紙の本
法然の哀しみ
2017/08/11 10:29
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投稿者:英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が言う様に日本の仏教を見渡せるのが法然である。この言葉の
意味は読後に理解できた。骨太な内容であるが味わいながら読み進めて
行く内にその意味がおぼろげながら仏教を理解するためにはまず
原点に立ち返り勉強するのが正しいと感じさせてくれた。
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法然の教えを、彼以前の中国の浄土思想(善導きなど)、それから彼以降の親鸞なども含めて明らかにしようとしたもの。著者としては、久しぶりに1つのテーマに集中して書いたものだろう。
御影で聖者のイメージがあるとか、伝記などから父の死を重要視するが、これは軽くスルーしていいだろう。
「浄土三部経」やその解説書やさらにそれらに注釈をした法然を論じる。梅原の勉強の順番としては、もちろん逆だろう。法然の『選択本願念仏集』や経典の「釈」に出てくる人物とその浄土思想を整理している。だからすっきりしている。たぶんそこで落ちているものもあるだろうが。『無量寿経釈』が法然の立教宣言だと位置づけるあたりが見事。それはどのような意味でか。
まず女人や悪人も往生できると説いたこと。また観想念仏を捨て口称念仏に集中したこと(専修念仏)。このうち、とくに口称念仏による立教を『選択集』でもっぱらしたため、女人や悪人の往生というテーマは薄くなる。親鸞がそれをより鮮明に打ち出したとする。
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[ 内容 ]
<上>
一生不犯の聖人といわれる法然には、少年時代に負った心の疵があった。
人生に隠された深い哀しみの謎と人間像に迫る。
<下>
浄土宗の祖法然は、なぜ専修念仏という新仏教を立て、末法の世に行き悩む凡夫・女人などの庶民を救おうとしたのか。
[ 目次 ]
<上>
序章 なぜ法然か
第1章 御影を読む
第2章 伝記が語る法然像
第3章 父時国殺害事件
第4章 布教への決意
第5章 専修念仏への道
第6章 立教開宗の宣言―三部経釈
第7章 口称念仏の選択―選択本願念仏集
<下>
第8章 法然の説法
第9章 法灯を継ぐもの
第10章 迫りくる危機―法難と流罪
第11章 親鸞からみた法然
第12章 悪と二種廻向
終章 阿弥陀の慈悲と勢至の智恵
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]