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電子書籍

追悼・花村えい子さん - 花村えい子さんの漫画で育った女性も多いはず

2020/12/16 15:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

少女漫画家の花村えい子さんが2020年12月3日、91歳で亡くなった。
 少女漫画に詳しくはないが、花村えい子といえば少女漫画の草分け的存在で、かつて少女漫画に欠かせなかった大きな瞳にキラキラの星、カラフルな髪などのスタイルをいち早くこしらえていったビッグネームであることは間違いない。
 花村さんは昭和4年(1929年)生まれで、「漫画の神様」と呼ばれた手塚治虫さん(1928年生まれ)とはほぼ同世代になる。
 花村さんが漫画家としてデビューしたのは大阪の貸本業界からだから、いかに長年漫画界をリードしてきたかがわかる。
 そんな花村さんがどんな人生を歩んできたのか。
 2009年に「漫画家・花村えい子の画業50年」と副題のついたこの本では、漫画家になるまでの自身の半生も描かれていて、花村えい子さんを知るには欠かせない一冊だ。
 (この時点で画業50年とあるように、花村さんのデビューは1959年に貸本漫画に発表した「紫の妖精」だ)

 花村さんは埼玉県川越の歴史ある商家に生まれた。お祖母ちゃん子だと自らいうが、それには理由がある。
 母親は花村さんを生んだ後、離婚。さらには別の男性とともにいなくなるという、のちに花村さんが活躍するレディースコミックを地でいくような生活を送ったいる。
 さらに自身もまた大学を中退し、結婚することになったという。
 そんな波乱万丈の人生ながら、花村さんの筆はあっけらかんとしている。
 おそらくいろんなことを受け止める強さを持った女性だったのだろう。

 少女漫画界の大きな星が一つ流れおちた。

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