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凛々しく成長した忠輝は、越後福嶋藩の大名となる。福嶋藩のキリシタン化を企てる附家老・大久保長安には野望があった。ラテン語を理解し、南蛮医学まで修得するほどの開明的知性を持つ忠輝を将軍にしようというのだ。その能力と人望ゆえ、兄の将軍秀忠に恐れられた忠輝は、秀忠配下の柳生宗矩に狙われる。
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成長した忠輝の魅力といったら、欲なく、争いごとが嫌いで、庶民の立場にたて、冷静で客観的に判断し、しかも南蛮語や医術に長け、というほど非の打ちどころがないほど。
比較される秀忠は官吏としての才能はあるはずだが、ここでは臆病で猜疑心の強い人物に。家康は軍事・官吏・政治手腕のある人物に。
やがてキリシタン禁令、そしてイスパニア派遣への遣欧師という史実にからんでくる。ここでも支倉常長が剣の達人として、常人ならない強さと、忍耐強さが抜きんでて描かれている。支倉常長も知りたい、と思った。
些事になるが、家康は駿府を一つの独立国として、城を造り、軍を置き、貿易の収益を集めたという史実が、今の静岡に残っているのか? 気になった。
次から次へと膨らんでゆく作品です。
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隆慶一郎最後の長編「捨て童子・松平忠輝」。上中下全三巻の中巻。
生まれ持った性質が曲がらずに、とにかく最大の成長曲線を持って成長した忠輝。
彼の境遇を鑑みると、これは奇跡でしかないのではないか。
読み終えたトータルの感想は下巻で。
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大久保長安の野望が書かれている。
忠輝を将軍にしようとしたとのこと。
ただ、これはフィクションのようである。
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夏の気配が全く
無くなり
晩秋の夕焼けが真っ赤に
西の空を彩る頃になると
無性に読みたくなるモノが
時代小説です
それも 淋しい夕暮れ時には
できるだけ すかっとしたものが良い
それで
手に取るのが
隆慶一郎文士
いつものことだか
陰の一族
歴史の裏側で
蠢いていた
人たちの活躍が
これでもか
と繰り広げられる
隆慶一郎さんの
傀儡子一族への愛しさあふれる
描写を読めるのは
寒くなりかけた
この季節には
まことによろしいのです