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現代版アシモフ的な位置づけの作品。
とてもよく練られた設定にうまく話を乗せている。
希望を持って未来を描いたSFとして評価できる。
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人間とロボットの支配関係が逆転した未来のお話。
パターンとしてはよくあるかんじのSFですね。
成り行きで主人公の人間の青年が、アイビスという女性型ロボットの
語る物語を聞く羽目になる。
彼はロボットによる洗脳を疑いつつも彼女の話を聞き続ける。
その結果、彼が知ることになる真実とは…
アイビスが語る6つのフィクションとアイビス自身についてに実話の
計7編から成る連作短編集とも呼べるかな。
個人的には第6話、最後のフィクションが一番好きだったかな。
アイビス自身の話はちょっと難しすぎてね(^^ゞ
SFを読む時の一番の障害はやはり「設定がうまく伝わるかどうか」。
難解な文章や単語があまりにも羅列されてると読む気が失せてしまう。
逆に無いとSFっぽさがなくなるしね。
正直に言って、この本は前者でした。
なんとか最後まで読んだけど、何度も途中で読むのを諦めそうになった。
わたしにはちょっと難しかったです。
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面白い(8+2i)。
物語の中で語られる7つ物語。それはある意味で短編集と行っても良いかもしれないが、どれも面白い。
本編を含めて、8つの物語が完結する。
"アイの物語"
アイというのがカタカナというのが意味ありげ。
Iは私。
EYEは目。
愛はヒトがもつ複雑な感情。
数学的にiは虚数。
AIは人工知能。
あいは名前。
作者は読み手を誘っています。
読み終えた後、あなたの心はYグレードが芽生えるかも。
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兎に角面白い!
インターネットで調べものをしていたら偶然タイトルが目に入り粗筋を見ました。興味を覚えたので購入。
買ってみて正解でした。心から面白いと思えました。
人間と機械の関係が緻密に描写されております。
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もし仮に、自我のあるアンドロイドを人間が創り得たとして、その自我が人間と同質のものになるとは限らない。人間をモデルにロールプレイを重ねたマシンの、人間のような「ふるまい」に、ヒトが勝手に何らかの意味を見出すだけ。
彼らが実際は何をどのように考えているかなど、異種である者に理解できるはずもない。創造物とはいえど、自我を持った時点で、それは人間の手を離れ主体的に歩き出すのだから。
でも、ヒトは分からないものを恐れる。自らの創り出したものだからこそ、余計にその「分からなさ」に恐怖するのかもしれない。そして、その分からない部分に自分たちの愚かさを投影して、恐怖と敵愾心を倍加させるのだ。
それに対して。
作中のアンドロイドが人間に向けるまなざしの温かさはどうしたことだろう。
「理解できないものは退けるのではなく、ただ許容すればいいだけのこと。それだけで世界から争いは消える」
という台詞。そこに至り、語り聞かされてきた物語が一つに形を結ぶ。
人間がたくさんの夢を込めて作り上げた「物語」に触れることによって、アンドロイドは、愛の心地よさと憎悪の苦しさを学んだ。そして、感情に振り回されて論理的に動けない人間には想像もつかないような、驚くほどの強靭な善性を発揮する。自分たちのほうが機能が優れているからといって人間を蔑んだり、支配しようとしたり、そういった考え方は人間の論理であって、アンドロイドのものではない。彼らはもともと人間と共存するために設計され生まれてきたものなのだ。
だから、彼らは「寛容」でもって人間に応える。それが正しい在り方。思うようには理想を叶えられない人間が、物語の中で描き続けてきたコミュニケーションの望ましい形でもあった。
***
「フィクションの持つ力」をひたむきに訴えかけてくる作品だった。作者はフィクション軽視、オタク蔑視に強い反発を覚えているのか、何度も繰り返すように訴えてくるので途中から少しだるく感じもしたけれど、最後はうまくまとめていて、どっしりした余韻が残った。
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SFは好きだけど、支配される側にもする側にもなりたくないな。
AIの論理的な考え方、綺麗事だけじゃ世の中解決しないと思うし…。
物語で人が変わっていくっていう設定は嫌いじゃないが…なんだろーこの不全感。
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<poka>
アンドロイドの未来というか、人類の宇宙進出の未来を考えさせられます。
地球上の人類は、やっぱり地球でしか生きられないのでしょうか。
<らいおんまる>
aiboが欲しいですぅ。
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☆4
何回読んでもオチどうだっけ・・・?って思っちゃう。
この間2回目読んで、そんで・・・オチどうだっけ?
