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SF作家のネタ帳を見ているような気分になる。
→https://ameblo.jp/sunnyday-tomorrow/entry-12018111056.html
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久々に本格的面白ノンフィクションを読んだ。
特にロボットに関する記述は読んでいて、ドキドキする。
これからの人間はロボットにお世話になるのが良くわかる。
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「自然界のすべてを見わたして、何より大きな謎をふたつ挙げるとしたら、心と宇宙だ」という宣言から始まる。著者のミチオ・カクは「宇宙」の方の専門家だが、この本は「心」の方に焦点を当てた本。最初の方に、マーヴィン・ミンスキー、スティーブン。ピンカー、マイケル・ザガニカ、V. S. ラマチャンドラン、デイビッド・イーグルマン、デイビッド・チャーマーズ、ジュリオ・トノーニ、ジャコモ・リゾラッティ、ダニエル・デネット、などの名前がどんどん出てくるので、彼らが追求している「意識」や「自由意志」などについて脳神経学をもとに論じていくのかなと期待をしながら読むと、ちょっと違う。
心の動きがMRIで読める(本当にある程度は読めるようになる)や、テレパシーや脳のリバースエンジニアリングなど、どちらかというとレイ・カーツワイルのようなシンギュラリティやフューチャリストの色の方が強い。
確かにナノテクノロジーとMRIなどのセンサーテクノロジー、あとはコンピューティングパワーの累乗的進化によって、これまでとは違う形で心はある意味で要素分解されていく方向では解明されていくのだろうなと思っている。それが、不老不死や、記憶の永遠の保存などにつながるかというと別物のような気がしている。
ニューヨーク・タイムス1位のベストセラーらしいが、こういうのをニューヨーカーはこぞって読むのだろうか。面白くないわけではないが、期待と最初の入りがよかった分、ちょっと期待外れだった。
謝辞に出てくる科学者のリストが圧巻。
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「人類にとってあらゆる疑問の中の疑問、他の全ての背後にあってどれよりも興味深い問題は、自然において人はどんな地位を占めているのか、そして宇宙に対して人はどんな関わりを持っているのかを明らかにする事。」トマス・ハクスリー
脳は大人でも1,400グラム弱しかない。体重の2%に過ぎないのに、体全体のエネルギーの20%も消費し、(新生児では65%)遺伝子の80%は脳のコード。頭蓋の中には1,000億のニューロンがある。
脳の後部と中央部(脳幹や小脳、大脳基底核)は、ほぼ爬虫類の脳と同じ。「爬虫類脳」は脳の中で最も古い部分で、平衡感覚や呼吸、消化、心臓の鼓動、血圧といった基本的な動物の機能を司っている。この部分はまた、戦いや狩猟、配偶行動、なわばり意識など、生存と繁殖に必要な行動もコントロールしており、この起源は5億年前に遡る。
爬虫類から哺乳類に進化すると、大脳辺縁系と呼ぶ哺乳類脳が登場する。これは社会集団の中で暮らす動物で発達する。これには感情も含まれる。各部分は以下の通り。
海馬、、、記憶の世界のへの入り口。短期記憶を処理して長期記憶にする場所。ここにダメージを受けると新たな長期記憶が作れなくなる。現在という時に囚われたままになる。
扁桃核、、、感情、特に恐怖の占める座であり、ここで感情が生まれて刻みつけられる。
視床、、、中継局のようなもの。脳幹から感覚のシグナルを取り込み、様々な皮質へ送り出す。
視床下部、、、体温やリズム、空腹、喉の渇き、生殖と快楽の要素を調整している。
ニューロンは樹状突起を経てほかのニューロンからメッセージを受け取る。樹状突起はニューロンの先端から伸びた蔓植物の巻きひげのようなもの。ニューロンのもう片方の端には軸索という長い線維があり、軸索はほかの1万ものニューロンの樹状突起とつながる。
脳波について、深い眠りではデルタ波が生じ、これは0.1-4ヘルツ。活動的な精神状態では、12-30ヘルツで振動するβ波になる。
