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このお話のように、もし自分の命が明日消えてしまうとわかって、この世から何か一つ、その存在を消す代わりに自分の命を一日延ばしてあげるという取引を持ちかけられたらどうするだろうか。そういう取引も悪くないけど、いざ自分の大切なものと引き換えとなったら、断るかも。こうやって一つ一つの身の回りの存在と自分の命を天秤にかけてみる、そんな想像もたまにはいい。何が一番大事なのか、それがわかれば、命あるあいだに、もっとその存在を愛おしく思えるだろうから。
あと、カバーの猫の写真は可愛すぎる!!
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「旅猫リポート」に続き、キーワードは猫とナナと死。たまたまなんですがそのかぶり様にびっくりしました。
余命わずかと言われた主人公が、何かを消すことと引き換えに1日の命を得られると悪魔に持ちかけられ…
きっとそうゆう状況になって初めて自分にとって何が本当に大切なのか考えるんでしょうね。
「何かを得るためには、何かを失わなくてはね」
とても考えさせられました。
自由は不安で不自由は安心。
その際たるものが人間が作り出した時間であり、それを表す時計なのかもしれません。
LINE発の小説だそうですが、本で読む分には特に違和感はありませんでした。
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ねこ好きなのでタイトルにびびっときて気になってしまいました。
設定は脳腫瘍となり余命宣告を受けた主人公が、世界から何かを消すことで余命が1日伸びるという契約を悪魔と結ぶというもの。
とほほな設定なものの、携帯電話、映画、時計など悪魔が選択したものが消えた世界で有限の命となった主人公が「生」の意味を見つめ直してゆく姿が親子、家族といったテーマとともに実に面白く描かれています。
主人公が死と向き合う時間の中で、今まで知ることもできなかった母の自分への愛情に気づかされるエピソードの数々には胸が熱くなりました。
ねこのキャベツが唯一記憶していた母のシアワセだった記憶、母からの「死ぬまでにしたい10のこと」の手紙などなど。
そして残された1日は自分のためではなく父とキャベツにささげるべく決意するクライマックスも気持ちがよいです。
死を強烈に意識した時には自分本位な「死ぬまでにしたい10のこと」ではなく愛する家族のためにしたいことを考えられる人生を送りたいとしみじみ考えました。
ちなみに
猫村さんもなくなるとこまりますね。
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自分の余命があと数日しかなかったら、そしてその命をなにか世の中から消すことで1日延ばせるなら、命乞いをするだろうか。
病院でがんを告知され、突然目の前が真っ暗になる主人公は、派手な格好の悪魔に命と引き換えに世の中から1つ物を消すと条件を出されます。
命がのびるならと、まず電話を消します。
命と引き換えに消されたものを考えていくうちに、自分はいったい何なのか考えるようになるのです。岡さんの残した「何かを得るためには、何かを失わなくては」の言葉を思い出します。
映画プロデューサーの作者だけあって、映像が見えてくるような小説でした。
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世界から猫が消えたなら。「何かを得るためには、何かを失う」そんな当たり前だけど、いつも忘れてしまう事を思い出させてくれる。
最後の終わり方も凄くいい。余韻が残る。きっと主人公は父に再開してこの世を去って行くんだろうな。
きっとこの本を読んだからって毎日を大切に過ごせる訳ではないと思う。でも良い本だ。
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題名からは想像つかないような死をテーマにしたお話。
題名で惹かれて買ったので面食らいました。死は割とデリケートなテーマで結論としても手垢のついたような感じになりがちですが、この本は意外な切り口で話が展開されておりすんなりと読めました。
身近なものに対して気を配れない人にとって突き刺さるお話だと思います。
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ちょっとした勢いで買ってしまった本。その日の朝刊で紹介されていた。
私は「郵便配達員」のお話に弱い。だからなのかな?
