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紙の本
水木しげるらしい南方熊楠考
2002/02/19 18:51
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南方熊楠の生涯を、水木しげるが描く。水木しげるらしく幽霊もたくさん出てくる。そして、不思議なことに、幽霊たちが、熊楠の人間性をうまく表しているからおもしろい。幽霊が出てきても、熊楠という人がぼかされるどころか、益々リアリティを持ってくるのである。
私は、南方熊楠という人のことをほとんど知らなかった。名前は耳にしたことがあるという程度。それで、本書を読んでどれくらい彼のことがわかったかと言うと、彼の業績の点で言うと、ほんの箇条書きする程度にわかっただけと言える。彼が研究していた粘菌がどういうものであるかは、今でもさっぱりわからない。「神社合祀令」に対する反対運動についても詳しく理解したわけではない。県の林業奨励に物申した過程も同様である。
業績の点で迫られると甚だ心もとない気持ちになるのだが、それでも、本書を読んで南方熊楠という人をがっしりとつかんだと思える充実感は大きかった。あれこれ私が彼に対して感じた文を並べると、必ず駄文になるのがわかっているので控えようと思う。とにかく、和歌山という地に、すごい人がいたんだ。日本は広いです。
南方熊楠に一言だけ言いたいことがある。「パンツをはきなさい。」あるいは、「褌を絞めなさい。」あるいは、「スッポンポンがいいのなら、せめて着物をはおりなさい。」と言いたいのだ。熊楠は、家の中では真っ裸のことが多かったようだ。畳にうつ伏せて文章などを書いている様子を見るとウッとなってしまう。そんな野放しの状態なので、しょっちゅう大事な部分が虫に刺されたり、かぶれたりしてしまう。「ほんまぁ、山下清でもデカパンをちゃんとはいてるんやで!」
偉人も天才も金持ちも、み〜んな人間である。ワハハ
紙の本
興味深い
2023/02/12 22:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
南方熊楠の生涯が、わかりやすくマンガで描かれていて、興味深く読むことができました。水木しげるさんらしい視点で、素晴らしかったです。
紙の本
妖と猫と。
2021/08/13 11:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:izumi. - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊楠と見えざるもの、熊楠と猫の絶妙な親和性。
不思議だと思ったものをどこまでも追いかける熊楠の姿と、地位ある人にも小さな生き物にも変わらない態度は、周りを巻き込む魅了さを放つ。
猫楠の語りのおかげで、神社合祀令に反対した理由、熊楠の粘菌研究と真言密教の関わりが腑に落ちた。
水木先生もまた、妖とも猫とも意思疎通ができた方なんだろうな。