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この手の小説を読むといつも思うことがある.子供って大人が考える以上に残酷な存在なんだと.中学生ぐらいになれば思考も大人と然程変わらない,強いて言えば経験不足からくる短慮が目立つぐらいだろう.本作の父親の気持ちが痛いほど分かる気がする.
以下あらすじ(背表紙より)
どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまう―。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。「全然悩んでいるようには見えなかった」。クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。二人が出遭った時、悪魔の心が蠢き出す…。女子高生達の罪深い遊戯、娘を思う父の暴走する心を、サスペンスフルに描く!
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一人娘の転落死の真相を追う大学講師の父親の姿を描いたサスペンス。
小説のテーマはどちらかと言うと使い古された感のあるものだったのですが、非常に巧くまとまった秀作だったと思います。
心理描写が個人的に良かったです。娘を失った父親の後悔などの心理描写はもちろんのこと、ヒエラルキーや仲間外れを恐れる女子高生の心理描写、そして自分の行為が明るみに出ないか恐れる心理描写が非常に真に迫っていてサスペンスフルで読まされます。
登場人物でもう一人重要な位置にいるのが主人公安藤の同僚の小沢早苗。アスペルガー症候群などではないものの、相手の言い回しや比喩表現が理解できない彼女と、安藤のやり取りが安藤の、そして陰鬱なストーリーのこの本の救いでもあります。
複雑な人間関係や”空気”というものに対し彼女が無自覚で、冷静に外から見ているからこそ、彼女の心理描写が描かれる場面は一種のエアポケットのような安心感がありました。
第3回野生時代フロンティア文学賞
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意味深なタイトルに惹かれて手に取った一冊。なかなか良かったです。
いじらしいほど「いい子」な加奈が、くだらない交友関係のために命を落としてしまうなんて… 自分が安藤聡の立場だったら、我を忘れて咲に復讐するだろうな、と思います。そうした点でどういった結末になるかが気になって、かなり興味を持って最後まで読み進められました。
一点だけよくわからないのが小沢早苗の設定。アスペルガー症候群ぽい感じですが、この設定の必然性があまり感じられず。作品内のすべての設定に必然性がなくてはならない訳ではないですが、何となく「なんでこの人、こういう設定なのかな?」と疑問に思ったもので…
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学校のベランダから転落して一人娘を亡くした父親が、その真実を追ううちに、いじめの事実に突き当たっていき、そして…というサスペンス。
理性を保っていたはずの父親が、あるエピソードをきっかけに強い殺意を抱く場面が恐ろしくてそして哀しい。その憤りと気づけなかった自らに抱く後悔が限界まで高ぶって、あまりにも残酷だと感じました。
父親の敵となる女子高生は生々しい造形で、エゴのかたまりな行動と言動のすがすがしいまでの迷いのなさには彼女の空虚さの深さを感じ取りました。誰よりも実は彼女の思考は幼い。けれど発達した知能が、ひどく冷酷な結果を抱いていくという歪みがリアルに迫るように感じました。
もうひとりの大学教員の女性のキャラクタもまた一つのスパイスとなり、双方の「対決」を冷静な視点から眺める役割ともなっていて面白いなと思いました。彼女ほどは行かなくても、巧く相手と距離感をつかめないと感じるときはだれしもあるもので、だから彼女に親近感や頑張ってほしいという気持ちを抱きもしました。
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マンションのベランダから突き落とされたとき、娘と同様に死んでしまうと思った。
良かった、安藤が助かって。
巡りあわせの悪い安藤だけれど、せめて今後早苗と上手くいかないかなあと、願ってしまう
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子供がいじめを苦に自殺したら、(実際は事故だったが)
自分がどういう風になってしまうのか、犯罪をおかしてしまうかもしれないと思うのはみんなある心理だと思う。映画化ということで、ちょっと見てみたい
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暗い話。娘の死とその友達との関係。
特にミステリーならではのどんでん返しがあるでもなく、淡々とストーリ-が続いていく。
この手の女子高生ものにはありがちな作品
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どうしよう、お父さん、わたし、死んでしまうー。安藤の娘、加奈が学校で転落死した。「全然悩んでいるようには見えなかった」クラスメートからの手紙を受け取った安藤の心に、娘が死を選んだ本当の理由を知りたい、という思いが強く芽生える。安藤の家を弔問に訪れた少女、娘の日記を探す安藤。二人が出遭った時、悪魔の心が蠢き出す……。
いじめに加担していた咲が、最後まで罪悪感というものを持てずに自分の保身のみを優先し、1つの誤魔化しを隠すために結局は取り返しのつかない罪を犯してしまう。何て愚かなんだろうと思った。