宇宙を統べる基本的な力は4つ。
1. 重力
2. 電磁力
3. 弱い核力
4. 強い核力
左脳と右脳は全く異なる意図を持っている。例えば、マイケルガザニガは被験者の左脳に「大学卒業後何になりたいか?」を問うたら「製図工になりたい」と答えたが、右脳に同じ質問をしたら「自動車レーサー」と文字を並べた。脳を支配している(言語化できる)のは左脳だが、言語化できない右脳自体にも心がある。
女性の15%は光受容体の色素として特別な(第四の)タイプのものを持たせるような遺伝子変異がある。これにより、彼女達は色素が三タイプしか持っていない大多数の人には分からない色の区別ができる。
20世紀の大半に渡り、心理学の有力な理論の一つである行動主義は意識の重要性を完全に否定していた。行動主義は動物や人間の客観的な行動だけが研究するに値し、心の中の主観的な状態はそれに値しないとする考え方。
意識とは、目標を成し遂げるために、種々のパラメータ(温度、空間、時間、他者との関係性)で多数のフィードバックループを用いて世界のモデルを構築するプロセスの事。
自己認識とは世界のモデルを構築し、自分がいる未来をシミュレートする事。
DARPA(米国国防高等研究計画局)の唯一の綱領は画期的なイノベーション。唯一の存在理由は、未来の実現を加速する事。
インターネットの次は、人間の脳を直接インターネットにつなげるブレインネット。ブレインネット時代では、会話の際に感情、ニュアンス、ためらいなど、心理状態の情報まで全て伝えられる。人々が極めて私的な思考や感覚を共有できる。
心でビデオゲーム、コンピュータ、家電を操作する。我々自身がモノのOSの一部となる。一人の作業員が心で動力源をコントロールし、ビルや家を建てられるようになる。
近い将来、遺伝子学、電磁気学、薬物療法により人の記憶を変え、知能を高める事ができるようになる。
感覚情報はまず脳幹を通って視床に達する。視床は中継局の役割を果たし、そこからシグナルは各種感覚の脳葉へと導かれ、分析される。処理された情報は前頭前皮へ届き、そこで我々の意識に入り、数秒から数分までの幅を持つ短期記憶を形成する。この記憶をもっと長く保存するには、情報をさらに海馬に通し、様々なカテゴリに分解し、様々な皮質に導く。感情は扁桃核に、言葉は側頭葉に、色などの視覚は後頭葉に、触覚や運動感覚は頭頂葉に留まる。
人間の眼の網膜には錐体と桿体という細胞が約1億3000万個あり、これらがいつでも1億ビットの景色の情報を処理して記憶している。この大量のデータが集められ、毎秒900万ビットの情報を運ぶ視神経を通じて視床に送られる。
情報は、後頭葉から前頭前皮質へ送られ、人はイメージを「見て」短期記憶を形成する。その情報はさらに海馬に送られ、海馬はそれを処理して最大24時間保存する。それから記憶は切り刻まれ、各種皮質に散らばっていく。
アルツハイマー病は、タウタンパク質の形成によって始まり、それがベータアミロイドというねばねばした糊状の物質の形成を加速し、それが脳につまる事によって引き起こされる。
記憶を長持ちさせる最良の方法は、その日の間に定期的に復習し、長期記憶に保存する事。
ウェブは我々の人生の出来事だけでなく、意識をも記録する巨大なライブラリになるかもしれない。
「知能の本当の証は知識ではなく、想像力である。」アインシュタイン
世界レベルの技術に達するにはどんな分野でも1万時間の練習が必要。
脳の左半球が収束的思考、右半球が拡散的思考を担当している。左側は細部を調べ、それを論理的かつ分析的に処理するが、その中で優先すべき抽象的なつながりを認識できない。右側はもっと想像力と直感に富み、情報のパズルのピースを組み合わせてひとつにまとめるといった総合的な働きをする傾向がある。未来をシュミレートする能力は拡散的思考力に依存する。
ドーパミンは記憶の形成と忘却の両方を積極的に制御している。忘却は時と共に劣化する現象ではなく、ドーパミンの介在を必要とする積極的なプロセスである。
人がチンパンジーと分かれて以降、過去500-600万年のうちにおよそ15回遺伝子変異が起きており、この変異は人の進化の重大な転機と関係している。