読みはじめはアロハのイマドキの口調のせいか、なんだか頭にきた!と思っていた。
でも、読み進めるうちに母としての気持ちも重なり、母の残した手紙に涙が流れた。
そして、父について。子どもとしての気持ちが重なって。親不孝娘としては、ほんと、大変だ。
あー、切ないじゃないか。
この時計屋のお父さんの行動が、私にはよくよくわかりすぎる。
最期に間に合わなくても修理を続ける。間に合わせたくて、ずっと修理する。
心の中では「間に合え!」って祈っていた、きっと。心で泣いて。でも、修理の手を止められないから、涙は流さない。
妻はそれを理解しているから、息子は文句をいっていいと思う。きっとあとで知るから、感じるから。
死ぬときにかんじるのは、自分の生きざまなんだな。
こんなに美しく閉じられるお話だったとは。好きじゃないと思ってたお話なのに。まいっちゃうなー。
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途中面白かったのだが、最後が「えっこれでおしまい?」という感じで物足りなかった。死と向き合う話の割には軽めの雰囲気という事という事もあるかもしれない。
ちょっと残念。
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ノリの軽さとそうじゃないところのギャップを狙ったんだろうけど軽いところは軽過ぎて、微妙だった。
言ってることもありきたりなテーマで目新しさはなく。帯につられて買ったけど特に泣ける部分はなかった。
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2012.11.30読了。タイトル&ジャケ買い。だって猫好き。
自分と同じ顔をした悪魔に余命1日を宣告された、郵便配達員の主人公。世の中から何か一つを消すことを条件に、自分の余命が1日伸びると、悪魔と取引。電話が消え映画が消え、時計が消える。
今でこそ携帯が当たり前の世界だけど、小中学生の頃は確かにメールなんて存在しなくて、文通とかしてたよね。
悪魔の喋り方とかほんとふざけててイライラするんだけど、妙に泣ける。電車で泣いたw 猫だけは、消せない。突然喋り出した猫の気持ちに、また涙。
『何かを得る為には、何かを失わなければならないのよね。』
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ちょっと気になっていた本だ。
何かにも書いてあったけれど、とても軽いタッチで存在意義とか時間とか、哲学的なことを教えてくれる、素敵な本だった。
悪魔で笑いすぎてしまった。
(翌日、スーパーで「きのこの山」に手が伸びた。)
猫のレタスで泣きすぎてしまった。
(特に、前飼い主のお母さんのことは忘れてしまったけれど、
ただ幸せだった、ことだけは覚えている、には号泣(笑))
さりげなく優しい元彼女も、
どもってる親友ツタヤも
死んでしまったお母さんも時計職人のお父さんも
死亡宣告を受けて考えて行動する主人公も、
登場してくる人たちみんな心に響いた。
家族はもともとあるものではなくて、
作るものである。
確信した主人公が、疎遠にしていた父に
大切な猫のレタスを預けにいく最後は輝いていたわ。
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7日後に死ぬ事が分かっていたら、何をする?命を1日延ばすのと引き換えに、この世から何かを無くすとしたら?極限の中で大切なものが見えてくる、教えてくれる小説でした。自分が死ぬ前に思い出したい小説です。
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ある日、突然、余命あとわずかと宣告された30歳の郵便配達員
悪魔が現れて、生きるために、この人生の中なら
なにかひとつを消してしまうと、1日生き伸びると言われて
生きるために、消すことを決めるのです。
消すものは、悪魔が決めるのだけど、最初は電話
そして、映画、時計、猫・・・
今まで、漠然とあって当たり前だったものがなくなる
亡くなったお母さまの言葉
「何かを得るためには、何かを失わなければね」
欲しがってばかりいても、なくなるものは必ずあるのだ
「人生は近くで見ると悲劇だけれど、
遠くから見れば喜劇だ」
「死と同じように避けられないものがある。
それは生きることだ」
切なくって、懐かしくって、悲しい
そんな時間を過ごした本でした
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余命宣告を受けた主人公が世界から何か1つ消すことを条件に1日だけ生きられるという設定のお話し。
電話とか時計とか、いろいろ消すのだけれど、テーマは死ぬことと生きることという哲学のど真ん中をいくストーリー。
軽くて、おもしろく書かれているけど、なんか考え込んでしまった。自分が死んでも世界は全く変わりなく続いていく。でも、生きていると、世界は、ほんの少しだけ変わるのかもしれない。変わらないかもしれない。
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部屋で一人、ボロボロ泣いてしまった。
猫の想い。
お代官様(主人公)が生き延びる為に自分を消せばいい。お代官様のいない世界でこれから生きて行くのは辛い
↑号泣ポイント((T_T))
自分は余命あとわずかという状況になったらどう受け止めてどんな行動に出るんだろう…
ジタバタせず、大切な物、人を愛しく想い、感謝を伝え、静かに命の終わりを受け入れられる強さを持ちたい。