紙の本
お伊勢参りかくじら漁か・・・
2012/02/02 09:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
山本作品はどれもまっすぐで読みやすく、さらさらと読めてガツンと胸に来るものばかりなのだけれど・・・。本作品はそういう意味では、ちょっと読みにくかったか。どこに主眼を置いて読んで言ったらいいのかが、序盤で掴みきれなかった。最後にようよう考えてみたら、ああそういう事かと納得は行ったけれど、どうも読んでる最中は心が右往左往してしまった。
帯には「いざお伊勢参りへ」と大きくあるし、四国の高知で始まる序盤の物語も、どうやら鯨漁師らがお伊勢参りへと向かう展開。この人々が主人公として物語は進んでいくのかと思いきや、大地震の起こった江戸ではまた別の物語が展開し、豪商伊勢屋とその一行がお伊勢参りに向かう。高知と江戸で交互に展開していくような話に、読んでいて少々混乱してしまった。そして最終的にはテーマが「お伊勢参り」ではなく鯨漁復興にあって、ちょっと超自然的な雰囲気も漂ってきて、さてこれはどうなのかなと思ってるうちに読み終わってしまった。ちょっと盛りだくさんにし過ぎた?感じだったのかも。
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伊勢神宮参拝が、人生の一大事業だったんだと言うことがよくわかる。引率の御師も単なる添乗員ではなく、神宮と参詣者の仲立ちをしている。
日本古来の鯨漁を大事にしたかったな
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お伊勢参りを巡るファンタジー。敵役の出てこないロード・オブ・ザ・リングのようなお話。他の作品で取り上げられていた水売りや両替屋さん、一膳飯屋、火消し人足など、山本作品でおなじみの江戸の職業がいろいろ出てきて風俗がわかって面白い。短編連作の方が良かったのでは?!とも思う。伊勢屋隠居と大工の棟梁との絆や、鯨組と公儀のお役人とのやりとりの妙などは読みごたえがあるのに対して、御師(おんし)という伊勢参りの指南役がどれほど敬われていたか、その人らのぬきんでた資質、不思議な跡目の継ぎ方、選ばれし子供<朝太>という主題になるとなんだか軽々しく、いつもの丁寧な時代もの人情ものというより、大きな資本で華々しく製作されたけどやや大雑把な感じの大型映画のような様相を呈してきて、やや拍子抜け。それでも個々の人物の描き方は丁寧で楽しかったので★は4つ。
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分類上【読み終わった】にしましたが、5~60頁で投げ出しました
以前だれかの文庫の解説で、花村萬月様だったと思うのですが、『考証原理主義者』などと云う言葉を使い、「考証だけで完結しているモノを読むと腹がたつ、吐きつけたくなる」と云うようなことを書かれていたと…(あまり自信がありませんが)
安政三年(1865)、明け六つ(午前六時半)からはじまり、何百何十間が何百メートルだとか何尺何寸が何センチだとか…
これが、そのテの数字が現れる度に()付きで…
まぁ…、言葉は悪いですがウザッタいことこの上ありません
「電卓叩きながら親切に書いてるんだぞッ!」なのか、文字数(頁数)を増やしたいのか…
とてもではありませんが、筋(-があるかどうかも不明ですが)に入るなんてことはできませんでした
デキの悪い「さんすう」の教科書みたいでした
因みに帯の惹句は「爽快エンターテイメント時代小説!」 …だ、そうです
爽快(モヤモヤ)?
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山本一力、これまで何度か作品手に取ったのだが、読み通したことがなかった…。 初めて読んだ作品。 安政の大地震を契機に伊勢参りを企図する「江戸組」と、鯨の豊漁と漁師の安全を伊勢神宮に祈願しようとする「和歌山組」、そしてちょっと唐突に登場してくるのだが、御陣乗太鼓を伊勢神宮に奉納しようとする「能登組」の邂逅と交流の物語。 というとちょっと違うなぁ…。 まぁ、その三組特に、「江戸組」と「和歌山組」が伊勢参りに至るまでの物語がメインで、それぞれが伊勢に赴いてからの物語は結構アップテンポで進み大団円を迎える。 今後、山本一力の作品を読むかどうかは、びみょう…。
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御師の第六感的な力が江戸と土佐の人々を結び付けてゆく。
著者の描く商人が好きでこれまで何冊か読んできたけど、このお話はちょっと不思議系で読み慣れず戸惑った。
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伊勢神宮参詣者をツアコンするお話。安政の大地震直後に伊勢参りに出かける江戸一行と、土佐の鯨漁師たちとの奇縁にひきこまれた。地震も続くし、親も還暦を迎えるし、今年は伊勢参りをしようかな。
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西條奈加『御師弥五郎』が面白かったので、「御師」物をもう一冊読んでみました。こちらは、土佐の捕鯨や江戸の大地震(ボラ大発生がものすごい印象的)が同時にテーマになっていて、読み応えあり。「御師」がツアーガイド的側面と、宗教者的側面があり、その点でも面白い。お伊勢参りに行きたくなってしまった。
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伊勢参りが結ぶ2組の縁が結んだ先に見える景色とは?という物語で、江戸の豪商伊勢屋が大地震からの復興を願い伊勢参りに出向く一行と、土佐の鯨漁師の一行が、土佐の鯨不漁を打破するためには、江戸から伊勢参りでくる一行の中の子供がカギだという予言に従い、その子供 朝太を中心とした展開になっていきます!
朝太の子供らしい真っすぐな姿勢と、それを支える大人たちの粋な姿が最高でした!
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土佐の荒くれ鯨漁師や江戸の大商人、そして
火消し64組の人足たちが、それぞれの思いを
胸に、江戸時代のツアーコンダクター”御師”に
導かれて伊勢神宮を目指す。お伊勢参りを
舞台に、さまざまな人間模様を描く時代小説。