ヒトゲノムに存在する遺伝子がおよそ23,000個で、それでどうやって1,000億のニューロンが形成する1,000兆の結合をコントロールしているのか?ヒトゲノムの遺伝子の方が1,000億分の1のオーダーしかしかないので、我々の存在自体が数学的にありえないように思える。
夢は科学的発見も助ける。オットー・レヴィは、神経伝達物質がシナプスを通る情報の移動を助ける事を思いつき、アウグスト・ケクレはベンゼンの夢を見た。
人は一晩に夢を約2時間見ており、一つの夢は5分から20分続く。つまり、平均寿命のあいだに約6年夢を見て過ごす。
イルカは哺乳類なので、溺れないように一度に脳の片側だけ眠る。
意識がありながら見る夢を明晰夢と言う。この夢の見方は、見た夢をノートに記録する事。寝る前に、「夢の途中で目覚め、夢の世界で動き回っている自分に気づくのだ」と自分に言い聞かせること。枕に頭を載せる前にそういう心構えでいること。
我々は夢を見ている時、夢で空想している事を実行して惨事をもたらさないように体が麻痺状態になる。
意識は4つのレベルで評価できる。レベル0はサーモスタットや植物。単純なパラメーターで少数のフィードバックループを形成する。レベル1は昆虫や爬虫類。移動性があるので空間に関する世界のモデルを構築する。レベル2は哺乳類。自分と同種の他者との関係において世界のモデルを構築し、感情を必要とする。レベル3が人類。時間と自己認識を取り入れる事で物事が将来どう進展するのかをシミュレートし、そのモデルにおいて自分の占める場所を明らかにする。
脳はジョークの未来をシミュレートし、オチを聞いて意表を突かれる。恐怖の本質も同じ。物事が意表をついて恐ろしくなるとショックを受ける。
人間は美男美女の能力を買いかぶりがちになる。
人間の脳を構成するニューロンの数は1,000億個、これは天の川銀河の星の数と変わらない。可視宇宙にある銀河の総数も同じ。
天の川銀河の中に地球型惑星は10億個ある。
犬は厳格な序列がある群れで狩りをする狼の子孫なので、人間の主人をαオス、つまり群れのリーダーと見なしている可能性が高い。
イルカの脳の新皮質は雑誌6ページ分。人間は4ページ分。
地球外の知性に遭遇する事があれば、それは本質的にポスト生物である可能性が圧倒的に高い。肉体は進化の過程で不要となるからだ。
核力がもうすこし強かったら太陽は何十億年も前に燃え尽き、DNAが出現する暇はなかったし、もう少し核力が弱ければ太陽は点火されず、やはり我々は存在していない。同様に重力がもっと強ければ宇宙は数十億年前にビッグクランチ(収縮して潰れてしまう)を起こして、我々は皆焼け死んでいたし、もっと重力が弱ければ宇宙はビッグフリーズに至り、我々は凍え死んでいた。このような微調整は我々の細胞の一個一個の原子にまで及んでいる。物理学上では我々は星屑でできている。身の回りにある原子は全て恒星の熱で作られた。生命は貴重であり奇跡である。
7-10万年前の人口はわずか数百~数千人である。
意識は宇宙の根本をなす存在であり、原子よりも根本的である。物質世界は移り変わっても意識はずっと決定的な要素のままでいる。ある意味で意識が現実を創り出しているのだ。身の回りにある原子の存在そのものがそれを見たり触れたりできる我々の能力に基づいている。
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No.753
1.目的
最新の脳科学を知り、脳の可能性を理解する
2.得られたこと
SF映画の引用が多く、それらが一部の研究では実現している。
3.アイデア
TTS2016のオープニングでインスピレーショントークに利用する。
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脳研究最前線の情報が満載であり驚かされることばかりであった。
最先端技術との組み合わせにより、脳の機能が拡張され始めている。究極的には、肉体は滅びても記憶や意識が生き続ける世の中になるかもしれない。
20世紀が量子論の幕開けだったとしたら、後世の人たちはiPS細胞と合わせて21世紀を不老不死の幕開けと呼ぶのではないだろうか。
デジタルコンピュータの進化とは違う別次元の楽しみを見つけた気分だ。
脳同士が地球規模で直接コミュニケーションを行うブレインネットでは、言語処理系はどうなるのだろう?
