この作家にしては比較的軽いが読み応え十分
2015/08/19 00:28
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投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は中学生男子。家族の問題を抱え、受験勉強に向かう中、ある夏の日に部活動で人里離れた地の合宿に向かう。このエリアは携帯の電波が一切届かない陸の孤島だ。
この合宿には、彼に仄かな思いを寄せる女子も、素行に問題のある男子や引きこもりの女子も参加する。引率する教頭は年中説教ばかりの辛気臭いオヤジで、補佐の女性教諭もぱっとしない地味なタイプで・・・と、始まりはなんだか青春小説くさい。
やれやれ、こういう甘酸っぱいジュブナイル風味なお話、苦手なんだがなあ・・・と思いつつ頁をめくっていったら、突如キャンプ地に凶悪な半グレ集団出現。えええ、なんだなんだ?!と驚いている間に、血まみれの大殺戮が始まる。
主人公と仲間たちは半グレたちに捕われたが、その窮地を救ったのは引率の地味な女性教諭。彼女は冷静沈着に暴力集団に反撃を仕掛けていく。彼女の謎に満ちた正体とは・・・?
殺るか殺られるかの凌ぎあいがエスカレートする中、中国マフィアも絡んできて血生臭さはいよいよ増していく。果たして無力な少年少女らは生き残れるのか・・・?!
現場となるキャンプ地は、人里離れているとはいっても都会からもそこそこアクセス可能な場所らしい。誰でも一度は行ったことがあるような、首都圏から数時間くらいのありふれたキャンプ地のイメージ。知っているところと簡単に重ねられる意外な身近さで、それがむしろ怖さを増幅させてくる。
そしてそんな身近な場所で展開される戦闘シーンが凄まじい。派手な銃撃戦から激しい格闘技まで、この設定で良くこれだけバラエティー豊かな状況が展開できるな、とつい感心してしまうほど。作者の描き出すこうしたシーンの迫力は過去の作品で体験済みだが、今回も相変わらず強烈なリアリティーに痺れさせてくれる。
話の展開はもう一切予測不能。
この作者の作品としては、比較的軽く書き飛ばした感じのする話ではあるが、話を一切破綻させることなく読者を一気にラストまで攫っていく。派手な戦闘シーンや意表を突く展開の連続は、うっかり間違えるとバカっぽくなってしまうのだが、徹頭徹尾きっちりとリアリティーをもって迫ってくる。そして読後感もよい。
ふと気づいたら完全に話に引きずり込まれて一気読みだった。
数時間読み耽ってスッキリできる、優良エンタテイメント小説だ。
暴力描写がダメな人だけはやめておくのが良いかなあ、とは思うが。
で、なんだかんだと、決まり手はカントリーマアム、だったり。
この辺のひねりが、若干クサイがいい味を出していた。
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内容(「BOOK」データベースより)
弓原公一が部長を務める水楢中学校野外活動部は、夏休み恒例のキャンプに出かけた。しかしその夜、キャンプ場は武装した半グレ集団・関帝連合に占拠されてしまう。彼らの狙いは場内のどこかに隠された四十億円―振り込め詐欺で騙し取ったものだ。関帝連合内部の派閥争いもあり、現金回収を急ぐリーダー・溝淵はキャンプ場の宿泊客を皆殺しにし、公一たちは囚われの身に…。そのとき、何者かが関帝連合に逆襲を始めた!圧倒的不利な状況で、罪なき少年少女は生き残ることができるのか!?
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この作家の土漠の花は面白かった。
この作中、驚くポイントが2カ所あった。しかし、それだけ。読むのは、文庫本になるのを待ってからでよかったかも。
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おぉ、見事に期待の上をいく物語!
こんなハチャメチャでスリリングな小説は久々です!
めちゃ、ファンになってしまいました!
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悪人たちの動機があまりにお粗末で、また、半ぐれとかチャイニーズマフィアとかいろいろとぶっこんだ割にはあまりにあっけなく壊滅するのもストーリー展開として必然ではあるものの、ここまでする相手であれば、もうひとひねりはほしかった。教頭と薙刀少女の活躍は最初から見えていたし、強引なオレオレ詐欺被害者の設定も底が浅かったが、物語に勢いがあって、一気に読ませるのは流石に最近、のっている感がある。
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すごい。
悪人達とは言え、大量に人が死ぬ小説は疲れやすい。
けど、このスリルとスピード感には夢中にさせられた。
正体が分かるまで何度も「ライザ?」って思った。
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もうめちゃくちゃ! スゴいの一言
本の帯を見ておそらく自衛隊の特殊部隊上がりの人が活躍するのかなぁ〜と想像していたが、まさか・・・・・あんな人が日本に居たとは❗️
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面白かった。一気に読めた。
2015.5.10
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気配を消すことは、自分を消すということよ。それは自分を完全にコントロールするということでもあるの。由良季実枝先生。かっこいい。槐名前だったのか。教頭先生も良かった。面白い。映画化できそう。カントリーマアム食べよう。
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中学生と引率の先生、振り込み詐欺グループ、中国マフィアとの死闘…かなり残忍な描写がけっこう多かったけれど、一気に読んでしまいました。この著者の作品は初めてでしたが、他の作品も読んでみようと思いました。
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タイトルが何を意味しているかと思ったが、人の名前で驚いた。
現実にこんなことが自分の身近に起こったら、生き延びることができるのかと読み進んだ。
中学生が部活の合宿で訪れたキャンプ場で無差別殺人の渦中に巻き込まれることになる。人質となり、最後には殺される運命であろう主人公たちだったが、部活の副顧問の先生の正体がとんでもない人で・・・
驚くべき設定だが、絶対的な強さで中学生たちを助けるエンジュ、怪我で来れなかった顧問の代わりに引率した教頭もいい。
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とにかく面白いです。
ありえないような設定ですが、あり得るようでもあり、怖いです。
ストーリー展開が巧みで、臨場感やスリル満点の場面展開。
格闘シーンが目に見えるような、文章力が圧巻です。
文句なく、楽しめます。
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#読了。中学校の「野外活動部」のメンバーたちは夏休み恒例のキャンプに出かける。その夜現れたのは、現金40億をさがす半グレ集団。次々と殺人・暴行を加える彼らに立ち向かう者が。。。どうしても機龍警察シリーズと比べてしまうと・・・
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スピード感満載の作品。半グレ集団の悪逆非道から逃げる子供達と彼らを守る先生の物語。読んでいく中で子供達だけでなく先生も成長していき、誰も死なないで欲しいと思わされた。1人は死んでしまったが、子供達の中では生きてるのかなと思った。
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タイトルまさか人名だったとは。
なんかすごく落ち着いてはじまったから、あっこれは合宿先で手がかりを見つけてしまう的なやつかな?ジュブナイルかな?と思ったけどやっぱり月村さんだった。下衆な犯罪集団と命がけの殺戮バトルだった。
教頭先生そういうことじゃないかと思ったけどやっぱそういう感じだったか……今後もそういう先生として居続けてほしかったぜ。