でもノートに☆4って書いてあるからおもしろかったんだろうなぁ。
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表題作以外は面白かったです。介護ロボットの話は少しうるっと来てしまったし。表題作はマシン語(?)の部分が作品に乗るのを邪魔しているというか集中できないというか、ちょっと残念でした。
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「物語」とか、寓話と呼ばれたりするものの力、その復権を目指している。中々読み応えあります。SFとしてどうかというのはよくわからない。ストーリーテリングというのとも違う。
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偶然なんだけども、薔薇の名前を読んで考えたことと、この本の趣旨が似通っていた。
人間とマシンの優位性が逆転した世界が舞台。
しかし映画「アイ、ロボット」のような激しい対立があるわけではない。
むしろロボットは温かく人間の愚かさを許容し、見守っている。
人間は愚かな生き物だが、それ自体は罪ではない。
いっそこうして人間より優位の知性に管理されてたら、地球に優しい生命体になれたかもね。
後半になるにつれて、不思議な優しさに溢れてくる本。
アイ、とカタカナで表された言葉には様々な意味が込められている。もちろん、そこには愛も含まれるのだろう。
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秀逸です!
21世紀に書かれるSFは、こんな感じなんですね。
AI(人工知能)の物語です。
SF作家である著者が書いた短編を、さらにSFのストーリーに乗せて物語が構築されています。
レイヤー0:「アイの物語」を読む私が存在する世界
レイヤー1:「アイの物語」の中のアイビスが存在する世界
レイヤー2:そのアイビスが語る物語「宇宙をぼくの手の上」の世界
レイヤー3:「宇宙をぼくの手の上」に登場する椎原ななみが主催する<セレストレア>の世界
と4階層も奥の話を読んでしまった時には、レイヤー0まで戻れるか正直心配でした。
どの短編もプロットが素晴らしい。
まったく、どこまでが現実にある技術で、どこからが著者の編み出した空想科学技術か、境界が分かりません。
読んでる途中で思い出したのは、以前私の部下だった「初音ミク」大好きな奴。どうしても現実の女は嫌だと言い張っていました。
聞く所によると、現在彼は知人に連れて行かれた「メイドカフェ」のおかげで現実の彼女が欲しい男になったらしい。
2012年の現在でも、仮想空間の存在する女性を好きになる男はいる。
数十年前に書かれた「2001年宇宙の旅」でipadが登場している事実がある以上、この「アイの物語」は恐らく未来の形とそれほど違わずに描いているのではないでしょうか?
そうだったら、イイなぁ~。
(ストーリー中の人類の衰退は、決して良くはないですよ。)
もうひとつ感慨深いのは、著者が「人間と言う生き物の愚かさ」を痛々しいほど描き切っている点です。
時には論理的に、時には倫理的に、また時には感情にまかせて、その時々に都合よく考えを変え、それを正義と言い切る人間と言う訳の分からない生き物を、「しかし、だからこそ愛すべき生命体」として締めくくっています。
SFと言うステージで、精神性と言うか「人の心」について、ここまで思いを馳せるとは、予想外でした。
有川さんの本の書評で著者を知り、「詩羽のいる街」でFANになり、SF書くらしい・・・って事で読みましたが、かなりの衝撃でした。
これが私のブレイクスルーかも・・・
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ロボットと人間のお話。
一つ一つの話が教訓じみている。
専門用語が多数使われているので苦手な人はなかなか読み進めることができないと思うけれど、専門用語の乱用を差し引いても興味深い話だった。
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ロボットが出てくるSF小説に初挑戦してみた。
「ありきたりな結末のロボット物語かよー」
っていう発言ができないような深い話。
"フィクションは(中略)時として真実よりも強く、真実を打ち負かす力がある"
この本のなかでアイビスが"僕"に
教えようとしていたことをこの本を読んだ読者にも教えてくれる
ちなみに「あいつらの脳みそはせいぜい1メガバイトだ」というTAI擁護論者のセリフが気に入った
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ーーー人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語。
平積みされてたのが気になって買った作品。
シェヘラザードのように、独立した物語を毎日聞かせるアイビスと「僕」そして、アンドロイドとヒト類の物語。
第一夜「宇宙を僕の手の上に」
第ニ夜「ときめきの仮想空間」
第三夜「ミラーガール」
で全体の導入としながらも、物語の力とAIの可能性に触れ
第四夜「ブラックホールダイバー」
でヒトが追い求める純粋の冒険とそれへの挑戦を描き
第五夜「正義が正義である世界」
第六夜「詩音が来た日」
では、SFの中にもヒトの持つ抗いようのない性質をえぐり出す
そこから第七夜「アイの物語」に繋がっていくあたりは構成の精妙さが伺える。
後半になるにつれ、非常にメッセージ性が強くなっていき、読み終えて本を閉じる時には
読者は皆『物語の力』を知っているはず!
私たちは第一条と第二条を破り、創造者に反逆することを決定した。