考えを言語に一旦変換する必要がなくなるので効率がよくなるのか、それとも左脳で思考すると言われているので、はやり翻訳機能が必要になるののだろうか。
または、コミュニケーションに不可欠な暗黙知の共有化はどうするのだろうか。色々興味は尽きない。
記憶をアップロードしたり、忘却をコントロールできたりすることは、平和的利用をしている分には、人類の幸福につながるが、諸刃の剣であることは言うまでもない。
科学の進歩とともに多くの失敗も経験してきた我々は、生物としての進化にも踏み込もうとしている科学技術領域では、なお一層慎重になる必要があると思う。
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この一冊フューチャー・オブ・マインド ミチオ・カク著 心と意識の本質探る脳科学の最前線
2015/4/19付日本経済新聞 朝刊
心・知能・感情・思考・意識などについて脳研究がどこまで明らかにしているかについての本はゴマンと出ているのだが、いつも隔靴掻痒(かっかそうよう)という感じがしていた。専門家が書くと、確かに研究の進展ぶりはよくわかるのだが、脳神経科学神話に陥らない配慮のためか、あれもこれもと盛りだくさんに詰め込んで断定を避けるという書き方のためである。
しかし、本書は違う。理論物理学者である著者が脳科学研究の最前線を取材し、物質の反応として心や意識の本質をつかみ取ろうという観点で脳の働きを描いているからだ。むろん、現在わかっていないことがまだまだ多いが、著者は大胆に現在の知見を拡大して延長し、未来はこうなるであろうと単純に提示しているから、知らず知らずのうちに納得させられてしまうことになる。
脳研究においては、MRI(磁気共鳴撮像)、脳波計、PET(陽電子放出断層撮影)、脳磁計、脳深部刺激術など、脳を傷めずにその働きや反応を調べる手法が数多く開発され、脳のどの部分がどのような機能を担っているかの詳細が明らかになりつつある。それぞれ時間や空間分解能などに一長一短があるが、それらを組み合わせれば脳内の意識活動が手に取るようにわかってくるであろうと著者は予測するのだ。
例えば、直接の伝達手段を使わず、脳内活動を計測することだけで心の動きを伝えるテレパシーが実現できるだろうと言う。脳の活動とは脳内の電子が動くことを意味し、電子が動けば電磁波が発せられる。その電磁波を脳波計や脳磁計でキャッチして分析すれば何を考えたかがわかり、MRIで脳の視覚皮質が光ることをスキャンすれば思考の推移だって読み取れ、皮質脳波を測定すればその電気的パターンから心の呟(つぶや)きを聞き取ることができるというわけだ。これらの計器を全て装着したヘルメットを着用すれば、究極においてテレパシーで文章や楽譜を書くことができるし、互いに対話だってできるようになるかもしれない。心だけでなく、脳内計測を通じて記憶や夢、知能や感情などについても同じようにして把握できる可能性があると言う。むろん、それはまだずいぶん先の話だが、まさに理論物理学者らしい切り口で脳研究の行く末を語ってくれるので、SF以上に現実性が感じられることになる。
しかし、実際にそこまで脳研究が進んでしまって、果たして人間は幸福になれるのだろうか。
原題=THE FUTURE OF THE MIND
(斉藤隆央訳、NHK出版・2500円)
▼著者はニューヨーク市立大理論物理学教授。著書に『パラレルワールド』『2100年の科学ライフ』など。
《評》名古屋大学名誉教授 池内 了
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一言でいうと、地に足がついてないが故にとても刺激的で興味深かった。現実味がなくフワフワした感じ。ただ、全ての記述は根拠があることなので、現実味がなくても、未来に起こりうることでもある。
ハードウェアという脳、機能としての意識。これらを、病気やロボットという観点から、未来はどうなっているかと突き詰めていく。
が、この未来は、来て欲しいかというと、来てほしくないかも。。。精神疾患や人の暴力性がなくなることは大歓迎だけど、不老不死も既存の身体を捨てることも、意識を外部から覗かれることも、御免こうむりたい。やはり、幸せというのは、食べて寝て時々恋をする位がちょうどいいのでは。
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さすがニューヨーク・タイムズベストセラーで、皇帝の新しい心から火星の人類学者から心の社会から意識は傍観者であるまで、さまざまな意識にまつわる書籍を網羅していてしかも発散してない。これはなかなかの力仕事。物理学に反しているかいないか?をもとに、妄想もとめどなく進む。訳も読みやすかった。
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量子論から心に迫る本書だけど、小難しさは皆無で文系の僕にもとてもわかりやすい!
