっきとした日本史選択です。でもね、試験の論述でも「長州」て書けば済んじゃうのよん(笑)
まぁ、そんな程度の知識しかない私が、この『幕末』を読むと、当然、司馬遼太郎が書きたいイメージ通りに受け取るわけですよね。先入観、全然ないですから。
で、私が受け取ったイメージは、、、、
「明治政府まで生き残ってる連中って、どうしようもなくない・・・?」
まともに理念持っていた人はみーんな死んじゃって、深くも考えずに「天誅!」とか叫んでる血気盛んな若者が生き残って、大臣とかになっちゃった、ていう。
あとがきで、著者は「暗殺は絶対に許されない」と力説しているので、自然と人物描写も辛辣になっているのかと。
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桜田門外の変/奇妙なり八郎/花屋町の襲撃/猿ヶ辻の血闘/冷泉斬り/祇園囃子/土佐の夜雨/逃げの小五郎/死んでも死なぬ/彰義隊胸算用/浪華城焼打/最後の攘夷志士
(2006.2.15 第11刷)
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幕末の暗殺事件周辺を描いた短編集。
個人的には、逃げの小五郎が好きです。
・・・桂好きなので・・・
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色々な思想や動機それぞれの個が絡み合った暗殺に纏わる短編集。面白い、が、やはり司馬氏自身巻末で暗殺は好かんと行っている通り全体的にどこか皮肉な感じがする。聞多のあたりなんかはかなりシュールですね。笑
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司馬遼太郎の幕末短編集。桂小五郎の但馬潜伏の様子を描いた「逃げの小五郎」、井上聞多(馨)の遭難「死んでも死なぬ」、陸奥宗光ら海援隊による竜馬の敵討ち「花屋町の襲撃」など、全12編を収録。
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司馬遼太郎さんの短編集。本の名の通り、幕末中心です。
個人的には「逃げの小五郎」が好き。
というよりも、最初はこの話だけの為に、この本を買いました。
読んでみると、「死んでも死なぬ」も良かったと思います。
さすが司馬先生、と思う反面、矢張り長編の方が司馬さんには向いているのでは?とも思います。
暗殺の話が中心なので、描写がかなり辛辣というか、皮肉的な書き方になっている気がします。
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教科書上のヒトたちが、生きたヒトとして感じられる不思議な感覚・・・
歴史物はこれが面白いですね。史実とは思っていませんけどね。
歴史の大きな流れを知っていればもっともっと愉快に読めそう。
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幕末に起こった暗殺事件を題材にした短編小説集。
ワザワザ小説集と言うような書き方をするのは、事件自体は本当に起こった出来事であり、歴史的検証や登場人物の後日談等も丹念に綴られている為うっかりすると史実かと思ってしまう程臨場感タップリのお話ばかりである。
もっとも幕末の諸藩の立場や個々の事件に関しての予備知識が無いと読んでいてもつらいかもしれないマニアックな事件が多い。
筆者自らあとがきで「歴史書ではないから、数説ある事柄は、筆者が、この方が真実を語りやすいと思う説をとり、それによって書いた。だから、小説である。」とあるので史実とは多少違うところも有るだろうし、登場人物の人間関係や心の動きなどはかなりの部分筆者の推測が入っているだろう。
恥ずかしながら、司馬遼太郎さんの作品は初めて読みました。
やはり日本を代表する作家の文章は上手い。物語にぐいぐい引き込まれます。
個人的には短編集の前半の方が好きかな。登場人物もどこかしら凛としたところが感じられます。
後半の主人公達(特に幕末を乗り切って明治まで生き延びた人達)には今ひとつ感情移入が出来ませんでした。
なにはともあれ面白い本でした。
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Kodama's review
久しぶりに歴史にいっちゃいました。司馬遼太郎さんの歴史小説にはホント、ハマってしまいます。この本は12の短編小説により構成されていますが、幕末の頃、活躍した中心的人物ではなく、その影で立ち働いた人にスポットをあてています。明治維新好きには堪りません。
(06.3.15)
お勧め度
★★★☆☆
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暗殺者たちの短編小説集。あとがきにて「暗殺者が嫌いだ」と明言しておいでです。加えて、幕末ものの司馬作品をお読みの方はご存知と思いますが、氏は明治に生き残った名だたる政治家がお嫌いです。端々からそういった嫌悪が透けて見えますが、それも楽しく読めるという方にはお勧めです。
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幕末の暗殺についての短編集。
でも、俗に言う人斬りといった人たちが主人公ってわけじゃない。
そういった人たちを主人公にしなくても、
暗殺とかって話は、史実としてたくさんあるわけで。
それぞれの思想や尊敬する人なんかがいて
そのために取った行動が、
こういった血なまぐさいものであったとしても、
その中にはドラマがあると感じた。
短編集だから、比較的読みやすく
また、暗い話だからこその短編集かなとも思います。
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幕末に起こった12の暗殺事件をテーマにした短編小説。暗殺に至るまでの経緯、またそこに色濃く滲む暗殺者の人間臭さが大変丁寧に描かれていると思います。
内容としては、多少幕末の知識を持った上で読まないと楽しめない気がします。