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余命宣告を受けた主人公は、悪魔から取引を持ちかけられる。
世界から『何か』を1つ無くすことと引換に、1日だけ命を引き延ばす。
消せば消すほど未練が残り、消した『何か』への未練が溢れる。
思い出も消えてしまうのか、愛情も消えてしまうのか、
『葛藤』と『執着』と書いてしまうとドロドロに聞こえるけれど、
とてもサラッと読めて良かったです。
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どう評価していいのかわからないけど、個人的にはもうちょっと踏み込んでほしかったなー。
タイトル的にももっとネコがいなくなったらどうなる?
じゃあ他のものがなくなったら?
など、そのものがなくなってどうなるのかが書かれてないのが残念。
むしろなくなったことになるから書けないのか?
経済学の本ばかり読んでたせいか、なんか物足りない。
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必要なだけのカロリーを摂取し水分を摂取し睡眠をとれば、生きてゆける。他の全てを消しても、生きているだけならできる。できるけれど。
チョコレートも電話も映画も時計も猫も、後悔すらも、世界と自分を繋ぎ形にしてきた無数の要素のいくつかの欠片で、それらを消して生きてゆけても更にたくさんのなにかを消して生き続けても、それは生命維持というだけのものになってゆくのだろう。
「なにかを得るためには、何かを失わなくてはね」
失うのは消したものだけではなく、それらが自分とともにあったこれまでを失うことでもあり、それは世界と自分の成り立ちを失ってゆくことの繰り返しだから。
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小難しい言い回しもなく、主人公の語り口が自然でとても読みやすかった。
あと数日で死んでしまうかもしれない主人公が生きるためにどう過ごすか、だれに会うか、というありがちな話だけど、
ただ「人生は限りがあるから一生懸命生きよう!」とか「泣ける!」とかいう安っぽい話ではなかったと思った。
たくさんの映画からセリフや場面が引用されていて、映画好きの人におすすめ。
おおかみこどものプロデューサーが書いたと知って納得。
ひとつひとつの言葉の選び方が本当に素敵な小説でした。
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読みやすかった。
『カラフル』の30才ver.という印象。
みんな一度は考えることを、分かりやすく表現した作品だと思う。
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思いがけず手にすることができた本書。
クリスマスプレゼントとして届きました。
「読みたい!」気持ちが通じたみたい。
○○社さんに心から感謝。
クリスマスに届いて以来、なかなかゆっくり読む時間が持てなかったので、
年明け早々に読んだ1冊。
読み始めて、以前話題になった某俳優さんの処女作の冒頭のような印象で、このあとどうなるだろう・・・と思ったけど、テーマがぶれることなく、
尤も、自分にとってどうしても琴線に触れてしまう「母」だったり「父」だったり、「家族」というテーマを最後まで丁寧に書いてくれたことで、前述のそれとは全く違う着地点となり、結果思いがけずラストで涙。
デビュー作だということだし、どうしても文章の稚拙さは否めないけど、
もともと読んでみたいと思ったきっかけが、「告白」「悪人」「モテキ」と、わたしにとってはどれも衝撃的な作品だった数々の作品のそれら全てをプロデュースしていたというこの著者が、どんな作品を書くのか読んでみたかった、の一言に尽きる。
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本屋大賞ノミネートの作品だから読んでみた。生きることをテーマにしててでも暗くなくてサラリと読めた。出てくる猫(キャベツ)が可愛い。
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可もなく不可もなく。
LINE発の小説。
猫と暮らしながら働く男性が、ある日自分の命がもう長くないことを知る。その男の前に突然悪魔が現れる。
「あなたは明日死にます。でも世界からひとつ何かを消すたびに1日だけ寿命を延ばしましょう」
何を消されるかは悪魔の気分次第。
たぶんLINEとかで読むからちょうどいいんだろうな。ちょっと物足りない。そして、似てるといえば有川浩に似てる。善悪二元論勧善懲悪がないぶん、受け入れやすい、かも。
琴線にも触れずストレスも感じず。
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このお話のように、もし自分の命が明日消えてしまうとわかって、この世から何か一つ、その存在を消す代わりに自分の命を一日延ばしてあげるという取引を持ちかけられたらどうするだろうか。そういう取引も悪くないけど、いざ自分の大切なものと引き換えとなったら、断るかも。こうやって一つ一つの身の回りの存在と自分の命を天秤にかけてみる、そんな想像もたまにはいい。何が一番大事なのか、それがわかれば、命あるあいだに、もっとその存在を愛おしく思えるだろうから。
あと、カバーの猫の写真は可愛すぎる!!