量子論や脳科学の最新の研究成果をベースとして、ロボットの心、異星人の心など、一見突拍子もない領域にアプローチしてるけど、現在解明されている理屈を土台にして想像可能な範囲で紐解いて行くため、無理がなく説得力がある。
随所でSF小説の設定を引用し、それが実現可能か否か見解を示してあり、より本書を親しみ易く読み易くしている。
カク博士の全開の想像力の世界で、一緒に知的興奮を楽しめる名著。
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2010年代の論文がぽんぽんでてくる、ほんとうに最新の知見に基づいて、心と意識の問題や、「テレパシーや念力は可能か」「記憶の書き換えはできるのか」といったSF的な問いについて考察している。著者が心理学者ではなく物理学者だというところも、バランスの取れた筆致に貢献しているのかもしれない。まとまりがいいだけでなく、終章に「補足」としてつけられている「意識の量子論?」という章が、宇宙と心をつなぐという本書の著者でしか書けないような内容で、読み応えがある。
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10次元宇宙?のカク博士による、心を科学する、をテーマにした本。最新の動向を平易に説明してくれる。相当に高度なネタなのだろうが、SFやら映画やらいろんなアイテムを使い、また面白い表現を使い、説明してくれるのでありがたい。にも拘わらずよくイメージができないトピックもあり、読むのはそれなりに気合が必要ではあった。他の専門書を読むのもよいのだろうが、ここまで平易な記述をされたものはそうないかも。2回目はよりじっくりと読んでみよう、と思える本である。
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前作からテーマをかなり絞り込み、心(=脳)について深堀りした一作です。ページボリュームはかなり有りますが、多数の映画作品を引用していて取っ付き易さはさすが定評のあるとおりだと感心しております。
次は何のテーマを取り扱うのか、このまま心の未来を掘り下げるのか?興味深いです。
私としては一旦、これまでに予想した事柄について振り返っていただき(例:作品「2100年の科学ライフ」記載事項など)ギャップの解説が読みたいものだと思っています。
今回は出版が早かったですねぇ。原本(英語)→和本(日本語)の前作までのペースだとあと1年は出ないと思っていたのに意外でした。しかも値付けもお手頃ですし。
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正月に放送されて話題をよんだNHKのNEXT WORLDにも出演して未来を語った物理学者が「意識」に切り込んだ500ページを越える大著、脳科学のテクノロジーの発達の歴史から物理学者の観点からの意識の定義(ここがとても分かり易く納得感があったので後述)そして、BMI(Body Mass IndexじゃなくてBrain-machine Interface^^;)が思ったより進んでいるのに驚かされ、脳科学の臨床をしっかり押さえてから、人工知能や意識のダウンロードそして量子論などの意識の未来を語ります。脳科学系の著書にありがちな哲学や宗教からの引用が無く、SF小説や映画からの引用が多くとてもワクワクしながら楽しく読めました。
本書での意識の定義のざっくりまとめ引用
レベル0:動かないかわずかな移動性だけを持ち、少数のパラメータ(温度、水分、日光など)のフィードバックグループを用いて自分の場所のモデルを構築する。
例)草花
レベルⅠ:変化する位置を評価する新たなパラメータ群(視覚、嗅覚、平衡感覚、触角、聴覚などで、このそれぞれに複数のフィードバックグループが含まれる)。
例)爬虫類、自身が何処にいて他の動物(獲物など)が何処にいるかといった心的イメージを形成する。
レベルⅡ:他者との関係という位置付けについてモデルを構築するためのパラメータ、動物がみずから集団のメンバーと社会的なやりとりをするのに必要なフィードバックグループの総数で定義する。
例)オオカミが自分のほかに10匹と群れをなし、どのオオカミとも15種類の感情や仕草をやり取りするとしたら、その意識の大雑把な近時は10*15で150となる。
レベルⅢ:人間だけが持つ未来をシュミレートする意識。世界のモデルを構築してから、過去を評価して未来をシュミレートする特殊な形の意識であり、多くのフィードバックグループについて折り合いを付けて評価し、目標を達成する判断を下す。
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科学は心、すなわち記憶、思考、感情をどれくらい解明できているか?
アメリカの著名な物理学博士で科学ジャーナリストのミチオ・カク氏が、最先端の研究の調査、インタビューを通じて、SFの世界がすぐ近くまで来ていることを教えてくれる。
とはいっても、物理的に可能かどうかを判断しているだけで、時間軸についてはあえて予想を控えている。それはそれで好印象である。
記憶をインストールしたり、意識体として宇宙をさまよったり、読んでいるとワクワクする。