しんみり読みました。
2016/12/18 20:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かすみ草 - この投稿者のレビュー一覧を見る
出生に秘密を抱えている里利。
ある日、交通事故に遇いましたが、加害者は中学の同級生の穂高。
穂高の彼女とのイザコザもありつつ、お互いの気持ちを再確認。里利の分かりにくい面倒な性格も穂高ならば、受け入れ、温かく包んでくれるんでしょうね。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
砂原さんは、「ファンタスマゴリア〜」もそうでしたが、初期のシリアス物は、凄く好みです。
これも、夢中で読み更けてしまいました。
志上の今の性格を構築してる元凶になっている出生のこと、保高の心無い正義感、全てが心に沁みました。
BLに登場する女性はおざなりになりがちですが、奏恵には同情出来て、ストーリーを引き立たせていました。
書き下ろしも、とても良かったです。
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途中までは受けの志上くんが、突っ張った生き方していて世の中を否定しているようでヤキモキしていました。だけど、攻めの保高くんと再会し、二人の時間を過ごすようになって、社会の普通から少し外れてしまっていた自分を受け入れつつ、恥じたり、後悔したりしながら保高くんが欲しい、保高くんの傍なら自分はちゃんと生きていけると考えが変化していく志上くんがいじらしくもありました。これまでの精算、として志上くんが直面した問題のところはとても切なくて、心臓が締め付けられる思いでした。
しかし、保高くんとくっついた後の志上くはまさにツンデレで、可愛かったです。
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10年以上前の作品に書下ろしがついて、新装文庫化。
砂原作品の原点のような話でした。研修医×ホストとか、無骨で一途な攻とか、強がってる寂しがり屋の受とか。
センセの作品での大好きな要素がいっぱいつまってるかんじです。
改稿されているんだろうけど、どことなく古臭さを覚えるのもまたよかったりしました。
ホストで稼いで荒んだ生活を送っている志上は、仕事帰りに車に撥ねられてしまいます。加害者は中学時代の同級生だった保高で、ずっと嫌っていた相手。今は研修医として働いている保高は超がつくほど善人で、腕を骨折した志上を自分のアパートへ連れ帰りあれこれ世話を焼くのですが、志上はそんな彼に素直に感謝できずに酷い態度を取ってしまいます。
昔マジメで正義漢だった男は、今もマジメで、それが志上の心を逆撫でします。
だんだん、明かされていく志上の背負うもの。単にやさぐれてしまったわけじゃないのが切ないです。
そして、保高もまたずっと隠してきた気持ちがあります。
二人とも、とっても不器用!
不思議なことに読んでるうちに、無骨で気の利いたところなんてない、ちょっとダサい保高がどんどん、とてつもなく優しくカッコよく見えてきます。
そして、素直じゃなくてひねくれ美人の志上の寂しい人生にも泣けてしまいます。
見えないところに、優しさがいっぱい隠れていて、じわじわやられてしまいました。
「夜明けには好きと言って」と「真夜中に降る光」は、ホストものとして大好きで思い入れの激しい作品なんですが、このストーリーはその前身とも思えます。砂原作品らしさにあふれています。心に響く良作。
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志上の生い立ちからだと志上がどうしてそういう風になったのか!っていうのは納得というか仕方がないな~とは思うんだけど、ちょっと人間の嫌な部分っていうのを見せ付けられた気がしましたね。砂原さんのこういう雰囲気の作品はいつも痛い所突いてくるな~って思わせられるんですけどねぇ。それが駄目な時もあるけど、これは好きな部類でした。志上には幸せになってもらいたいな~って思いました。意地っ張りと言ってしまえばそれまでなんだけれど志上のそれはちょっと違う感じでそれを上手く保高が理解して言って欲しいな~って思います。
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真面目で偽善的な正義感を持つ研修医×ホスト 同級生
人間の持っている劣等感とか計算高さ、ずるい考え、同族嫌悪、トラウマ、葛藤、嫉妬、見栄…そんな後ろ暗い感情の駆け引き、流れがよく描かれていてすごい。
ただ、主人公も相手も女性と付き合う描写が出るので苦手な方はお気をつけを!
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上手い と思いました。
展開が唐突だとか、キャラクターの作りが雑だとかいろんな意見はあるかと思いますが、文章でいろんなことを想像させるのが上手い。
こういう文章が個人的に好きなのでその分評価を上げています。
ただ、その上手さは些末な部分に対してのみの評価なので、構成として練られたたストーリーとしての上手さがあればなぁというのが正直な感想。
古い作品らしいので、最近のも読んでみたいと思います。
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ラストまではらはらさせられましたが、どこまでもツンな志上が可愛かったので◎砂原先生は初読みで、くどめの設定がややうざったく感じましたが、2002年の作品とわかって納得。でもふたりの気持ちはすごく伝わったので、読んでよかったです。最近の作品も読みたいです^^
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期待している展開を上滑るというか、物足りないというか。
受けの出生については、本編よりダーク…。女が絡むBLは大抵女は都合よく性格悪いなぁ、これも然り。ホストの受けが貞操観念が無くて普通にセイフティセックスしないのは、妊娠云々より感染症はいいのかと冷静なことを考えてしまった。あと、攻めが受けを殴った後の収拾の仕方があっさりすぎる…。一番盛り上がって良いところなのにぃ。
全体的に切なさが漂う作品でした。中学校時代お金を稼ぐために男に身体を売り、わざわざ攻めに当て付ける受けが痛ましい。アヒルのリボンのフレーズがなんとなく心に残った。
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段々と可愛くなっていく志上に萌えました。途中何度も泣きながら幸せになってくれと願いました。
書き下ろしも含め、とても素敵でした!!
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鬱々とした展開に読んでて疲れた…。泣けたけど、里利の自業自得な部分はあるとはいえ、今までしてきたことのツケのように不幸続きで、ハッピーエンドなのに鬱展開の印象が抜けなくて読後感はあまりよくなかったな…。
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複雑な生い立ちゆえ刹那的に生きる受と、そんな受を幼少期に見守っていた誠実な攻。
砂原さんはすでに確固たる地位を築いてる作家さんですが、普通の恋愛ものよりダークさのあるキャラクターの方が個人的に上手くて魅力的だと思っています。
これもその最たるもの。安易に両視点に逃げず、終始受視点なのも好感度高い。ブレずに攻に惹かれていく気持ちを読者に感じさせていくのが上手い。
暗くて繊細な話ですが、読後のハッピーエンドにはニッコリ。書き下ろしの攻視点も、本編の雰囲気を壊すことなくうっすら暗さがある中、受の攻への愛情を感じる良作でした。素敵なお話!
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志上がどうしようもない男に見えるけれど、大切にすることも大切にされることも経験してこなかったのかな。と思うと、悲しくなる。そんな志上が保高の無条件の優しさが理解できなかったのは仕方がないことなのかも。全く違う生い立ち、全く違う考え方の2人だから、ぶつかることもあるけれど、志上ご少しずつでも素直に保高の優しさを受け入れられるといいな。と思った。