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「旅猫リポート」に続き、キーワードは猫とナナと死。たまたまなんですがそのかぶり様にびっくりしました。
余命わずかと言われた主人公が、何かを消すことと引き換えに1日の命を得られると悪魔に持ちかけられ…
きっとそうゆう状況になって初めて自分にとって何が本当に大切なのか考えるんでしょうね。
「何かを得るためには、何かを失わなくてはね」
とても考えさせられました。
自由は不安で不自由は安心。
その際たるものが人間が作り出した時間であり、それを表す時計なのかもしれません。
LINE発の小説だそうですが、本で読む分には特に違和感はありませんでした。
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ねこ好きなのでタイトルにびびっときて気になってしまいました。
設定は脳腫瘍となり余命宣告を受けた主人公が、世界から何かを消すことで余命が1日伸びるという契約を悪魔と結ぶというもの。
とほほな設定なものの、携帯電話、映画、時計など悪魔が選択したものが消えた世界で有限の命となった主人公が「生」の意味を見つめ直してゆく姿が親子、家族といったテーマとともに実に面白く描かれています。
主人公が死と向き合う時間の中で、今まで知ることもできなかった母の自分への愛情に気づかされるエピソードの数々には胸が熱くなりました。
ねこのキャベツが唯一記憶していた母のシアワセだった記憶、母からの「死ぬまでにしたい10のこと」の手紙などなど。
そして残された1日は自分のためではなく父とキャベツにささげるべく決意するクライマックスも気持ちがよいです。
死を強烈に意識した時には自分本位な「死ぬまでにしたい10のこと」ではなく愛する家族のためにしたいことを考えられる人生を送りたいとしみじみ考えました。
ちなみに
猫村さんもなくなるとこまりますね。
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自分の余命があと数日しかなかったら、そしてその命をなにか世の中から消すことで1日延ばせるなら、命乞いをするだろうか。
病院でがんを告知され、突然目の前が真っ暗になる主人公は、派手な格好の悪魔に命と引き換えに世の中から1つ物を消すと条件を出されます。
命がのびるならと、まず電話を消します。
命と引き換えに消されたものを考えていくうちに、自分はいったい何なのか考えるようになるのです。岡さんの残した「何かを得るためには、何かを失わなくては」の言葉を思い出します。
映画プロデューサーの作者だけあって、映像が見えてくるような小説でした。
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世界から猫が消えたなら。「何かを得るためには、何かを失う」そんな当たり前だけど、いつも忘れてしまう事を思い出させてくれる。
最後の終わり方も凄くいい。余韻が残る。きっと主人公は父に再開してこの世を去って行くんだろうな。
きっとこの本を読んだからって毎日を大切に過ごせる訳ではないと思う。でも良い本だ。
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題名からは想像つかないような死をテーマにしたお話。
題名で惹かれて買ったので面食らいました。死は割とデリケートなテーマで結論としても手垢のついたような感じになりがちですが、この本は意外な切り口で話が展開されておりすんなりと読めました。
身近なものに対して気を配れない人にとって突き刺さるお話だと思います。
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ちょっとした勢いで買ってしまった本。その日の朝刊で紹介されていた。
私は「郵便配達員」のお話に弱い。だからなのかな?
読みはじめはアロハのイマドキの口調のせいか、なんだか頭にきた!と思っていた。
でも、読み進めるうちに母としての気持ちも重なり、母の残した手紙に涙が流れた。
そして、父について。子どもとしての気持ちが重なって。親不孝娘としては、ほんと、大変だ。
あー、切ないじゃないか。
この時計屋のお父さんの行動が、私にはよくよくわかりすぎる。
最期に間に合わなくても修理を続ける。間に合わせたくて、ずっと修理する。
心の中では「間に合え!」って祈っていた、きっと。心で泣いて。でも、修理の手を止められないから、涙は流さない。
妻はそれを理解しているから、息子は文句をいっていいと思う。きっとあとで知るから、感じるから。
死ぬときにかんじるのは、自分の生きざまなんだな。
こんなに美しく閉じられるお話だったとは。好きじゃないと思ってたお話なのに。まいっちゃうなー。