小・中・高と狭く閉ざされた世界が唯一と考えてしまいがちな学生時代。そこで居場所を失ったら…と恐れ、追い詰められてしまう前に「世界はここ以外にある、逃げ場所はいくらでもある」と日頃から伝え続けないといけないのかもしれない。
読みながらずっと内野さん&吉野実憂ちゃん(映画キャスト)が頭の中で動き回っていたな。DVD化したら見てみよう。
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帯にゴンゾウの人がいたからなんか脳内で映像化しやすかった。初めてこういうシナリオの小説読んだせいもあるのかラストは焦燥感あおられた。
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大学講師・安藤の娘加奈が学校で転落死した。事故なのか、自殺なのか。心が悪魔に変貌した安藤の復讐がはじまる。
大人から見ると実に小さい学校の世界。逃げ場はあるという理屈は、子供たちには通用しない。何故なら大人社会でも職場、地域や近所、公園など、小さなコミュニティ内で同じような苦痛を与えたり、感じているからだ。逃げ道は同じ境遇の者を見つけることしかない。加奈の孤独感を思うとやりきれない。
本作品の巧いところは、対人コミュニケーション能力に欠ける早苗の存在である。加奈との対比で捉えると、彼女の個性が貴重に思える。
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一気に読んだ。
映画は、見逃して観てない。
だけど、上映期間が短かったから大した事ないかも…と思ってた。
大した事、あった。
世の中、TVや週刊誌で取り上げられてる内容だった。
特に女子は、面倒くさい生き物だ。
ベタって熱帯魚、初めて知った。
安藤さん、助かって良かった。
早苗さん、これからも宜しくお願い致します。
って、願わずにはいられなかった。
感情移入Maxな私でした。
'16.01.09読書完了
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◎生々しいスクールカースト、追い詰められた女子高生の取る行動。どれだけ人間は冷たくなれるんだ。
安藤の娘、加奈はある日突然学校のベランダから飛び降りて死亡する。そんな加奈のそのときの回想シーンから小説は始まる。
悲しみに暮れる安藤は、加奈がなぜ飛び降りたのかがわからない。そんな中クラスメイトから寄せられた手紙に疑念を覚え、加奈のパソコンを開こうとするが、パスワードがかかっていて開けない。
一方飛び降りたところに居合わせた咲と真帆。二人は自分たちのしたことにそれぞれの思いを持って口裏を合わせようとする。咲は一人で安藤のいる家に向かう。偽名を使いあがりこんだ咲は盗聴器をしかけようとする。一方加奈の話を聞きたい安藤は咲を引き留めるために日記がある可能性を伝え、日記を見つける。そこに書いてあったのは咲や真帆と一緒に遊ぶ加奈の姿・・・と思いきや、いろいろないたずらをされたりして苦悩する加奈の姿があった。
安藤は咲や真帆に復讐することを考えるが、咲と真帆は安藤の先手を打とうとする。復讐が勝つのか、先手が勝つのか。
真帆は咲に認められたいがために咲の言うことには逆らえない。咲はクラスのリーダーというよりは誰も逆らえない裏ボス的な立場である。そんな咲を中心とする陰湿ないじめ。誰も逆らえない、誰も助けてあげない。加奈は咲とも真帆とも仲がいい、と思っていただろう。どんなに加奈は辛く感じながらも何とか仲良くなりたい、もっと遊びたい、と思っていただろう。弱みに付け込む咲は人心掌握に長けていて、スクールカーストの頂点にふさわしいと言うべき人間だろう。咲は、自分は悪くない、自分が有名になるためには誰の犠牲もいとわない。
苦悩の末追い詰められた加奈は飛び降りる。
安藤は早苗に支えられながら、加奈を失った悲しみにくれた状態から少しずつ人間としての精気を取り戻していく。安藤は犯人に気づいた瞬間から、復讐を計画した。しかし簡単にいかないと踏んでいた。咲と真帆を罠にかけた。安藤は追い詰めて決断する。
咲は、安藤に追い詰められて決断する。
決断はその場ではきっと痛々しいが最良の手段だっただろう。
映画を見たあとに読んだ。小説だけだともしかするとふわっと話が進んでいく印象もあるので、映画から見るのもよい。映画では咲の陰湿さがより際立って見える。小説は一人ひとりの感情を理解しながら読むことができるので映画で語られない背景も十分楽しめる。
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この小説を読み終えて一番感じたことは、やはり、いじめの問題というのはなかなか難しい問題だと思う。私が子供の頃はこんな酷いいじめなんかはなかったし、そもそも自殺なんか考えたこともない。ただ、この小説の最後あたりで安藤が問いかける反省とは何だろう?私もよく考えるが、一言で言い表すことは難しいと思う。それに最後の最後で安藤がしかける罠、これも反省のためなのだろうか?ちょっと、その辺の心理状態が理解しがたい。
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正直先が読めてしまう展開。ベタっていう魚の扱いがちょっと不自然かな。女子高生のその後の心境が気になるところ。それは読者にお任せってことかと思うけど。
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大学講師の安藤の一人娘加奈が学校の校舎から落下死してしまう。
自殺なのか他殺なのか、事故なのか?
救いのない内容が多いけど、結末は悪いものではなかった。