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暗殺者たちの短編小説集。あとがきにて「暗殺者が嫌いだ」と明言しておいでです。加えて、幕末ものの司馬作品をお読みの方はご存知と思いますが、氏は明治に生き残った名だたる政治家がお嫌いです。端々からそういった嫌悪が透けて見えますが、それも楽しく読めるという方にはお勧めです。
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幕末の暗殺についての短編集。
でも、俗に言う人斬りといった人たちが主人公ってわけじゃない。
そういった人たちを主人公にしなくても、
暗殺とかって話は、史実としてたくさんあるわけで。
それぞれの思想や尊敬する人なんかがいて
そのために取った行動が、
こういった血なまぐさいものであったとしても、
その中にはドラマがあると感じた。
短編集だから、比較的読みやすく
また、暗い話だからこその短編集かなとも思います。
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幕末に起こった12の暗殺事件をテーマにした短編小説。暗殺に至るまでの経緯、またそこに色濃く滲む暗殺者の人間臭さが大変丁寧に描かれていると思います。
内容としては、多少幕末の知識を持った上で読まないと楽しめない気がします。
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ちょうど、幕末にはまっていた時に必然的にめぐり合えた小説。
幕末における暗殺をテーマにした短編集。
短編集ながら、時代背景や各藩の状況など幕末の世情を
強く味わえるのでオススメ。
幕末にはまった人にはチョーおすすめ。
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幕末に起きた暗殺事件を描く連作小説集。維新を早めた桜田門外の変を除き、暗殺者は歴史の躍進には寄与しないという筆者の意見は当たっていると思う。扱われた暗殺事件は、井伊直弼、清河八郎、三浦休太郎(坂本竜馬の暗殺を指導したと言われる人物)、姉小路少将、冷泉為恭、住谷寅之助、吉田東洋、宇野東桜、三枝しげる(くさかんむりに翁)の暗殺。最後の三枝しげるの暗殺は、攘夷運動から始まった維新の原初的思想を無理やり否定してしまった事件として興味深い。
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幕末の暗殺史。「竜馬がゆく」の副読本としておすすめ。
司馬は、幕末風雲の幕開けとなった井伊直弼の暗殺(桜田門外の変)「以外」の暗殺については常に冷淡である。「竜馬がゆく」の中では「暗殺者という思慮と情熱の変形した政治的痴呆者のむれをいかにくわしく書いたところで、竜馬とはなんの縁もない」と言っている。「ポスト桜田門外の変」の幕末史において、「剣で時代が回転する」と誤認した追従者が、数えきれない有名無名の志士を斬った(その多くは土佐人だった)が、司馬はそういう暗殺者の時代迎合的な態度が、憎たらしくて仕方ないのだろう。
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あとがきによると、暗殺だけは嫌い、という司馬遼太郎が幕末期の12の暗殺事件を小説化。
ちなみに岡田以蔵、河上彦斎に関しては井上友一郎、海音寺潮五郎、今東光らが描いており、有名すぎるということでことさらに外したとか。
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桜田門外の変;奇妙なり八郎;花屋町の襲撃;猿ケ辻の血闘;冷泉斬り;祇園囃子;土佐の夜雨;逃げの小五郎;死んでも死なぬ;彰義隊胸算用;浪華城焼打;最後の攘夷志士
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司馬さんの本なんで面白いんですが、『翔ぶが如く』を読み終わってからなのか、非常に軽い感じがしました。
スラスラ読めてしまうというか。
読みもの的な要素が強いから、あえていうと自分の好みじゃないのかな。
司馬さん自身が暗殺者は嫌いとのことで、小説風にしか描かなかったのかもしれません。意図的に。
そこが好きじゃないのかも。
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井伊直弼をはじめとする、幕末の舞台裏で為された暗殺のお話が12編収録されています。薩長土などの諸藩の中で、影響力の大きい倒幕反対派の者を特定し、暗殺を仕掛ける。あるいは、竜馬のかたき討ちなど。
そして、暗殺する論拠に陰りが見え始めたとしても、一度そこに生き甲斐を見出してしまった志士は止まらない。たとえ暗殺が目的化し始めたとしても、後には引けないプライド。
こういった心理描写が面白い作品でした。
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幕末の暗殺を主題にした短編集。
作者自身、暗殺だけはきらいだ、人間のかざかみにもおけぬ、とあとがきに書いている。
現代なら考えられないが、いとも簡単に、時には功名心から人を斬っている。
有名どころはほとんど主役になっていおらず、時々新選組や龍馬の名が出てくる程度。
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桜田門外の変を発端にした幕末の暗殺にまつわる12編の短編集。時代飾るヒーローだけではなく名も無き人にもスポットを当て淡々と時代の移り変わりを小説風に見事に描ききっている。さすがとしかいいようがない。少しの運で生き残った人が明治に伯爵として近代日本を築いた事を改めて学んだ気がする。
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いままで読んだ司馬作品の中では良い方だろう。なにしろ、あとがきで本人が書いているように「小説風」に書かれているからだ。
このあとがきはとても興味深い。政治情勢と政治思想を書くだけであれば「月遅れの新聞の政治面を無味乾燥」であるという。だから本書は「小説風」に書いたのだという。
このような正確な分析ができているのにも関わらず、司馬の「小説」を読んでの僕の感想は「月遅れの新聞の政治面」なのだ。やはり「小説家」としての技量が足りないと言わざるを得ない。
幕末の暗殺事件を描いた短篇集で、どれもなかなかに面白いのだが、例えば、随所に登場する田中顕助という男を狂言回しにして連作短編にしたほうが小説としては面白いものになったのではないかとも思う。
本人なりに「小説風」に書いた本書は、「小説家」としての司馬遼太郎の限界を示しているようだ。
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幕末の暗殺事件を題材とした短編集。
暗い話が多かった。
私が面白いと思ったのは伊藤俊輔と井上聞多の「死んでも死なぬ」。いやはや、運も大事。
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幕末期に実際にあった暗殺を主に描かれた短編小説集。
司馬さんの作品は、長編ものの濃い作品しか読んだことないせいか、短編だと読み足りないというか、人物描写が、物足りないというか・・・。